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B MAIN  作者: 半半人
三界大戦 前編
125/173

先を見据えて

「しばらくの間、ホバックの能力で人間界に植物の化物を送り込んだ。その際、人間界とそれぞれの境界で戦闘を行った者はいるか?」

「誰もいねぇのかよ」


 そこでザックが名乗り出た。


「ザックは…人間界と魔人界の境界を任せていたな」

「あぁ。狙った場所を爆発させる、名前は…何って言ったか…パ、パなんとかだったんだけどな」

「ピリアルト、同じ悪魔だから知らないか?」

「多分、カーサス領のパラジエルかな?」

「あ、それだ!」

「なるほど。やはり悪魔が先に動いたか」


 ホバックの送り込んだ化物のおかげで人間界は共通の敵を意識して停戦し、同盟を結んだ。これでレナードに言った二年の安全は保証できたが内部崩壊させないようにするには本人の手腕による。こればっかりは私が関与することはできないが、内通者ははっきりとさせておこう。人間界の変化に真っ先に気付いたカーサス領か…。人間に変装する、もしくは、幻覚でそう見える能力の悪魔が人間界に紛れている可能性が高くなったな。


 アイゼンは人間界を外側から団結させるように仕向けた。そして、これからその仕上げに入るところだった。


「知ってる奴がいるかもしれないが。これから二年後に向け、天使と悪魔は臨戦態勢に入る。それはこの間の私の話とも大きく関わることだ」


 二年後は、アイゼンがディックから能力を託されてちょうど二十五年目にあたる。メルトリープの能力は封じることであって、相手の生死に関わることは封じることができない。そのため、ディック達は生きていると考えた。魔力量などから長い時間を使い算出した答えが二十五年という数字になった。


「ディック達の封印が解ける。そして、全領主がディック達を殺そうとするだろう」


 それをお前たちに阻止してもらいたい。


「全領主って…オレも!?初耳なんだけどなぁ」

「これからお前の元にも同盟を持ちかけられるだろう。その時は参加すると答えておいてくれ。絶対に私たちのことは話すな」

「りょーかい。なぁ、ノーリア」

「兄ちゃん顔に出そう」

「そん時は助けてな」


「話を戻す」


 あくまで予想になるが、天使は天元界で、悪魔は魔人界で団結する。これがどれほどの戦力になるかは目の辺りにしなければ分からない。最大で天元界六領、魔人界四領を相手にすることになる。


「はい、質問。勝てないと思うがどうするんだい?」

「その通りだ。私たちと計十領を相手にするのは不可能だ。が、その心配はない」


 団結するとは言ったが互いに信頼しているわけではない。ディック達を殺すというのはその影響力があまりにも強大だからだ。もし、ディック達を仲間にすればその領の総戦力が増え、均衡だったパワーバランスが崩れる。それを避けるために天元界は手を組んだ。そして、それは魔人界も同じである。だが、手を組んだといっても裏切らない保証は無い。そのため、仲間でありながらも警戒しなければならない。


「嘘の情報を流してることもあって自滅することも、仲間割れすることも考えられるということだ」

「それならオッケイ、とは言わないよ。まだ理由が弱いからさ。ボクは勝てる勝負しかしたくないんだ。皆もそうだろう?」


 ピリアルトの意見は正しい。全員が納得し、協力を得られなければアイゼンの思い通りにはならない。


「安心しろ。今回の戦いは勝つことが目的ではない。ノーリア、レニア」

「うん?」

「…はい?」

「この二人でディック達を拐う。私たちは二人を守ることに集中すればいい。その点ではザックが二人の護衛に適任だ」

「おいおい。おれぁ、ガキ共と馴れ合うためにここにいるんじゃねぇんだ。そこんとこ勘違いすんじゃねぇよ」

「戦闘向きの能力じゃないんだから贅沢言わない方がいいんじゃないかい?」

「分かってねぇな。おれぁ、一人の方が気楽なんだよ」

「女の子二人は守れません、ってことでいいのかい?」

「…おめぇ、喧嘩売ってんのか?」

「そう言ってるんだけどな」

「少し黙れ。その威勢は本番で見せてくれ。脱線した話を戻すぞ。配置はこうだ」


 アイゼンは地図を広げ、そこに三つの印を付けた。

 天元界側にはアイゼン、マファリス。魔人界側にはピリアルト、ボルート、ホバック。そして、作戦の本命であるノーリア、レニア、ザック。


「えぇ。オレ悪魔と戦うのかよ…。相性悪くない?」

「ホバック。二人を頼むぞ」

「あぁ」

「ザックさん。嫌だったらボクが女性をエスコートするけど、代わるかい?」

「お断りだ」

「厳しいねぇ」

「…ふふ。二人…ふふっ」

「どうしたマファリス?何か言いたいことでもあんのか?」

「とんでもない!何もないぞアイゼン殿」

「よし。話は以上だ。あとは自己判断で頼んだ。それと、ホバック。この後、人間界に行くぞ。それでは解散」


 アイゼンは予想していた。この大戦後、必ず人間界とも交戦すると。そこで仲間たちに呼び掛け、人間界に侵略されるかもしれないという恐怖を与えた。そして、その策は思い通りになった。五国同盟は六国同盟となり、結果としてレナード達を救う形になった。


 天魔大戦を越える、三界大戦は間近に迫っていた。


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