表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
B MAIN  作者: 半半人
フリッド・フラン編
69/173

能力、8 burst


「ロッド、魔法で攻撃しろ」

「え!?」



 ほとんどの天使が近接戦闘に向いている。ジェリテの様な例外もいるためそれを確かめる必要がある。



「何でもいい。水でも火でも雷でも構わない」

「そう言われると迷うなぁ」

「さっさとしろ」

「了解」


 ロッドールは雷の魔法を放った。対象に向け一直線に進む雷撃は簡単に避けられた。


「っぶないなぁ、もう」

「!?」

「…手加減したのか?」

「しないよそんなこと!」


 ロッドールが手を抜いていないことは分かっている。予備動作はもちろん、反応だけで避けられるものではない。それを簡単にやってのけたということは、


「私と同じ、か」

「自己強化系ってこと?」

「そうだ。ロッド、援護を頼む」

「ちょ!勝手過ぎるよ!」


 私は歩を進め、手の届く距離まで近付いた。


「お前の名は?」

「エルド・レイアン。逆にあんたは?」

「バーキンス・アイゼンだ」

「そっか。よろしくっ!!」


 エルドは笑顔でこちらに手を伸ばした。


「…」

「握手だよ。勝っても負けても恨みっこなしだからさ。正々堂々やりますよってこと」

「…」

「ゼン!止めとけ!絶対罠だ!」


 エルドの考えは読めない。罠であることも承知している。


 だが、私はそれすらも越えていく。卑劣な手だろうが真っ向から打ち砕くだけだ。


「へへ、正々堂々。忘れんなよ」


 私は握り合った手を素早く離し身構えた。それに対し、エルドは私の後ろにいる奴等に視線を送っていた。


 思ったより慎重、か……!?


 そんな考え裏切るようエルドは急接近した。


 目線はフェイントか!だが、この速さと距離なら捌き切れる!


 エルドは走りながら左足で地面を蹴り、体を浮かした状態で体を捻った。捻転運動を利用し、右足を高く振り上げる。その動作を目で追ってしまい、反応が遅れた。


 能力、ディック・アイアン!


 咄嗟に全身に硬化を広げた。



「っりゃっ!」

「!」


 エルドの右足は的確にアイゼンの顔を捉えた。硬化で痛みは無いものの、衝撃で体勢が崩れた。

 すぐに数歩下がり、構えを取った。


「あだだ。蹴った足の方が痛いや」

「ロッド、何をしてる。攻撃の際に攻撃を仕掛けろ」

「お前が邪魔で当てられないんだよ!」

「一発でも放ってから言え」

「放って失敗しても言うくせに…。やるだけやってみるけどさぁ…」


 その点ではシナの方が何倍も上手だな。


「正々堂々って言ったじゃんか!」

「それに対して私は返答していない」

「狡っ!ま、いいけどさ」


 エルドの視線が上に移った。


 他の天使(やつ)だ!


「ロッド!!ディフェンス!!」

「!!」


 声を送り、後ろを振り返ると黒い雨がロッドール達を襲っていた。


「ロッド!」

「あいつはね、体を銃に変える能力なんだよ」


 小さく連続して続く破裂音の元には腕が筒状に変形した天使がいた。


「銃?」

「西方の武器さ。鉄砲とかいうやつ。それより」


 余所見する余裕あんの?


 エルドが初撃を避けた時、機動力に警戒した。反対に初撃を受けた時、攻撃力は低いと判断した。

 ディック・アイアンの硬化をもってすれば持久戦で勝てると考えていた。


 エルドが繰り出す攻撃を避け、数発受けながらも攻撃を仕掛けた。攻撃は当たるし、耐えられる。確実に勝てると思っていた。


「痛ってぇ…!やっぱ殴り合いに向いてないわ…」


 エルドは距離を置き、拳を擦った。他にも攻撃の当たった箇所を手で押さえ踞った。


「ロッ…!」

「気にすんな!!こっちは大丈夫だ!」


 この隙に後方を確認すると土の魔法で壁を作り、銃弾を防いでいた。


「こっちは任せろ!」


 よし。これでエルドにのみ集中できる。


 しかし読めない奴だ…。痛いと言いながらも何かを隠している。「殴り合いに向いてない」ということは、別の方法なら勝てると臭わせているのか?


 ならば、それを出させずに倒す!


 アイゼンは距離を詰め、一点硬化した足でエルドに蹴りを放った。


「はい、残念」


 エルドは立ち上がる同時にこちらの蹴りを流した。


「くっ!」

「あはは。引っ掛かった引っ掛かった」


 何がしたいんだ?挑発か?


「さっき何回食らって、何回食らわせたか数えてる?」


 何が言いたい?


「オレは4発当てた。あんたは2発当てた。そこで問題!右手の甲の部分には何と書いてあるでしよう?」


 右手の甲?


 私は右手見た。そこには淡く光る数字が浮かび上がっていた。それは能力によるものだった。


「さっき自己強化とか言ってたけどさ。オレ、元からめちゃんこ強いから。そっちが能力だから」

「…そうか」

「ヒントは何個かあげてるし、頭使って戦ってみてよ」


 能力、8 burst。


 素早い動きで接近し、間を開ける。その動きに釣られ、アイゼンは攻撃を空振った。そこで一撃。

 離れようとしたところを先回りされて一撃。


 ダメージを与えるのが目的ではない。確実に数を当てに来ている。


 能力名の8の意味は言わずもがな。


 8回攻撃を受けてはいけないということか。


 ならば、私は最初の蹴りで1回。攻防の際に4回。そして、少し前の2回。


 計7回!


 次で8回目になってしまう。


 色々と考察するアイゼンを見て


「悩んでる悩んでる」


 エルドは様子を見ながら笑っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ