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「うー……痛ってー……」

「おや、どうしたんですか、傷だらけになって。木に登って落ちたのか、料理中のコックの邪魔をして火傷したのか、それとも新しい魔法を使って失敗したのか、どれですか?」

「俺はどこかの悪ガキか!?」

「前科を並べただけですが」

「う゛、否定できない……って違う。三階の窓から落ちたんだ」

「今までよりドジが悪化してますね」

「ち、違う! 俺が自分で落ちたんじゃなくて、落とされたんだよ!」

「落とされた?」

「さっき弟に四天王になってくれって頼みに行ったら、『バカなことを言っている暇があるなら仕事をしろ、バカが』って言われて窓から投げ捨てられた……酷い……」

「それはどう考えても、仕事の邪魔をしたあなたが悪いですね」

「だからって実の兄を窓から落とすか? なんであんなに鬼畜になったんだろう……ちっちゃい頃は『あにうえー』って俺の後ろ追いかけてたのに……」

「昔はあなたの方が鬼畜でしたからね。歩き始めたばかりの弟君を転がして遊んだり、追って来ているのを分かっていてあえて無視したり……そんな兄の背中を見て育てば、ああなりますよ」

「しょうがないだろ?可愛い子はいじめたくなるんだよ」

「アホな小学生ですか。まぁ、昔いじめたツケが今来ていると思ってください」

「むぅ。でも弟にやられっぱなしっていうのもな……俺があいつに勝てる事って……」

「何もないです」

「即答!? 一つくらいは何かあるだろ!」

「強いて言えば、変な発想と何の役にも立たない悪知恵くらいでしょう」

「……お前、どんどん口が悪くなってないか?」

「気のせいです」

「そうか……? まあいいや。あ、料理とかどうだ!? あいつが料理してるところは見たことがないぞ!」

「やめてください、また城の厨房を破壊するつもりですか」

「くっ……じゃあ……芸術面……とか?」

「三年前のグランドピアノバラバラ事件をお忘れですか?」

「いやー、あれはびっくりした。弾いてる最中に突然ピアノがバラバラに……あれ、結局原因は何だったんだ?」

「あなたが強く鍵盤を叩きすぎたからです」

「強く叩いた方が大きい音が出るだろ?」

「限度があるでしょう。鍵盤だけならともかく、どうして全体がバラバラになるんですか」

「!! そうだ、この腕力なら勝てるかもしれない! よし、ちょっと今から腕相撲で勝負してくる!」

「弟君は仕事が激増して気が立っているので今は止めた方が……ああ、行ってしまいましたか。医務室の準備でもしておきますかね……」

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