婚約破棄拳でイケメン皇帝を顔面崩壊させましたわ
わたくし男爵令嬢のレクサと申します。
そして隣にいるのは帝国全土を統べる若き皇帝ゼイン様。
帝国全土を統べる歴代皇帝は神聖な守護により守られ、何人も危害を加えることは叶いません。
そんな雲の上のお方であるはずのゼイン様は、なんとわたくしの婚約者。
実は暗愚と噂されていたりもするけれど、イケメンだから許す。
今は二人で一緒に庭園を歩いています。
「レクサ。なんか面白い話ない?」
ゼイン様が何気なくたずねてきました。
「そうですわね。あっ。まだ話しておりませんでしたが、わたくしの男爵家にはある体術が伝わっておりますの」
「体術? どんな?」
「婚約破棄拳ですわ」
あらゆる守護を無効化するといわれる秘拳。
ですが婚約を破棄した相手にしか使えないそうです。
「へぇ。そんな体術あるんだね」
「ふふ。笑えますわよね。使う機会が限定されすぎているこんな秘拳なんて、実用性はゼロですもの」
「そうだね。ところで、コホン」
ゼイン様が足を止めて私を見つめてきました。
相変わらずのイケメン。
思わず見とれてしまいます。
「レクサ。君との婚約を破棄する」
「……え?」
「いやー。僕の世話をしてくれてるメイドの娘が可愛くてねー。というわけで、婚約は破棄でよろしくー。あはは」
爽やかにあっけらかんと言うゼイン様。
いえ。
ゼインの野郎。
ドカッ!
「ぐふっ!」
わたくしの右のパンチをみぞおちに受けたゼインが膝をつきました。
「……ば、馬鹿な。神聖な守護に守られている僕がなぜ」
「暗愚というのは本当でしたのね。我が家に伝わる体術の話をしたばかりじゃない」
「こ、これがあらゆる守護を無効化する秘拳、婚約破棄拳……」
「ええ。あなたに婚約を破棄されて、発動条件を満たしましたわ。わたくしの母も父に婚約破棄されたときに使えたと聞き及んでいますもの」
「……あれぇ? それで君が生まれたのって矛盾してない?」
「問答無用! 皇帝ゼイン! お覚悟!」
ドカドカドカドカ
ドカドカドカドカ
ドカドカドカドカ
「そーれ、それそれ!」
ドカドカドカドカ
ドカドカドカドカ
ドカドカドカドカ
「まだまだですわぁ!」
ドカドカドカドカ
ドカドカドカドカ
ドカドカドカドカ
「ふう。殴りまくってスッキリしたわぁ」
わたくしの足元にはボコボコにしたゼノンがぐったりと横たわっています。
せっかくのイケメンも顔面崩壊。
もう興味なし♪
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