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転生の万魔眼  作者: 焔数
序章:転生と異世界
13/20

第13話:もしかして、間違われた?

2話連続で投稿です。(1話目)

「やりますわね。」

立ち上がったイリスがミシェラに手を差し出す。

「イリス様こそ、素晴らしい魔法でした。当たっていればどうなっていたか……」

イリスと握手し、称える言葉をかけるミシェラ。

「素晴らしい戦いでした。皆さん、惜しみない拍手を。」

教師も2人の戦いを褒め、そう締めくくる。

周囲からも割れんばかりの拍手が巻き起こる。

どうやら、課外授業ができない鬱憤はだいぶ晴れたようだ。


「光線放射で杖を受けたのはどうやったのですか?」

今まで遠巻きに見ていた生徒たちが気さくに話しかけてくる。

「それはですね。イリス様の杖を守るために障壁が……あれ、そういえば杖は?」

ふと気付く。

確かにイリス、杖持ってない。

「……あら?」

そう言えば、さっきふっ飛ばされていったな。


「あ。と、取ってまいります。」

慌てて駆け出すミシェラ。

なにせアレはクヴァルセ伯爵家の家宝。

弁償は……まあできるだろうが、そもそも失われて良いものでもない。

それに、まあ、ミシェラのせいで家宝が無くなったなんて聞いたら……

「もし紛失でもした日にはお父様がまた倒れてしまいます。」

と、言うわけだ。

ちなみに、最初に倒れたのはミシェラがクヴァルセ伯爵に会った日な。


「ええと、多分この辺りに飛んで行ったと思うのですけど……」

競技場の裏手、資材の搬入に使われる入口がある辺りだ。

一部の素行の悪い生徒を除いて生徒たちはあまり近付かない。

目的の杖はすぐに見つかった。

どうやら壊れている様子もなく一安心だな。

「良かった、壊れていたらどうしようかと。」

そう言いながらミシェラが杖を掴もうとしたその時……


「俺たちは運がいい。こんなに簡単に目的の人物を見つけられるとはな。」

そんな声が背後から聞こえた。

「へ?」

そしてかしゃり、と何かが首に嵌められる。

同時にがくん、とミシェラの体から力が抜けていく。

「おい、早くしろ。」

そのまま動きの鈍ったミシェラを抱えあげ、荷物運搬用の馬車に放り込む男たち。

あ、これ、誘拐ってやつだ。


「あ、貴方達……」

なんとか逃れようとするミシェラだが体が思うように動かない。

どうやら首に嵌められた魔道具が原因のようだな。

「無駄だ、それは魔法師を拘束するための特別製だからな。」

もがくミシェラに冷たい声でそう言う男。

魔法師、という言葉を使うという事は外国人だな。

この国の人間なら『貴族』と呼ぶだろう。

この国では魔力持ちなら最低でも領地なしの騎士爵としては扱われるからな。


しかし、女の子に首輪って犯罪臭が半端ないな。

「誘拐してる時点で犯罪ですよ。」

まあ、そうだけど、そう言う意味じゃなくてだな……

いや、いい。

この手の言い回しは文化が違うと理解されないからな。

「何をブツブツ言ってやがる!!」

独り言(にしか見えない会話)を行うミシェラに男が怒鳴る。

睨み返すミシェラ。


「貴方達、こんな事をしても逃げられませんよ。」

そうだな、女の子を誘拐した状態で王都の門を潜れるとは……

「問題なし、行け。」

……おや?

目の前にミシェラが居るのに兵士が気付いた様子はない。

「誰か、誘拐です!!」

兵士に聞こえるようにミシェラが叫ぶが、誰も反応しない。

これは……

「認識阻害の魔法……」

ああ、それも古代魔法王国時代の遺産に分類される魔道具だ。

魔法対策をしている王都の門を掻い潜れるような物を所有しているとはな。


馬車は郊外へと向かって進む。

例のベアタイガーが出没した森の近くだな。

目の前には切り立った崖。

しかし、他に建物がある様子はない。

「どこまで行くつもり?」

そう訊いてみるミシェラだが、問いには誰も答えない。

そのまま馬車は崖の麓まで進んでいく。

馬車が近付くと、そこにぽっかりと洞窟が現れた。

同じく認識阻害の類だろう。

どれだけ魔道具を使ってるんだ、こいつら……


馬車は洞窟の中を進んでいき、開けた所で止まる。

そこには何やら法衣の様な服を着た男が居た。

「聖統教会……」

男の服装は一般的な聖統教会の法衣だ。

まあ、一番可能性が高いのはそこだよな。

この魔道具の数々を見る限り。

「よくご存知ですね、お嬢さん。……おや?」

慇懃な態度でそう答えた男は、しかしミシェラの顔を見て首を傾げる。

「誰ですか、この娘は。」

そして、ミシェラを連れてきた男にそう訊く。


「どう見ても、違うではないですか!!誰を拐ってきたのです、この無能が!!」

そしてそう声を荒げる。

「し、しかし、家紋を付けた杖を持っていたのでてっきり……」

あー、これ、イリスと間違われたヤツだな。

「取り巻きかもしれないとは考えなかったのですか!!」

そう言われて『しまった』という顔になる男。

まあ、容姿くらいは確認して然るべきだな。

「まったく、まったく使えませんね、貴方達は!!」

そう言いながら錫杖のような物で男たちを殴打する。

なんだこのヤバイやつ。


「ベアタイガーは暴走させる、別人を連れてくる、本当に使えない!!」

こちらの様子を気にする風もなく罵倒を続ける男。

あ、アレもこいつらの仕業か。

「じゃ、じゃあこいつを返して改めて……」

「馬鹿ですかっ!?返したらバレてしまうでしょうが!!」

うん、流石にそれはないな。

「ただでさえ行方不明で警戒度が上がっているのですよ、まったく!!」

まあ、イリスの誘拐は確実に困難になっただろうな。


「で、なにか策はあるの?」

そんなやり取りを後目に小声でそう訊いてくるミシェラ。

まあ、このままじゃ確実に殺されるだろうからな。

俺としてもミシェラとは運命共同体なのでそれは御免被りたい。

策はある。

「どうすればいいの?」

まあ、やることは簡単だ。

なにせ眼帯を取るだけだからな。


ブックマーク、評価等いただくと作者のやる気が多分上がります。

更新頻度は……お察しください。


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