三人いても
ラッシュ領所属、シェスナ。能力、リビリアン・レーザーによりザックを牽制した。そして、その場にいたとファースとの連携により時間を稼ぐことに成功した。
能力、天帝の戒杖。
レイスは周囲に濃霧を発生させ、ザックの視界を制限した。そして、
能力、ヒットエンドラン。
潜んでいたイルベンの能力によりザックをノーリアとレニアから切り離した。
「ここは任せてもらおう」
「はいはい」
「拘らないのか?」
「別に。うちは相手するなら女の子の方がいいだけだよ」
「そうか。だが、サポートはさせてもらう。この濃霧で影を隠せる。何かあればその時対応する」
「分かったよ。サンキューな」
能力、イブラス。
ファースは影を広げ索敵を始めた。
レイスはファースがいなくなると同時にイルベンの能力範囲内に入った。
「すまなかった。不意を突いたのは謝る」
「謝る?何言ってんだおめぇは?」
「アイゼンからの指示だ。借りがあるため今回だけは協力しよう。だが、あまり露骨に接触することはできないからレイスの能力で邪魔が入らないようにさせてもらった。攻撃も避けられるだろうと思ってのことだ」
「…何だよ。最初からそう言えっての」
「時間が無いから手短に言う。天使がこの中央線に近付けば悪魔側は一斉に遠距離から攻撃を仕掛ける。ここにいれば巻き込まれるぞ」
「関係ねぇ。全部逸らすぜ」
「その後だ。雑魚を蹴散らした後に領主が赴く。そうなれば逃げ場は無い」
「その辺は心配ねぇ。嬢ちゃん二人に任せとけばいい」
そこでレイスが何かを感知した。
「おめぇら名前は?」
「レイスだ」
「イルベンだ」
「ちょっと手ぇ貸してくれ。おめぇも気付いてんだろ?」
レイスは近付いてくる強大な魂の主を警戒していた。そして、それが敵であるという勘は当たっていた。
「く…っそ!能力範囲内に入られた…!」
イルベンが隔離していた空間に強引に入ってきたのは一人の天使だった。
「いち、に、さん…。すくねぇ、な」
能力、サン・ピエール。
伸ばした腕がイルベンに到達する前に、
能力、デスニベル!
かろうじて攻撃を逸らした。
「っぶねぇな!」
「大丈夫か!」
「心配すんな。それより、あの能力。領主のドーネルだ…!」
「えぇ、知ってます」
「そう言われればなんとなくそんな気もしなくもねぇな」
「そういえば名前は何ていうんだ?」
「あぁ?何だよ?」
「お前に手を貸す。共闘する仲間の名前を知らないと連携が取りにくいからな」
「そうかいそうかい。おれぁ、ザック。時間稼ぎなら誰よりもうめぇぜ!」
能力、デスニベル!!
ドーネルの周囲の空間を歪ませ、行動を送らせた。
「おれぁができんのはこんくらいだ!おめぇら、何かあんなら早くしてくれ!」
すると、イルベンが大声で自分の能力を明かした。
要約すると鬼ごっこであること。制限時間は20分。イルベンが鬼で始まること。そして、その間はここから出られないこと。
「何でおめぇの能力バラしてんだよ!」
「それが発動条件なんだよ!!レイス!」
「あぁ!」
能力、天帝の戒杖。
濃霧を発生させ姿を眩ませた。その間に三人で話し合いドーネルを倒す作戦を考え始めた。だが、
「なぁ。今はおめぇが鬼なんだよな?」
「あぁ」
「で、おれぁ攻撃は向いてねぇ。おめぇの能力は?」
「天気を操る」
「おめぇは?」
「もう発動してる」
「よし、無理だ」
ザックは悟った。遠距離向きである悪魔が三人揃い、その能力全ての相性が悪いとなれば勝てる可能性はかなり低い。
まず、誰かが鬼になりドーネルに近付かなければならない。そして、相手に触れ再び距離を置き、逃げ続けることがザック達のにできる最善の策である。
「言い忘れてたが俺が死んだり、気を失うと能力は解除される」
「余計無理になったじゃねぇか」
さらにイルベンを守ることも条件に加わえると勝率は落ちる。
「ザック。ドーネルは宝石になる能力がある。そして、それは強固に結び付いた結晶の集合体だ。少しのひびで崩壊する」
「あいつの体をずらして崩せってことか。やったことねぇぜ、そういうのは」
「安心しろ。時間を稼ぐのは得意だ」
レイスは豪雨を降らせ、視界を狭め音を消した。
「いきなり領主とやり合うつもりはねぇ。適当にあしらって逃げようぜ」
「ここを離れていいのか?お前の仲間もいるだろう?」
「…そう言われるとそうなんだけどよ」
「やるのか、やらねぇのかどっちだ!?」
「分かった!やりゃあいいんだろ!ったくよ!」
ザックは集中し、ドーネルに狙いを定めた。




