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明くる朝、俺達は再び鬼宿寺の中にいた。


「イズル!たのむ!」

「任せろ!エリアオブヒール!」


クライスを中止とした範囲に緑の光が輝き、全員の体力を回復させる。


大量の鬼を前にはしているが、体勢は立て直せた。



「ちょっとまずいか?」

「大丈夫!メテオストリーム!」

無数の隕石がオニ達へとぶつかり、消し飛ばす。

しかしその後ろから次々とオニが押し寄せてくる。


「シールドバッシュ!スイッチ!」

「はいっ!サンダーエンチャント!」


ルーナの剣から奔る稲妻がオニ達を感電させ、動きを鈍らせる。

これならいける!


「バックアタック!」

「ラージヒール!」


ユウセイの攻撃でクロオニが倒れる。

前に出てきているのはアカオニとアオオニだけだ。


「ベラも足止めよろしく!」

「任せて!アイシクルブリザード!」


青い冷気がオニ達を撫でると、次々と凍りつき、氷像となっていく。


オニ達からは白い煙がでている。

こっちまで寒くなってくるな。


「よし!撤退!」

「はいっ!」


俺達は鬼宿寺を脱出した。


「いやぁ今回は危なかったね!みんなよく頑張ってくれた!」


宿につくと、ユウセイが手を叩きながらそういった。

たしかにルーナも俺も、やれることはやれたはずだ。


「鬼宿寺ってのは、あんな群れが湧くのか?」

10や20じゃない。

100を超えるオニ達が一斉に向かってきた。


あれを二次職で相手にするのは不可能だろう。



「あんなのは俺達も初めてだよ!」

「全くだ。俺達だから良かったが、普通なら全滅だろう」


そうだよな。

俺達ですら逃げるのがやっとだった。


首都のダンジョンでも、同じような目にあったってのに。


「今日はもうおしまいにしようか!十分戦えたし、なにより疲れた」


「私も魔法力の回復に時間がかかるわ。かなり込めたから」


「魔法力を込める?」

多く込めるなんてことができるのか?


「私のバフスキル。自分だけなんだけど、魔法力を通常より多く消費して早く打ったり、強く打ったりできるの。エルプティオマギカって言ってるやつね」


そうだったのか。

とんでもないスキルだな。


「なんにせよ明日までは休むしかないだろう。魔力の鑑定を受けたら今日は終わりだな」

「そうだね!」


「ああそうだ。その前に昨日イズルと話したことなんだが」


「ああ、あの件ね」


「俺はいいと思うよ!モンクでもビショップでも好きなジョブを選べばいい。ただね」

ユウセイ珍しく真剣な様子だ。


「ただ?」


「ビショップは数が少ない。君ならビショップの上位職、カーディナルすらも狙えるんだ。本当にいいの?」


「俺もモンクよりはビショップの方がおすすめだぞイズル」


「俺は、ビショップではやりたいことができないなら、モンクでいい。モンクになりたいんだ!」


「そっか。ならいいと思う!応援するよ」

「ありがとうユウセイ!」


よかった。認めてもらえた!

これで俺はモンクを目指せる!

もうルーナに、壁をやらせなくて済むんだ!




「じゃあ2日分の魔力鑑定お願いします!」

「かしこまりました。そちらにお並び下さい」


俺達はギルドの受付についた。

一人ずつ魔力の鑑定をしてくれるらしい。


「ベラさんは242です。おお!上がっていますね!」

「久しぶりに上がったわ!やっぱ危ないときほどあがるのよね!」


テンション高いな。

200も越えてくると、なかなか上がらないのだろう。


「クライスさんは265です。変わらずですね」

「そうか。残念だ」

「ユウセイさんは367です。こちらも変わらずです」

「だろうね」


「ルーナさんは224です!42も伸びていますよ!」

「そんなに!?」


ルーナそんなに高くなっているのか!?


「オニだけでなくバフォメット討伐も含めています。とはいっても、すごい上昇量ですね!」

「ありがとうございますっ!」


ルーナはぴょんぴょんと飛び跳ねている。

よほど嬉しいんだろう。


「さてイズルさんは……173です!もう三次職になれますね!117も上昇しています!」


173!?

3倍近いじゃないか!?


「お二人は格上の魔物と戦っていますから!

前例のない上昇量ではありますが」


「おいおいこりゃあ」

「あっという間に抜かされちゃいそうだね」

「そうねぇ」


三人達も苦笑いだ。

自分でも驚きだ。


「イズル様は転職できますが、もうされますか?」

「はい!モンクになりたいです!」

「一度転職されますと戻ることはできませんが、構いませんか?」

「構いません!」

「では支部長を呼んで参ります」


「ここの支部長を務めている、ミヅキです。モンクに転職でよかったですね?」


しばらく待つと、銀色の髪の女性が現れた。

支部長か。若いな。


「お願いします!」

「では」


ミヅキの手のひらから金色の光が現れ、俺の体を包む。


次の瞬間、体が一気に軽くなった!


「体がすごく軽い!」

「パッシブスキルのグンダリの効果だね」

「そうだな。随分と軽くなるなるらしい。

熟練のモンクは空中でも自由に動けるらしいぞ」


「そうなのか!」


これからが楽しみだ。

ふとルーナを見ると、小さくありがとうと唇を動かしていた。


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