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奇跡のカケラ  作者: 光璃
8/16

No.7 告白

 夏、秋も終わり、クリスマス・イヴ。優輝と瑞希は相馬達のクリスマスプレゼントの相談をしていた。

「ん〜、相馬は時計…とか?」

「悟は、このブレスレットかな〜」

 去年はバンドで忙しくて何もあげてない。しかも、二人とも男の子に、プレゼントをあげるのは初めてだった。

 いろんなものを選んで迷って、結局、時計とブレスレットになった。

「明日が楽しみだね〜」

 クリスマスは悟の家でパーティーをする。

 今年ももう終わり。たった一つの心残りは、歌詞が完成できなかったこと。

「じゃー明日ね!」

「うん、Bey♪」

 瑞希とわかれて家に向かう。優輝は、明日にそなえて早く寝た。

 ――――そしてクリスマス当日。

「メリークリスマス!」

 みんなでそう言い、パン、とクラッカーがなる。

 すると、悟がバックから酒をだした。

「やっぱもう高2だし?酒くらい飲まないとなっ」

 ノリノリで言い、みんなに配って乾杯。

 すると、瑞希が、立ち上がって言う。

「では、次は優輝と私からのプレゼントで〜す♪」

「はやっ!まぁいいや」

 優輝が二人にプレゼントをわたす。相馬は微笑み、悟は目を輝かせてさっそく袋をあけていた。

「うわっ、マジありがとう!つけていい?」

「どぅぞ♪」

 いそいそとブレスレットをつける姿は、なんだか可愛くみえた。

 もう、すでに時計を付けている相馬が優輝と瑞希に袋を渡した。中身は可愛いストラップ。

「俺からのクリスマスプレゼント」

 二人はすぐに携帯につけ、顔を見合わせてから微笑んだ。

「ありがとう!」

 その後、バンドを何曲か合わせてみんなでツリーを見に行った。

「わっ綺麗!なんか毛糸の靴下のやつ買って、願い事書いてつるしていいんだって」

 みんなはさっそく300円で小さな毛糸の靴下をかって、紙にそれぞれ願い事を書いた。

「優輝は、なんて書いたのォ?」

「ひ、秘密!瑞希こそなんて書いたの?」

 フフフ、と笑って瑞希が答える。

「もちろん、“新しい彼氏をください!”だよ♪」

 瑞希はやっぱり、支えてくれる人が必要なんだ。

「そっか。相馬は?」

 にやりと笑って一言。

「秘密」

 すると、悟が口をはさんできた。

「何?俺には聞いてくれないわけ?」

「じゃあ、悟はなんて書いたの?」

 すると、待っていましたかのように答えた。

「秘密!」

「ずっる〜い!」

 優輝が、頬をわざと膨らませていると、悟がつぶやくようにいった。

「後にわかるよ」

 そのときは、意味はわからなかった。でも、後から知ることになる――…

「吉崎は?なんて書いたん?」

 優輝は、優輝の願い事は…“みんなが幸せになれますように”だった。

 自分に、終わりが近づいている。なんとなくだが感じていた。

 自分の幸せは願わない。せめてみんなを幸せにしてほしい。小さな文字でそう書いた。

「…叶うといいな」

 優輝がつぶやいた。みんなが頷く。

 すると、いきなり悟が優輝の手をつかんで走りだした。

「悟!?」

「悪い、少しだけ吉崎かしてもらうわ!」

 訳がわからなかった。でも一つだけわかること。悟の様子が今までと違い、緊張していることだった。


     †


「悟!」

 もう一度、叫んで悟はとまった。

「いったい、どうしたの?早くみんなのところに戻ろうよ」

 すると、悟が真顔で言った。

「話があるんだ」

 その話を、聞いてはいけない気がした。でも、走りだしたものは簡単にはとまらない――――…

「俺、吉崎が好きだ」

 時間がとまったかと思った。

「ずっと前から、見てたんだ…」

 悟の想いには、薄々気付いていたかもしれない。普通の優輝なら喜んでOKしただろう。

 優輝も、悟が好きだったから。

 でも、優輝はもうすぐいなくなってしまう。だから、返事は一つしか選べなかった。悟のためにも…

「だめだよ…」

 苦しかった。胸が痛かった。好きな人を傷つけなきゃいけない…

「私といたら、幸せになれない」

 うつむいて言う。でも悟はあきらめなかった。

「なんで?俺なら、優輝を幸せにできる。相馬よりも――」

「違う、違うのっ!私じゃなくて――悟が幸せになれない」

 涙が流れる。なんでこんなことを好きな人に言わなきゃいけないの?

「悟のことは大好き。他の人よりも、特別な存在…でも、私は悟と付き合うことはできない」

 自分が何を言っているかわからなかった。

「…なんで?」

 私は、もうすぐ消えてしまうから、とは言えなかった。体がアツイ。鼓動が早く波打ってきた。これは―――発作の前兆。

「それは―――」

 我慢できなくて、言おうとしたその時。激しい目眩に襲われ―――優輝は、自分にもう、時間がないことを悟った。

 最後に微笑んでいう。

「私、悟のこと、大好きだよ」

 そこで…記憶が途切れた。遠くから、優輝を呼ぶ声がする。ごめんね…

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