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アスペルガーは、過敏であり、同時に鈍感です。
矛盾する性質が、一人の人間の中に共存します。
良いことに過敏で、辛いことに鈍感であれば生きやすいのですが、現実はそうも行きません。
怖い。痛い。苦しい。悲しい。
そんな思いが、表皮に守られることなく、人一倍ダイレクトに感じてしまうこともあるのです。
これは生きて行く上で、非常なハンデです。
受け止めてくれる人が、周囲にいる場合はまだ良いでしょう。
けれどそんな人がいなかったら?
理解者も、シェルターもなかったら。
恐ろしいことだと思います。
マイナス感情のサンドバッグになってしまうのです。
鈍感力という言葉がありますね。
アスペルガーは、感受性より、そちらを磨くほうを、優先させたが良いかもしれません。
苦しみを知り、人に共感できるような大人に成長できたら、そしてそれを自分を守りつつ可能としたなら、とても素敵なことだと思います。