表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

わたしなりの楽しみ方 1

 その後、父は金ペンの万年筆をもう1本わたしに贈ってくれた。

 

 セーラー、というブランドの21金のものである。

 書き味は持っているすべての万年筆の中でも一番だ。しなりが効いていて書きやすいし、インクフロー(ペン先へのインクの供給)もいい。

 ブルーブラックのインクを入れて使っている。



 同時期に万年筆にハマったわたしと父。

 父は「趣味の文具箱」という、主に万年筆が扱われた雑誌を読みながら、様々なメーカーの様々な万年筆や定番色(ブラック、ブルーブラック、ブルー)を買い漁って書き味の違いやインクの微妙な違いを楽しんでいたが、それはまさに大人買いだった。


 バイトもしていない高校生であるわたしは、父の買った雑誌を読ませてもらい知識を増やしつつも、一番最初に買った万年筆のカクノを増やし、カラーインクを楽しむ道へと進んだのである。



 興味を持ったカラーインクは、売り場で一際の存在感を放っていた、パイロットの色彩雫(いろしずく)というシリーズだ。日本の風景、花、慣用句など、日本名のつけられた全24色。


 色彩雫は50mLの大きい瓶と15mLの小瓶の3本セット販売という形式がある。しかし、3本セット販売は、好きなインクの色の指定ができない。…ほとんどのお店では。

 しかし、一部のお店では、好きな色のインクを3色指定して買うことができるのである。

 

 そこで、ネットに「色彩雫を選んで買える」と書かれていた、地元で一番の文房具屋を訪ねた。好きな色のインクを手に入れるためである。


 そこの文房具屋は地元で一番というだけあり、元々文房具好きのわたしは万年筆関連以外にも大いに買い物を楽しんだが、目当てはそこではない。


 万年筆コーナーに行くと、たくさんの万年筆がショーケース越しにわたしを出迎える。

 その万年筆に魅了されながら、わたしはインクコーナーの前で立ち止まった。

 

 インクの小瓶、24種類が並んでいた。試し書きコーナーまである。


 わたしはそこで試し書きをさせてもらったが、とても3色には決めきれるはずもなく。

 悩みに悩み─月夜…少し黄色味のある紺色と、孔雀…緑寄りの青緑、深緑…名前通りの深い緑、の3色を選んだ。


 そして、その場でカクノを2本、インクを吸い上げるための専用のコンバーターを買い足し、店をあとにした。


 帰宅し、一番最初に買ったカクノを洗浄する。黒インクの入った万年筆は、最初に父に贈られた赤ワイン色の万年筆と祖父の形見の万年筆と、もう2本あった。

 そこで最初に買ったカクノを洗浄し、買ってきたインクを入れることにしたのである。洗浄はコップに水を溜め、インクの色が抜けるまで繰り返し濯いだあと一晩水につけ置きする、と少し手間はかかるが、水で洗浄すれば別のインクを入れることができるのも万年筆の利点だろう。


 そして、新しいカクノ2本と洗ったカクノ1本にコンバーターをとりつけ、それぞれ買ったインクを入れた。



 現在わたしは色彩雫の小瓶を6本持っている。

 残りの3色は、「この方がカラーインクを楽しめるだろう」と言って父がくれたスケルトンの万年筆に入れ、インクの色を外見でも楽しんでいる。

 

 それからなぜかわたしのインクを見た父も色彩雫にハマり、父は色彩雫を大瓶小瓶合わせて10本持っている。


 現在我が家には色彩雫が16色あるわけだが、近所の文房具店でも好きなインクを3色指定して買うことができるようになったため、父はまだまだ色彩雫を買い足したいらしい。24色とは行かずとも、我が家にほとんどの色が揃う日も近そうだ。



次は海外勢のインクを試してみたいです。海外勢のインク、面白そう。

色彩雫の残りの3本は、秋桜…鮮やかなピンク色、夕焼け…少しくすんだオレンジ、松露…緑に少し青を足した色、です。

感想、とても嬉しかったです。ありがとうございました◎

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ