戰斗団(戦闘団)に関する書籍からの引用
「戰斗団(戦闘団)とは、我が帝国軍における前線における臨時編制のひとつである。
例えば前線において甚大な被害を被り、激しく兵員を損耗した歩兵連隊(定数約2000名)や、前衛の部隊を喪失した魔術中隊(定数約250名)があるとしよう。
これら戦力の激減した部隊を逐次投入すれば、蛮族どもの餌になることは自明の理なので、前線では積極的にこうした部隊と部隊の統合、再編が行われる。
これが"戰斗団化"と呼ばれる。
先程の例で言えば、損耗した歩兵連隊と前衛を求める魔術中隊を、戰斗団として共に行動させることで、再び戦線を支える主力になることが出来るだろう。」
ーー「現代戦争の新たな様相(著:ヴァルディア・リバー 栄国社)」P122
「戰斗団と言えば、倒れていった戦友たちの屍を乗り越え、勇猛果敢に闘う印象が先行してしまっていて、その惨憺たる実状はあまり知られていない。
誤解を恐れずに言ってしまえば、この戰斗団とは敗残兵の寄せ集めである。
頭上を(1斉射200発ないし300発の)火焔魔法が飛翔すると、両隣で戦友たちが火だるまになり、前方からは大盾と槍を構えた敵の群れが荒波のごとく押し寄せ、孤立した帝国兵士が次々とそのなかに消える。
そうした光景を目の当たりにし、命からがら逃走した兵士の寄せ集めが戰斗団なのである。
その兵員数は平均して、約100~200名前後ーーつまり一個中隊相当でしかない。
結局戰斗団の多くは、戦意喪失した状態で戦線に再投入され、孤立して全滅していく。
今回、拙作の執筆に協力していただいた退役軍人、グレイシア・ヘルモンド(通称グレイ)が属していた戰斗団も、その例に漏れない。
その戰斗団は、彼を残して全滅した。」
ーー「戰斗団(著:ドナウ・カウェルヴァ 共進社)」序章一部