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R.P.G~Ragnarok.Proxy.Genesis~  作者: 銀狐@にゃ〜さん
第1章3節 冒険者ギルド
18/39

王立中央図書館①

予告無しでの更新申し訳ありません…

少しだけではありますが、今日明日と投稿させて頂きます。



 嫌というほど話を聞かされたミネルバはげんなりしていた。


 ゴードンとヘンリーは、まだ話し足りないといった様子ではあったが、自分達の知っている『自由意志(フリーダムウィル)』の話をたっぷり話したせいか満足気である。

 心無しか表情もツヤツヤしている…


「おっとそうだ忘れていた」


「ひっ!?もう大丈夫ですから!!ごめんなさい許して勘弁してください!!」


 ゴードンが思い出したかのように呟いた一言は、今のミネルバにとっては効果覿面で、まだ続きがあるのかと思ったミネルバは半ば反射的に涙目になり、懇願するように許しを請うという行動に出る。

 しかし、ゴードンが言おうとした事は全く別のことだったために、ミネルバの謝罪の意味が分からず困惑する。


「どうしたんだね?急に謝ってきたりして…私はただ、今後の君の予定を聞こうと思っただけなのだが…」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさ……ほぇ…?」


 まるで呪詛のように謝り倒していたミネルバだったが、ゴードンの言葉を聞き、自分の勘違いであったことに気付きポカンとする。

 その様子を見ていたヘンリーが笑いを堪えている。

 ひとしきり様子が落ち着いたところで、ヘンリーはミネルバの精神状態を代弁する。


「隊長、たぶんミネルバは『自由意志』について、また色々聞かされると思ったんでしょう。どうやらよほど堪えたようですけどね」


「なるほど、そういうことか…やれやれ、つい話し過ぎてしまったようだ。これは私がどうこう言うよりもお前に任せたほうが良さそうだな。ヘンリー、今日はもう上がっていいから、この後彼女を案内してやれ」


「了解しました!!」


 ミネルバをそっちのけで結論が出されると、ゴードンは駐屯所に引き返して行き、ヘンリーは敬礼してゴードンを見送る。

 入り口に手を掛けたところでゴードンが振り返り、ミネルバに声を掛ける。


「あぁそうだ、忘れるところだった。この街は広いから一部の区画では無法地帯のような場所もある。君のような若い娘さんを狙う輩もいないとも限らない。気をつけて行きなさい」


「えっ?あ、はい……?」


 そう言って、ゴードンはミネルバの反応を確かめると苦笑し、駐屯所の中へと入っていった。


「さてミネルバ、どこから案内したらいいかな?やっぱり最初は冒険者ギルド本部かい?」


 案内を任されたヘンリーが行き先を尋ねると、未だポカンとしていたミネルバがようやく我に返り答えた。


「ふぇっ!?あ~…え~っと…冒険者ギルドの方は最後でも大丈夫です。もしあるようなら先に図書館と道場みたいな所があればそこに案内してもらえたら助かります」


「図書館に道場?随分変わった組み合わせだな…まぁ、あるにはあるが…じゃあ他の所は道すがら案内するとして、メインはその二つで良いか?」


「はい、お願いします」


 ミネルバが自覚無く、またしても可愛らしく微笑み返すと、それを受けたヘンリーがドギマギしながら案内を始める。


「あ、あぁ…じ、じゃあ最初は図書館からだな。こっちだ」


「はぁい」


 気の抜けた返事をするミネルバ。

 この自由奔放、変幻自在なミネルバの様子に、ヘンリーの頭は混乱気味であった。

 元々女性に対してあまり免疫を持ち合わせていないヘンリーが、さほど歳の離れていない少女と行動を共にするというのは前例が無いことであり未知の出来事であったためだ。

 自分で案内をすると言ったのはちょっとしたヘンリーの強がりや見栄のようなものであったのだが、後にヘンリーはこの日のことを色々と後悔する羽目になるとは思いもしなかった。


「美少女と一緒怖い…」


 ミネルバの案内を終えた後のヘンリーの言葉ではあるが、この一言にはただならぬ哀愁、そして疲労を感じさせるものであった…

次回の更新は日付変更と同時です。


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