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3,真夜中の人魚さん
この絵を描いたあとに「アマビエ様」なるものを知りまして、疫病退散のご利益があるなら――と思いましたが、どう考えても人魚妄想から離れられなかった。ウィキで調べていたら似て非なるものらしく、大人しく「人魚」です。
人魚というと好きな人外の一つであります。色々と伝承なりなんだりありますが、私はどうしても綺麗なものでいて欲しいという思いがありますね。妖しく綺麗に……そう思って今日も人魚を描きましたが、何かが何かであるためには何を表現するべきか。
誰かがこの絵を見たら人魚ではない何かを想像するかもしれない。別の何かを想像したまま終わるかもしれない。その方が多いのかもしれない。
けれど、どこかの誰かはヒレと思って、鱗と思って、人魚に辿り着いてくれるかもしれません。
すぐわかるものは伝わりやすい――タイトルで意味づけられますが、想像することって何だろうとこの人魚を描いて考えるのでありました。ファンタジーはいかに想像してもらうかなのでしょう。