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R.P.G~Ragnarok.Proxy.Genesis~  作者: 銀狐@にゃ〜さん
外伝
36/39

連携練習と討伐クエスト

本日は私の誕生日ということでちょっとだけ時間を割くことが出来たので、いつもより少し長めに頑張ってみました。



明けて翌日


俺は昨日の待ち合わせの時間通り、冒険者ギルド前でジェイク達の到着を待っている。


これから向かうクエストは、俺にとっては初めてのボス戦という話だったので、昨日ログアウトするまで装備の点検や回復アイテムの補充など、出来る限りの準備をしてログアウトしたのだが、念には念をと言うことで改めて装備の見直しをしようとすると、こちらに向かって手を振りながら歩いて来る三人組が目に入った。


ジェイク達だ。


「よぉうナナシ!昨日はちゃんと眠れたかぁ?」


「見直ししてたみたいだけど、忘れ物とかは無い?」


挨拶がてらに声をかけて来たのはジェイクと冥だ。


「まぁ、多分大丈夫だと思うけど…いちおういつも通りポーションも持って来たし…」


「あ〜。ひどいなぁ…ヒーラーがいるってゆーのにポーション持って来るとか…」


「あぁ、いや、そういう意味で持って来たんじゃなくて単に癖になってるというか…」


「ふふっ、冗談ですよ〜。初めまして、今日はヒーラーとしてお邪魔するミコトと言います。よろしくですよ〜ナナシさん」


「こ、こちらこそ初心者ですがよろしくお願いします!」


俺が持ち込んだポーションという部分に食いついて来たのは今日ヒーラーを務めてくれるというミコトと名乗る女性プレイヤーだった。


パッと見ではあるが彼女の見た目は一言で言うなら委員長タイプとでも言えばいいだろうか?

前髪を切り揃えた黒髪のセミロング、丸いメガネをかけた如何にもといった印象の少女である。

しかし、メガネが強く主張しているせいで分かりにくいが素朴な感じを出しながらも顔立ちは整っていると言う美少女と呼ばれてもおかしくは無いであろう容姿であった。

装備自体は神官が纏うような法衣を装備していて、持っている杖はどこか年季の入ったような古めかしく見えるものだったが、これもきっと効果は高い装備なのだろう。


ザ・僧侶と言うのが一番しっくり来るだろうか。

そんな出で立ちの彼女だが、見た目に反して性格は割とコミカルな感じだ。


「ナナシさんはタンク初心者って事ですけど、今日のところは回復は私に任せてヘイト管理に集中してくださいね〜」


「あ、了解です。自分で回復しなくていいとかちょっと想像つかないんですけど…」


「まぁ今日行くクエストでヒーラーのありがたみってもんがよぉく分かると思うぜ?」


「そんなにですか?」


「よく考えてみろよ?今まで自分でやってた回復の操作の全てをタンクの操作に割り当てられるんだぜ?それだけでもお前さんにかかる負担ってのはかなり、いや、劇的に変わるだろうさ」


う〜む…

こればかりは実際に体験してみないことには何とも実感が湧かないんだけど…


俺が首を捻って唸っていると、冥がある提案をしてきた。


「それならボスクエを始める前に、実際に戦って体験してみたらいいんじゃない?」




と言うわけでーーー




俺を含めたジェイク、冥、ミコトさんのパーティは、連携練習のためにニュービーシティJPのほど近くにある平原に移動して来た。


「じゃあ早速だけど、ナナシ。何体かまとめて敵を釣ってみろ」


「了解。俺が対処出来る範囲でいいんだよね?」


「もちろんだ。いけそうならもう少し増やしてもいいが、あくまでも練習だからな。無理のない範囲でいいぞ」


「分かった。行ってくる」


「「行ってらっしゃ〜い」」


ジェイクの指示により、敵を探しに向かう俺を送り出す3人。

回復役のいるパーティで動くのは初めてな俺だが、とりあえずはいつも通りに無理無く、かつ抱えられると思う敵を探す。

俺自身、タンクとしてもプレイヤーとしてもほぼほぼ初心者と変わらないので、一辺に抱えて処理出来る数はいいところ3体〜4体が限界だ。

それ以上になると、俺の今の装備では耐え切れずにダメージが蓄積してやられてしまう。

そのため、俺は敵の攻撃の合間を見て回復薬を利用しながら戦っている。


いつも通り、3体の敵を『挑発』してパーティが待つ場所まで戻ると同時に、アタッカーであるジェイクと冥がそれぞれ攻撃を仕掛け始める。

俺はと言うと、ジェイクと冥の攻撃により、二人に敵対心(ヘイト)が蓄積しないように、戦士の持つスキルを使い、敵が二人を狙わないようにしながら攻撃を加えていく。

やがて、敵からのダメージも蓄積し始め、タイミングを見計らって回復薬を使おうとすると同時に、俺の身体が淡い緑色の光に包まれて体力が一気に全快した。


「ナナシさんはそのまま敵のヘイトを維持してください!回復は気にしないで!」


「は、はい!」


ヒーラーのミコトさんから俺への注意が飛んでくる。

改めて敵を見ると、ヘイトが嵩んだのか、残っている2体がそれぞれジェイクと冥に視線を向け攻撃しようとする兆候が見えた。


「させない!こっちを向けぇ!」


俺の叫びと共に敵2体がこちらを向き、再度俺へ攻撃を加えてくる。


スキル『咆哮(ハウル)


雄叫びというか叫ぶことにより、敵からのヘイトを自分に向けさせる戦士のスキルだ。


「いいタイミングだ!」


「畳み掛けるよ!」


言うや否や、ジェイクと冥は強攻撃スキルを繰り出すと、残っていた敵2体は残りのHPが尽き、ポリゴン片となって爆散し戦闘が終了したーーー




「どうだった?全然違っただろ?」


そう俺に問いかけて来たのはジェイクだ。

たしかに…

今までは、回復薬を飲んでHPを回復している隙を突かれて、ジェイクや冥に何回かヘイトが飛んでしまい、結果二人ともダメージを負うことが何度もあった。

二人は「ヒラが居ないんだから多少のダメージは仕方ないさ」と言ってくれてはいたが、やはりタンク役の俺としてはヘイトが映ってしまうのは申し訳なく思ってしまうわけで…


「うん…ミコトさんのおかげで二人にヘイトを飛ばさずに済んだ…ありがとうミコトさん」


「これが私の仕事だし気にする必要ないよ?それと、ミコトでいいよ」


「分かった。ありがとうミコト」


「どいたま〜」


俺は感謝を伝えようとミコトさん…いや、ミコトにお礼を告げるが、これが仕事と言って気にする必要はないと言うミコト。


「あんまり感謝されすぎるのもヒラとしては疲れるからね〜。感謝するにしても軽くでいいよ。ナイス!くらいがちょうどいい」


そう言って「にしし」と笑うミコト。

俺はそれに頷くと、改めてジェイクの質問に答える。


「やっぱり、回復に時間を掛けてるのが問題だったんだよな…回復に割く時間が必要無ければ、その分タンクの仕事に集中出来る…うん。よく分かったよ」


「なら結構。じゃあもう何戦かやって練習したら早速本番に行くとするか」


「「「了解」」」


そして、ジェイクの言葉通り、何戦かパーティ戦の練習をして、ジェイクがあらかじめ用意していたクエストを開始する。


俺にとっては初めてとなるボス討伐系のクエストで、今回のクエストボスは『ゴブリンジェネラル』という雑魚モブの象徴であるゴブリンを呼び寄せ、数で押して戦うタイプのボスで、ただのゴブリンはもちろんのこと、耐久力の高い『ゴブリンナイト』、魔法を使ってこちらを翻弄する『ゴブリンメイジ』、通常のゴブリンよりも何倍もの威力で殴ってくる『ゴブリンファイター』、傷ついた仲間を回復したり戦力を底上げするバフで援助する『ゴブリンプリースト』

これら厄介な相手を呼び寄せる魔物が将軍と呼ばれる『ゴブリンジェネラル』なのだが、これが今回、俺達が討伐するボスらしい。


さてさて…

上手く立ち回れるかは分からないけど、やれるだけやってみますかね…


時間が空き次第、また投稿致しますので気長にお待ちくださいm(_ _)m


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