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奇跡のカケラ  作者: 光璃
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No.4 屋上

 それから一年間。バンドは順調に進んで、色々な歌をコピーできるようになったた。

 悟はドラム、相馬もギターが上手だったし、優輝の歌は意外と好評だった。

 バンドの練習は楽しかった。歌を歌うのに生きがいを感じた。でも、優輝はその分だけ…

 ――――不安だった。いつかは、この幸せが消えてしまうと、わかっていたから。だからこそ、【今】を大切に生きるんだ。

『きっと、【時】がきたら体に変化がみえると思う。いきなりはありえないと思うけど、なくはない』

 小口先生がいっていた。今は対して体に変化はない。だから、まだ時間はあると自分に言い聞かせて…


     †


 二度目のクラス替えでは優輝と瑞希は一組、相馬は二組、悟は三組になってしまった。だが、屋上で今まで通りに会っていた。

「やっぱ私達はくされ縁やねェ」

 ここは屋上。他のクラスよりはやめに終わったけどいつも通りにきていた。

 優輝が、でもうれしそうに言った。すると、瑞希が真顔でいった。 

「あのさ、悟って…」  悟は頻繁に一組にくるようになった。ときどき相馬をつれて。瑞希が真剣だったため優輝はそれ以上なにもいわず聞き返した。

「悟がどうかしたの?」 でも、瑞希は何も言わなかった。

「やっぱなんでもない。それより、次はオリジナルをしたいんだけど」

明らかに瑞希の様子は今までと違った。でも、あまりにいきなりな提案に優輝は流されてしまった。

「オリジナル!?でも、つくるの難しくない?」

バン、と屋上のドアがあく。そこにいたのは相馬と悟だった。

「なんの話?」

「瑞希が、なんかオリジナルでやりたいんだって」

悟はその場に座り込んで、相馬はさくによりかかった。

「いいんじゃないか?もう一年間も練習したしな」

相馬がうなずきながらいう。それに悟が

「俺も」と賛成。

「ベースのピアノをどうにかしてくれればギターはなんとかする」

「まぁドラムは俺にまかせてよ」

となると、問題は歌詞だった。

「じゃあさ、歌詞はどうするの?」

優輝がたずねると、瑞希は笑っていった。

「それは優輝にまかせるよ。私は詞の才能なんてないし、ピアノがあるしね」

まぁ、それを歌うのは優輝だし反論はない。

「じゃあさ、どんな曲をつくるの?友情?」

みんなが考えこむ。すると瑞希が口をひらいた。

「恋愛はだめなの?」

優輝は苦笑いで答える。なぜなら優輝は恋をしたことがないから。

「無理だってば。恋したことないし気持ちがわかんないよ」

えっ、と悟がびっくりしたように言う。

「なに、吉崎恋愛もしたことないの?一度も?好きな人とかは?」

むっとして答える。

「別に恋愛なんか必要ないもん。友情があれば十分だよ」

これは本心だった。恋愛は私にはできない。せめて友達くらいなら―――…

すると、ふ〜ん、と言っただけだった。

「なに?もしかして悟は彼女いるの?!」

悟はびっくりし、あわてて否定した。

「んなわけあるか!…ただ、意外だなって」

その言葉の意味がわからなかった。

「なんで?そんなに乙女ちっくに見える?」

 冗談半分に笑いながら言う。そして、小さな声でつぶやいた。

「…べつにいいよ、恋愛なんて」

――――だってどうせできないんだもの。

 本当は素敵な恋したい。思いっきり甘えたい。デートだってしたい。手をつなぎたい…。

でもそれは叶わないことたから、願っちゃいけないんだ…

ハッと気付く。今日は病院で診察の日だ。

「ごめん、今日はかえらなきゃ!バイバイ」

みんなにそう言い残して優輝は屋上から去った。

私は、普通の女の子がもってるもの、病気に奪われちゃったのかな…

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