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伝えたかった事は その六

作者: ミナミナ


あの子の前では少しでも大人の男性のつもりで接しているけど

あの子から見たらダサいおじさんに見えてたと思う

経験が豊富ではないから化けの皮が

すぐに剝がれる



あの子が自分の食べかけのケーキを

食べる


こっちもうまーい♪


今どきの子はおっさんが口を付けた食べ物でも平気なのか?

食べるの眺めてた


自分があの子のケーキを食べようとするも

か、間接キスだ・・

ドキドキがドキドキが・・

いい大人がバカな事かと思うかもしれないが自分の脳内はいつもこんな感じ


いけないことをしているような

気がしてた

青春マンガとかによくあるようなシーン

読むのはいいけど実際に自分の事になると

アタフタして主人公みたいな対応なんてできない



食べた記憶も味も何も覚えていない

ただ食べる前の記憶だけは今でもハッキリと覚えている


歳が20歳近く離れてるから罪悪感とか軽い犯罪行為してるような気持ちだったかもしれない

前にお付き合いした人の時はこんな気持ちにはそこまでならなかった

ドキドキはしてたけど



この後も月に何度かは家にご飯食べに来るようになってホールケーキやらスイカやメロンとかを輪切りにした物をスプーンでつついて二人で食べてた

それでも最後まで慣れなかった



一度観光地にドライブ行った時

ソフトクリーム買って食べてたら


そっちも味見したい!


いいよ


内心は

えっ?ここで?って

ドキドキしてた

観光客がいっぱいいる場所でか!


舐めてない方をズラしてあの子の顔の前に近づけた



あっ


自分が舐めてる方を舐めてきた!



こいつ絶対わざとやってる!

だってニコニコしてるし!


みんな見てるのに

いや見てないだろうけど

舐めてない反対側を向けてたのに

そっちじゃないだろ!


こっちも味見する?


いや、大丈夫・・


ふーん、美味しいのに


ずっとあの子に振り回されてる


世の中の同じ年代の男性はべつに気にもしないような事なんだろうけど

子供の頃から女性とあんまり接してない恋愛経験も少ない自分には

苦手だった


こっちも食べる?


て、何度も言われた事はあるけど

一度も食べた事はなかった

そこだけは守ってた

意味がわからんけど



たまに行く山奥の温泉に連れて行ってあの子が出てくるのを待合室で座って待ってたら


若い男の二人組の前からあの子がやってきた

あの子が二人組の前を通り過ぎると

男の一人があの子を見惚れてる感じがわかった

湯上がり姿で頬が赤くて可愛かった

待ってる自分の前まであの子が来て


おまたせ、いこうぜー


あの子の後ろにいた二人組が自分の顔を見てあ然としてた


そりゃ、そうだろう

頭の薄くなりだした中年のおっさんと若い女の子が一緒いたら絶対に怪しい



食事の時座敷のテーブルで横が自分と同年代のカップルのグループ

こっちはあの子と二人


このお肉めちゃうまー♪

なんしようとね

ほら、たべりーたべりー!


視線が気になる

不思議そうに隣のグループから

見られてる

ヒソヒソ話してる

親子にも恋人にも見えないだろうし

やっぱりどうみても援助交◯にしか見えない

自分から見てもそう思う

気まずい


だんだんと人がいる様な場所での食事が余計に苦手になってきた



この頃からこれ以上好きになったりするのは良くないと

あの子のいい兄貴的な存在でずっといるのが正解だと思うように自分の言い聞かせるようになるべくした


そんなに簡単にはいかなかったけど









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