第一話 出会い
俺、瀬戸葵生は、高校2年生の始業式へと向かっていた。
今年からいよいよ華の高校2年生。高校2年生ってなんか物語の登場人物の年齢に使われやすいよね…あれなんなんだろ?
そんなくだらないことを考えつつ、学校につくとクラスが貼り出されていた。
「えっと、俺は…2年B組か」
クラスも確認し終わったので、新しいクラスの階段を上りながら、新しいクラスの事について考える。
この学校は全部で6クラスで、クラス分けは毎年成績関係なく決められる。
「知り合いがいたら良いんだけどなー」
とかぼやきつつ教室に入った。
教室を見渡してみると、俺の友人は一人もおらず、知り合いがぼちぼちといるだけだった。
「Oh…まじか」
ついうっかり英語が出てしまった。
落ち込んでても仕方がないので席に着こうとすると隣の人と目があった。ここから一年間同じクラスメイトなんだ、それも隣の席なら関係値もそこそこできるだろうと思い、声をかけようとすると、
「瀬戸葵生くんよね?私は桜木華よ。今年一年よろしく」
…先を越されてしまった。とりあえず、こっちも挨拶と、あと気になってたことを聞いてみることにしよう。
「こちらこそよろしく。ていうか俺、桜木さんと話したことあったっけ?名前、知ってたの?」
桜木さんは一瞬目をそらしながら、
「いや、偶然よ、偶然」
と、絶対偶然じゃない返しをしてきた。まあ、そこを追求してもしょうがないしとりあえあず納得するフリをしておく。
「へーそうなんだ。ちなみに桜木さんは友達とか一緒のクラスだった?」
「え、あ、そうね…うん、普通に2,3人くらいは一緒だったわよ……その感じだとそっちは違った?」
桜木さんがどこか嬉しそうにこっちを見ながらいってくる。
…なんだこの人。人の不幸で喜ぶなよ。人の不幸は密の味ってか?
美少女だからって何言っても許されると思うなよ!!!
まあ俺は?オ・ト・ナなので!その寛大な心で許してあげましょう。
「なんかイラッとするわね」
「え、どこが」
「顔が」
「それは顔がカッコよすぎるってこと?」
「―――フッ」
「ねぇ今鼻で笑ったでしょ!!」
「うるさいわね」
「唐突な理不尽!!」
その後もくだらないこと盛り上がった。すると新担任が入ってきたので、
「お、先生来たね…じゃ、また後で」
「そうね、あ…」
「どしたん、話聞こか?」
「出会い厨やめなさいよ…じゃなかった。放課後、屋上に来て。伝えたい事があるのよ」
なんで?と聞く間もなく、彼女は前を向いてしまい、俺は理由を聞く事ができなかった。
ま、行ったら分かるか。そう考え俺も前を向く。
そして、式が終わり、クラスでの自己紹介も終わったため、俺は屋上へと向かった。
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