UNCOVER the iDENTITY of a villain
この機械だらけの部屋には、どんな秘密が隠されているのだろうか?
アンドロメダ銀河役所の課長直々にご指名を賜ったとは言うものの、ボクに出来る事などたかが知れているし、期待に添えるかも怪しいと思うのだが。
「恐らくだが、ここではJ・D・Uだけでなく、オールトの雲に関する何かが見つかるかも知れない」
「ボクにそれを見つけ出せ、と?」
リック課長は何かを掴んでいるのだろうか?
この機械群にソレが隠されている?
興味深い。
「我々に、君の力を貸して欲しい。通信のみでしか会話していなかったが、君の知識、能力はジャーナリストなどにしておくには余りに惜しい。スカウトしたいくらいだよ」
……誇大評価だ。
ボクにはジャーナリストくらいが丁度良い。
それに……編集長には大恩がある。仇で返す訳にはいかない。
「お誘いの言葉は光栄なのだが、どうやらボクには今の環境が最適のようなのでね」
「そうか……それは残念だが、気が変わったらいつでも連絡してくれないか?」
差し出された名刺は有り難く頂戴するものの、ヘッドハンティングには丁重に断りを入れ、今は与えられたミッションをこなす。
色彩豊かなLEDが輝きを散らすコンピューターを片っ端からアクセスしていく単調な作業。
程無くして、『ソレ』は見つかった。
モニターに映し出された『ソレ』は、ボク達の想像と理解を遥かに上回るモノだった。モニターの前に集まった全員が言葉を失う。
それも無理はない。
まるで物凄く重たい鈍器で後頭部を強烈に殴られたかの様な衝撃が全身を走った。
……まぁ、殴られた事は無いのだが。
ブライアンが辛うじて喉の奥から声を捻り出す。
「……か、課長……これは……」
モニターに映し出された文字の中でも一際目を引いた言葉がいくつかあった。
『人類再生計画』
『ゲノム・コントロール』
『精神転送』
『アク・アケルの創造』
……etc
理解に苦しむ言葉もあるが、容易に理解できる言葉もある。その言葉を繋ぎ合わせ、浮かび上がるキーワードは……
「俄には信じられん事だが、それが事実ならば……」
リック課長の言葉尻を捉え、ルミが続ける。
「この惑星の人達は……もう……」




