願い
私は、一つの罪を犯しました。
それは、とても当たり前のことでした。
それは、誰もが願うことでした。
それを実現する為、色々な人が色々なことを試みて、
それが叶えば、何億人もの人が喜ぶことでした。
そしてそれは、本当なら叶うはずのない願いでした。
「お嬢様、お嬢様。朝ですよー。」
「…うるさい。どうしてあなたはそうまいにちまいにちげんきでいられるのかしら。」
「うーん、それはお嬢様みたいに好き嫌いしないからじゃないですか?
ほら、僕はピーマンだってニンジンだって食べられますし。」
「…なまいきね。おとうさまにいいつけてやろうかしら。」
「それはご勘弁をー。ほら、起きてください。」
私の朝は、彼の煩い目覚ましから始まる。
それから彼に髪や服装を整えてもらい、朝食を食べ、庭を散歩するまでが1セット。
「お嬢様、今日は庭の桜が綺麗ですよー!あとで一緒に見に行きましょう!」
「…それ、きのうもいってなかった?」
「そうでしたっけ?でも今日は今までで一番綺麗なんです!
こんなに綺麗なのは見たことありませんよ!」
「そうなの、それならあとでいきましょ。」
「はい!……できました。
じゃあ朝ごはんもできてますから、早く行きましょう!」
「…あ、ちょっとまって。」
「はい?」
「わたし、きのうのにっきをかいてなかったわ。
さきにいっててちょうだい。」
「わかりました。冷めてしまうので早めに来てくださいね!」
パタパタと彼が出ていく。
私はベッドの脇の日記帳を開き、そこに書かれた無数の正に一本の線を足した。
「ほら、ほら!お嬢様早く!」
「まってよ。わたしにはしれというの?」
「…す、すみません…。
これでは御主人様が帰っていらっしゃった時、僕は怒られてしまいますね…。」
「だいじょうぶよ、おこられることなんてないから。」
「黙っていてくださるんですか!?ありがとうございます!」
「…あなたはあいかわらずげんきね。」
彼の言うとおり桜はとても綺麗で、樹全体が生き生きとしているように感じた。
「…ねぇ、こんなはなしをしってる?さくらのきのーーー」
その瞬間強い風が吹き、私は思わず目をつぶる。
次に目を開けると、彼が私の顔をのぞき込んで笑っていた。
「お嬢様、髪に花弁がたくさんついていらっしゃいますよ。
随分と桜に気に入られていらっしゃいますね。」
「まるであなたのようね。」
「えぇ?僕の方がお嬢様を愛しておりますよ?」
「いいえ、おなじだわ。
……あなたはしらないんでしょうね。」
「?」
「なんでもないわ。かえりましょ?」
「そうですね、少し肌寒くなってまいりました。
お風邪を引かれては困ります。こちらへ。」
ねぇ、貴方は知らないのでしょうね。
私がもう、ピーマンだってニンジンだって食べられることも。
お父様が貴方を怒ることは二度とないことも。
何故毎日、桜が綺麗なのかも。
この樹の下に、何があるのかも。
私の醜い醜い、この願いも。
貴方は何も知らない。
「お嬢様、今日は庭の桜が綺麗ですよー!あとで一緒に見に行きましょう!
今日は今までで一番綺麗なんです!
こんなに綺麗なのは見たことありませんよ!」
「そうなの、それならあとでいきましょ。」
今日も私の朝は、彼の煩い目覚ましから始まる。
ご覧頂きありがとうございました
これは私が実際に視た夢の話です
私自身は第三者(天?)目線から見てる感じでした
ここから先は特に需要もなさそうな自己解釈になります
嫌な方はバックしてください
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・主人公
姿は現代でいうと小学生くらい
大きなお屋敷のお嬢様(昔の西洋?)
世話係(10歳くらい年上)に想いを寄せている
彼が死んだ時にショックを受け
遺体が埋まっている墓代わりの桜の樹に願い事をする
「彼と一緒にいられたあの日を、もう一度…」
それが何故か(世話係の欄で解説)聞き届けられ
主人公は彼の生きていた1日を延々と繰り返すことに
彼を閉じ込めてしまったことに罪悪感を抱えつつも
失いたくない想いから狂った世界に留まり続ける
精神は既に現代でいう高校〜大学生くらい
・世話係(彼)
主人公であるお嬢様の世話係
身体が弱かったせいで成人すらせず死亡
身寄りがなかったため桜の樹の下に埋められる
その影響で桜の樹は美しく咲き誇り
桜は彼の魂に
お礼になにか叶えてあげようと囁きかける
彼は迷わず
お嬢様ともっと過ごしたいと答える
それと同時に桜の樹の下でお嬢様も同じ事を願う
共鳴したお嬢様の魂は桜の樹に吸い込まれ
彼の魂とともに
1日を延々と繰り返すことになる(桜が視せている幻影のようなもの)
お嬢様を閉じ込めてしまっていること
本当は良くないこと…もわかっている
でも一緒にいたいがために同じ1日を過ごし続ける
結局は似たもの同士
………的な
あくまでこれは私が勝手に解釈した結果なので
夢が私に教えたかったこととは別かもしれません
ただ私はそういうふうに考えましたよーという
それだけです
これからも不思議な夢を視たら書くので
よろしければまたご覧頂けると嬉しいです