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よろしくお願いします。

「これがハドン大橋か!」


フルリオを出てすぐにみえてくるのは幅200mを越す大河、フレンツ川とそれを跨ぐハドン大橋だ。

聞いてはいたけど、すごい!

どうやってこんなでかい橋かけたんだ!?


「ほんとに大きな橋ですね!」

隣に座るルーナもテンションが上がっているようだ。

胸元には青く宝石が光っている。

気に入ってくれたようでなによりだ。


「しかもこれから渡るんだ!何度渡ってもワクワクするよ」

「ふふ。そうね」

「だな」


カタカタと音をたてて橋の上を進んでいく。

東西に伸びる主要街道のうち、ここだけは凝灰岩でできているらしい。

たしかに色も違うし、より揺れる感じがする。


橋を半ばまで渡ったところで海側の覆いを除けると、川が海に流入する河口部が見えた。

海はどこまでも広がっていて、海から吹き寄せる風が磯の香りを届けてくる。

やっぱり海はいい!


「綺麗だね、ルーナ」

「そうだね!」


横を見るとルーナも水平線を眺めていた。

宝石と同じ碧い瞳が海水の蒼を映している。


橋を越えた後はまた平原をひたすら進んでいく。

遠くで波の音が聞こえはするが、海はもう見えない。


魔物と遭遇することもなく夜を迎え、二回目の野営となった。


交代での哨戒をすることになったが、俺とルーナは二人で一回入ればいいということになった。


子供はよく寝ろとのことだった。

ありがたい。


「イズル、冒険者って楽しいね?」

「だな。俺も最近一段と楽しくなったよ」

前までは冒険者といってもただ王都の地下でネズミ退治してただけだからな。

今の方が冒険って感じがする。


「私間違ってたみたい。ごめんなさい」

そう言ってルーナは頭をさげてくる。


「いいんだ。俺の方こそ反発してごめん」

俺も頭を下げた。

こんなに王都から離れて、夜二人きりで頭を下げてるのも可笑しな話だな。

思わず吹き出すと、ルーナも笑っていた。


「なにを今更謝ってんだろうね?」

「ほんとだよ全く。もう終わった話だろ?」


「うん。そうだね!」




その後三回の野営を終えて、ミュヘイムについたのは七日目の夕方のことだった。


ミュヘイムは山の麓にある街で、王国西部の治安維持と国境警備を務めている。


フルリオと対照的に閑散としていて、どこか寒々しい町並みだった。道は広い。


「まずは宿屋で一泊しよっか。明日は旅の疲れを癒やすために休みで!」


また休みか。遠征に来てからほとんど戦えていない。

早くダンジョンに潜りたいな。


翌朝起きてみると、とんでもなく体が重い。

これが長旅の疲れってやつか。

ダンジョンは無理だな。


他の面々も疲れているらしく、部屋で休んでいるようだった。


昼になるとルーナが部屋にたずねてきた。


「どうした?ルーナ」

「いまからお昼食べに行こうと思って。一緒に行かない?」


「そうだな」


中心部にいくと、肉を焼くいい匂いが漂ってきた。

めちゃくちゃ美味しそうだ!


「ここにしよう!」

「そうだね!」


席につくと、中央部が盛り上がった鉄のお椀が置かれている。


「なんだこれ?」


「中央で肉を焼いてください。周りの低い部分には野菜を入れると、肉汁を吸って美味しく焼き上がります」


「なるほど!」


そいつはうまそうだ!


口に入れてみると、肉はやや臭みがあったが脂がのっていて、野菜も肉汁が染み込んで美味しい。


「うまい!」

「おいしいー!」

ルーナもどんどんと頬張っている。

よほど気に入ったのだろう。


「ごちそうさまでした!」


会計をして店を出ると日差しが随分と強い。

もう夏って感じだな。


「さっきのお店、すごくおいしかったね!」

ルーナは軽くスキップするかのように歩いている。

ほんとに気に入ったんだな。


「ああそうだな」

実際とんでもなく美味かった。

美味かったせいで食べすぎて、とんでもなく眠いが。


「また来れるかな?」


「長丁場になるらしいし。また来れるよ」


「やったぁ!」

実際おいしかったしな。

俺もまた来たい。


だが俺はなにより早く強くなりたい。

魔物を狩りたい。

経験を積みたい。


そのためにこの街に来たのだから。


焦っているときも時間は同じように流れていく。

嫌に長い午後が過ぎて眠ると、やっと待ち望んだ朝が来た。


この街での冒険が始まる。

いよいよ次話からダンジョン攻略シーンです!

明日もよろしくお願いします。


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