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異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜  作者: mitsuzo
【第二章 ハズレモノ旺盛編】

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041「忘れられた白龍。その名はハクロ(激おこである)」



——エルクレーン王国総合学園、入学初日深夜⋯⋯。俺は突然、ある者(・・・)に寝ているところを無理矢理起こされた。


「エイジ、おんどりゃぁぁ〜〜!!!! 何、勝手に寝床移動してんじゃーーー!!!!」


 あ⋯⋯忘れてた。ハクロに学園寮に引っ越しするって言うの⋯⋯。


「あ、そっか〜。なんか忘れてるな〜と思ってたらハクロだったか〜」

「ほぉ? 愉快な返答じゃな?⋯⋯表出ろ」


 そう言うと、俺の部屋で元の姿の『白龍』に戻ろうとする血管ブチギレ寸前の(すでにキレてる?)ハクロさん。


「わぁぁーーすみません、すみません! ハクロさん、冗談です!! ホントすんませーーーーんっ!!!!」


 俺の中で『土下座の最上級』という位置付けの『五体投地』をもって必死に謝罪した。



********************



「ま、これで許してやろう。⋯⋯ワシも丸くなったもんじゃ」


 ハクロに何とか許してもらった俺は、顔をボコボコに腫らした状態で『ハクロ様のイス』として四つん這いしています。


「いい。なかなかいいぞ、エイジ。貴様、イスの素質があるな!」

「いえ、それほどでもー!」


 ということで、四つん這い(このまま)の状態でハクロ様に本日の出来事をご報告させていただきました。


「ふ〜ん⋯⋯ま、別に学園長とか先生とか生徒とか、1ミリも興味ないからどうでもいいの」

「失礼しました! ハクロ様ほどのお人でしたら、こんな俗世のことなど興味ないのも当然でした! お耳を汚してしまい、申し訳ありませんでした」

「うむ、苦しゅうない。それよりも⋯⋯」


 と、ハクロ様が今日一日、どこに行って何していたかという話を始められました。


「ちょっと、ダンジョンのほうに行ったらエイジと同じ異世界人たちを見かけたぞ。今は33層くらいまで進んでいたのぉ〜」

「へ〜、そうなんですね」

「⋯⋯見た感じ、レベルは40後半から50前半といったところじゃな⋯⋯さすが異世界人、成長が早いわい」

「へ〜、そうなんですね」

「何じゃ、エイジ? あまり感心なさそうじゃの?」

「まー⋯⋯その程度(レベル)でしたら⋯⋯」

「では、お前が興味を出す話をしてやろう(ニチャァ)」

「良い顔でございます、ハクロニチャァ


 話によると、どうやらハクロ様は『隠蔽の魔法』を使って、異世界人(柊木たち)に帯同したとのこと。


「エイジよ⋯⋯お前をハメた三人はどうやらまだ懲りていない(・・・・・・・・)らしいぞ?」

「ほぉ?」



********************



 ハクロ様が「いいかげん、ハクロ様のイス(四つん這い)状態のお前と話すのは面倒くさいから元に戻れ!」と言われたので、俺はいつもの状態に戻ってハクロの横に座った。⋯⋯俺は別にあのままでもよかったのだが?


「で、だ。ヒイラギという奴がこう言ってたぞ⋯⋯⋯⋯『エイジを絶対に許さない!』とな」

「『許さない』?⋯⋯⋯⋯ふ〜ん、反省なんて一切なく、むしろ相変わらずという感じか」


 俺が柊木にそんな残念な感想を述べていると、


「相変わらずどころか⋯⋯エイジへの『仕返し(・・・)』を仲間と一緒に画策しているようじゃったぞ」

「ほう?」

「周囲に人がいたからか詳しい話はしなかったがの」

「ふ〜ん⋯⋯」

「それにしても、今のところエイジが言ってた通り(・・・・・・・・・・)の動きを見せてるな、あの三人⋯⋯」

「まぁな。あんな奴らがそう簡単に改心するなんてないし、それに俺のやろうとしている『ざまぁ』に柊木たち(あいつら)のあの『クズ具合』が必要だからな」

「確かに。しかし、彼奴(きゃつら)⋯⋯エイジの『ざまぁ』を本当に理解した時(・・・・・・・・)の精神的ダメージは大きじゃろうな」

「まぁな。⋯⋯ていうか、こっちは実際に殺されそうになったからな? それに比べたら、まだ全然よ、全然⋯⋯」



********************



「あ! あと、この学園の図書館にも行ってきたぞ!」

「ええっ?! 俺もまだ行ったことないのに、もう図書館言ってきたのっ!?」

「うむ! いや〜さすが学校じゃな! 古い本や新しい本とかいっぱいあったー!」


 などと、目をキラッキラさせて喜びを表現していた。⋯⋯だが、1200歳だ! のじゃロリだ!


「おい、お前⋯⋯今、失礼なこと考えてなかったか?」

「ん〜ん、全然?」


 さて、そんなわけで、すでに一人こっそり図書館に赴いていたハクロからいろいろと話を聞いた。


「で、何か収穫あった?」

「ふむ。まだすべて確認したわけではないが、今のところ『ハズレモノ』に関する書物や文献のようなものは見当たらなかったな」

「ん〜⋯⋯まあ、この図書館の書物がいつから(・・・・)のものがあるのかわからないけど⋯⋯簡単じゃないようだな」

「ちなみに、今『神話』のような書物を読んでいるが、そこには『勇者が救世主』という題材のものばかりじゃったな。まあ、細かい中身はこれから読むつもりじゃから何かヒントのようなものがあればよいが⋯⋯」


 と、説明するハクロはやはりどこか楽しげだ。結構『知識欲』が旺盛なのだろう。


「俺はしばらくはバタバタ(・・・・)しそうだから、落ち着いたら図書館に顔出すよ。ていうか、そもそも、俺はこの世界のこと自体わからないことばかりだから⋯⋯まずはそこからかな。とりあえず、授業受けながら自分のペースで調べてみるよ」

「うむ。⋯⋯一応、念の為『柊木』という者たちの動向は気にしとくんじゃぞ。⋯⋯油断大敵じゃ」

「ああ。⋯⋯ま、少ししたら吾妻と古河に会って話を聞く予定だから、ちゃんと動向は抜かりなくチェックするつもりだ」

「うむ、それでよい」

「ていうか、それよりもまず、この学園での『立ち位置(カースト・ポジション)』を確立することが最優先だけどな」

「⋯⋯なるほど。人間はいろいろと面倒臭そうじゃのぉ〜」

「まぁな⋯⋯。でも、個人的には今の俺(・・・)はそういう面倒臭さを楽しめるだけの余裕はあるがな」

「ふっ⋯⋯まったく、お前らしいな」

「だろ?」


 そう言って、ハクロと俺はクスクスと笑い合った。


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