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「イズル!スイッチだ!」

「おうよ!」


シールドバッシュのタイミングで俺が前に出る。

オニは2m近く、横幅も大きい。

とんでもない迫力だ。


でも、これをルーナに任せておけない。

そのために俺はモンクになったんだから。


「コンゴウヤシャ!」

俺の体から金色の光が発せられる。

オニ達が俺へと殺到するが、攻撃は通らない。

十秒間は圧倒的な防御力を得られるのだ。


「メテオストリーム!」

ベラの放つ魔法が俺を中心としたオニ達へと降り注ぐ。

オニ達は塵一つ残さず消えるが、俺へのダメージはない。


これがモンクの力か!


「ラージヒール!」

俺の前に攻撃を受けてくれたクライスを回復するが、回復量はかなり落ちている。


モンクの限界か。

味方の体力状況も細かいところまではわからないようだ。


「いいスイッチだぞイズル!」

「ありがとうクライス!」


「もう次が来たね!アームスティール!」

「トクシックソーン!」


紫の茨が伸びていく先には、再びオニ達がいた。

数は5。アカオニ2のアオオニ3だ。


「ここは俺が!ダイイトク!」

「フレイムエンチャント!」


ダイイトクを唱えると俺の体がさらに軽くなる。

圧倒的な攻撃速度が得られるのだ。


そこにルーナの魔法で炎が付与される。

俺が敵を殴る度に拳から炎が吹き出し、敵を燃やしていく。

高速で魔法を放ち続けるようなものだ。


「ファイアボール!

「バックアタック!」

「シールドバッシュ!」


もはや壊滅状態のオニ達はユウセイ達の追い打ちにより全滅した。


「すごいじゃんイズル!」

「もう使いこなせたのか」

「私達は楽でいいわぁ!」


「ルーナのエンチャントありきだから」

「ううん!すごいよイズル!」


ルーナは目に涙すら浮かべている。


モンクの持つ高速攻撃と近接攻撃に対する付与魔法は本当に相性がいい。


モンクになってよかった!


「さぁ次行こう!」



俺達は結局午前中まるまるを狩りに当て、昼を挟んだ午後も大部分をダンジョンで過ごした。


「いやぁ今日は随分た戦ったねぁ!」

「だな。こんなに戦うのは久々だ」

「そうね」


「私もうへとへとだよぉ」

「俺ももうしんどい」


こんなにハードな狩りは初めてだ。

でも同時にこんなに楽しい狩りも初めてだった。


みんなの前を行き、盾となり火力ともなるこの快感!

まさしく天職だ!


「じゃあ今日もギルド行って解散ね!」

「おうよ」



「では並んで下さいね」

昨日と同様に縦に並び、鑑定を受けていく。


「ユウセイさんも変わりなしです。では次の方」

「はいっ!」

ルーナの番だ。

どれくらい伸びているやら。


「ルーナさんは251です!37も伸びていますよ!」

「ありがとうございますっ!」

「あらら。さっそく抜かれちゃったわね」

ベラの魔力は242のままだった。

ルーナはあっさりと抜いてしまったようだ。


「ユウセイさんは218です。こちらも45の上昇です!」

「二人とも、魔力の上昇早すぎやしないか?」

「びっくりだね!」

「ほんとよ」


「俺も驚いてる」

俺とルーナはやはりずば抜けて伸びるスピードが早い。

最初は魔力が低いうちだからだと思っていた。

だが違うようだ。


地下ダンジョンのときもパーティーメンバーをあっという間に抜かしてしまったし、今回もユウセイらとそこまで変わらないレベルになっても伸び続けている。


なにか伸びやすい要因があるのだろうか?


「強くなるのはいいことだよ。この分なら今週には次のダンジョンに行けそうだ」


「次のダンジョン?」


「通る途中に立ち寄ったフルリオって港町覚えているか?あそこから行ける島が、次のダンジョンだ」


「島がまるまるダンジョンなのか?」


「そうなの。といっても、小さな島だけどね」

ベラはそう言ってため息をつく。


「またすぐ移動ね。しかもこの季節の島って日差し強いし、日焼けしちゃうわぁ」


「たしかにな。移動も日焼けも面倒だ」

「面倒とかじゃなくて、乙女には死活問題なの!ねぇルーナ?」

「は、はいっ!そうですよねっ」


「ルーナちゃんは気にしていなくないか?」

「ちょっとルーナ!日焼け防止は大切なのよ!そうだ、このあと日傘買いに行きましょ!」


「えぇ私は疲れているのでっ!」

「こらっ!買いに行くのっ!」


ルーナはベラに捕まえられ、街の中央へと向かっていった。


もうすぐこの街を出るのか。

フルリオへは馬車でまた4日程かかる。

それまでゆっくりしていこう。


遠くから響くルーナの声を聞きながら、そう思った。


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