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R.P.G~Ragnarok.Proxy.Genesis~  作者: 銀狐@にゃ〜さん
第1章2節 アクロ大平原
12/39

追走、そして…

時間の都合上、今回は短いです



 ボクがアテナを追いかけ始めてから結構経つのだが、一向にアテナの勢いが治まる気配が無い。

 体が小さいためか、はたまた勢いがつき過ぎていたためかは分からないが、とにかくアテナが止まらない。


 追いかけながら前方を見やると、2つの人影が見えた。

 それと同時に数百メートル前方を飛んでいたアテナが高度を下げ始めたと思ったら、急に失速し始めた。

 何事かと思い前方に意識を向けると、詳しくは分からないが、一人が何かをしたようだった。

 走る速度を緩めながら注意深く様子を見ると、ゆっくりとアテナが高度を下げていき、やがて何かをした人物に抱き止められるのが見受けられた。


(良かった…でもあの二人は…―――っ!?)


 アテナの無事を確認出来たのも束の間、もう一人の人物が大剣を抜き、いきなりそれを振り抜いた。

 その瞬間、大気を歪ませながら不可視の何かがボクに向けて放たれた。


(っ!?あれ喰らったらヤバイ!!)


『――――!!』


 前方の人物、声から男性と分かったが、焦りながら何か言ったようだが、まだ距離があるために聞き取れなかった。

 それにボクとしてはそれどころではない。

 目の前に迫り来る不可視なものの正体が、観察により大気の壁だと看破すると、ボクはすぐに体勢を整え武器を呼び出す。


「EQUIP、『ヘビーレイジ』!!」


 ボクが取り出したのは見るからに重いであろう鈍色(にびいろ)の無骨な大剣だ。

 この大剣は『重硬鋼石』と呼ばれる鉱石で作られた大剣なのだが、素材である『重硬鋼石』が非常に重いため大剣自体が恐ろしく重い。


 拳大程の大きさしかない『重硬鋼石』ひとつの重さがおよそ100キロ。

 この大剣を作るのに使われた数は15個。

 精製の際に幾分か軽くなるとはいえ、実質の重さは単純計算でも1トンを楽に越える。

 そんな超重量武器を上限にまで引き上げたステータスで無理矢理振り抜く。


「おおぉぉぉぉぉぉ!!」


 振り抜いた大剣が持ち前の重量も合わさって轟音をあげる。

 つまりボクが行ったのは前方にいる男性と同じこと。

 ボクの作り出した大気の壁が、同じように大気を歪めながら進んでいく。

 互いの大気の壁がボクと彼等の中間辺りでぶつかり合うと、凝縮された風が轟音と共に爆ぜる。


 その結果、ぶつかり合った地点を中心に局所的な竜巻が引き起こされ、荒れ狂った暴風がボク達を襲った。

 彼等は彼等で飛ばされないよう各々の方法で対策したようだが、ボクは大剣を背中に帯剣しただけで特に何もしなかった。

 いや、強いて言えば大剣を帯剣したと言えばいいか。


 というのも、この帯剣するという行動自体に意味がある。

 先にも述べたが、この『ヘビーレイジ』は非常に重い武器である。

 一撃の威力とその重い攻撃力は、確かに強力ではあるがその反面、使用者に対しマイナス補正のかかる特殊効果がある。


『Lv5重力倍加』


 その効果は、帯剣している間、使用者に対して5倍の重力を与えるというものだ。

 要するに、現在のボクには、大剣自体の重さ+自身の体重を合わせた重さの5倍の重力負荷がかかっていることになる。

 その重さは実に5トン以上。

 竜巻とはいっても、5トン以上の重さを浮かせられるだけの規模のものではないようで、ボクの体はビクともしない。

 というか、ボク自身重すぎて身動きが取れないんだけど…


(やっぱりこの大剣は実践には向いてないなぁ…)


 などと暢気(のんき)なことを考えていると風も収まってきた。

 このままでは歩くことも出来ないため、抜剣すると『Lv5重力倍加』の効果が解除され、マイナス補正が『鈍重』に引き下がる。

 ようやく歩けるようになったボクは、大剣を持ったまま前方の2人に向けて近づいていった。

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