034「ざまぁ宣言」
【第22話 ハクロのステータス修正】
第22話のハクロのステータスですが、ステータス値を修正しました。
下記の内容となりますのでご報告です。
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【ステータス】
名前:ハクロ(龍族)
年齢:1200歳
称号:白龍
レベル:118
HP:36121
MP:37042
身体能力:4032
身体硬度:4185
魔法:火炎放射/豪炎大火身体強化/上級治癒/上級異常治癒/隠蔽
固有魔法:『龍の咆哮』『龍の炎』
固有スキル:『龍神の加護』
体術:ハクロ式体術(免許皆伝)
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では、本編をどうぞ。
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え? 手加減? もちろんして⋯⋯⋯⋯あ、あれ? あれれ?
ボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキ⋯⋯!!!!!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜!!!! て、手が、手がぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!!!」
柊木の悲鳴を聞いた俺はすぐに手を離した。⋯⋯のだが、どうやら柊木の手の骨を砕いてしまったようだ。
本当はそんなことするつもりはなかった。ただ、柊木の『身体硬度』が俺の思っていた以上に低かったため、つい手の骨を砕いてしまったのである。
「ご、ごめん⋯⋯柊木。かなり力抑えていたんだけど、予想以上にお前の『身体硬度』が低かったみたいで⋯⋯」
「こ、この、やろ⋯⋯うぐぁぁぁぁぁぁぁ〜〜っ!!!!!!!」
柊木は何とか瑛二に言い返そうとするも、あまりの激痛にまともにしゃべることができてなかった。
「た、拓海君!? い、急いで、ユーミンに治癒魔法をかけてもらわないと!」
そう言って、小山田は手の骨が折れ悶絶している柊木の肩を担いで、さっさとその場から駆け出していった。⋯⋯結果、ここには吉村だけが残る形となった。
ちなみに、吉村への『威圧』はすでに解けている。
「バ、バカなっ?! お、お前のようなクズステータスの奴がどうして⋯⋯? どうして、こんな特別な力を持ったんだっ!? そんなのまるで⋯⋯⋯⋯チートじゃないか」
「うん、そうだね! 俺もチートだと思うよ!」
ニッ!
俺は、歯をギシギシと食いしばりながら悔しさを露わにする吉村に、目一杯の満面の笑顔で返事をする。
「吉村、お前言ったよな? 俺に『特別な力なんてあるわけない』って。残念だったな⋯⋯あったんだよ。ていうか、俺の称号『ハズレモノ』自体が、その特別な力だったんだよ」
「な、何⋯⋯っ!?」
「おっと!⋯⋯これ以上はマズイな」
そう言って、俺はワザとらしく手で口を塞ぐ仕草を見せる。
「くっ?! 余裕ぶっこきやがって⋯⋯っ!!」
吉村が酷く歪めた顔で俺を睨んでくる。
「は? 当たり前だろ? ていうか⋯⋯こんなマウント、これまでお前らが俺にやったことだろ? つまりブーメランだってこと、わかってる?」
「うるせぇ、うるせぇ、うるせぇぇぇぇ〜〜〜〜っ! 知るか! 重要なのは、お前がチート能力を持っているのがムカつくってことだけだっ!!!!」
「⋯⋯」
俺は吉村の言葉に⋯⋯⋯⋯キレた。
グイっ!
「吉村ぁぁぁぁぁぁ〜〜〜っ!!!!」
「ぐっ! は、離せ⋯⋯っ!?」
俺は吉村の胸ぐらを掴んで、無理矢理俺の方へ引き寄せる。吉村は必死に俺の手を振り払おうとしているがもちろん微動だにしない。
「てめえ、いいかげんにしろよ? ダンジョンの3階層でお前はワザと魔物を俺に向かわせるよう仕向けたよな? さらにお前⋯⋯その手で俺を崖に突き落としたよな? お前、同級生を殺そうとしたって自覚ある?」
ブン⋯⋯⋯⋯⋯⋯ドシャ!
「ぐはっ?!」
俺は、吉村を軽く5メートルほど放り投げた。吉村は受け身を取れなかったのか、息苦しそうにしている。⋯⋯知らね。
「いいか、よく聞け。俺を本気で殺そうとしたお前らを俺は絶対に許さないからな?」
「うっ!?」
「とは言っても、お前らに暴力でどうこうしようなんて思っちゃいない。お前らみたいな『弱い者いじめ』なんてカッコ悪いこと誰がするか!⋯⋯⋯⋯ま、それよりももっと楽しいやり方でお前らを精神的に追い込むつもりだから(笑)」
「え⋯⋯?」
「吉村、お前なら知っているよな?⋯⋯⋯⋯『ざまぁ』ってワード」
「⋯⋯あ」
「そういうことだ。そして、『ざまぁ』するには『ざまぁする相手を圧倒する力』が必要なこともお前は知ってるよな?」
「お、お前⋯⋯」
「というわけで、お前らはこれから『俺流ざまぁ』の標的になったから。今日は俺からの『ざまぁ宣言』みたいなもんだ。覚悟しとけ?⋯⋯ま、そんなわけで今後ともよろしくな、吉村。柊木にもよろしく言っといてくれ」
「⋯⋯くっ!?」
「救世主活動、頑張れよ〜。せいぜい化けの皮剥がれないようにな?⋯⋯くっくっく」
「あ、ああああ⋯⋯」
「じゃあな」
そう言って、俺はその場を後にした。
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「あー、すっきりした!」
俺はクズたちの相手をした後、その足で学園の中庭から学園長室へと向かっていた。
ちなみに、今日は俺が学校⋯⋯⋯⋯『エルクレーン王国総合学園』に通う『登校初日』なのだが、そんな日に柊木たちに朝から呼び出された俺は最初めちゃめちゃ嫌な気持ちでいたが、蓋を開けてみれば、ちょっとした『ざまぁ』ができたので今では清々しい気持ちで一杯である!
いや〜足が軽い、軽い(スキップ、スキップ)。
ちなみに、ここに来る途中、吾妻と古河に会ったのでさっきの柊木たちの話をしたら、
「なるほど。道理でさっき、柊木がうんうん唸りながら小山田に担がれてユーミンのところにやってきたんだな」
と、吾妻が「合点が入った」とでも言いたげな顔で説明をした。どうやら、称号『聖女』のユーミン先生が治癒魔法で柊木の拳を治したらしい。⋯⋯いや〜、大事に至らなくて良かったな〜(棒)。
「そう言えば、ユーミン先生が柊木の拳の骨がグシャグシャに砕かれていたって言ってたけど、アレ⋯⋯⋯⋯瑛二君がやったの?」
と、古河が横から俺に恐る恐る聞いてきた。
「い、いや⋯⋯本当はあそこまでやるつもりじゃなかったんだよ? でも、なんか、柊木の『身体硬度』が予想以上に低かったもんだから⋯⋯その⋯⋯力加減間違えちゃった(テヘペロ)!」
「ひ、柊木の『身体硬度』が低いって⋯⋯。彼、今『レベル28』なんだけど?」
「へーすごいね(棒)」
「⋯⋯⋯⋯瑛二君の本当のステータスを早く見てみたくなったよ」
古河は俺の言葉に呆れた様子でそんな感想を漏らした。
「じゃあ、柊木たちの監視、頼むな?」
「ああ、わかった、任せろ!」
「瑛二君も今日、初登校でしょ? 頑張ってね」
「ああ!」
俺は、二人に柊木たちの監視を頼んだ後、学園長室へと向かった。




