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体力と気力の使い方が下手です。
アスペルガーは過集中と呼ばれるほど、一つの物事に集中し過ぎて他が見えなくなる時があれば、逆に自分の興味の向かないことには非常にざっくばらんになります。
極端です。
私の場合はそうです。
そして往々にして体力と気力の使い方が下手で、人より早くバテます。
精神的な面で特にそれは顕著なのではないでしょうか。
昔、高校に通っていた頃、文化祭の準備でクラスメートと居残りをしていました。
居残りと言っても六時過ぎくらいだったと思います。
けれど私はクラスメートと話を合わせ、作業を続けるという行為に疲れ果て、キャパシティーオーバーになっていました。
頭の中がぼわぼわとして、目がぐるんぐるんする。
まるで水中にいるみたい。
そんな感じです。
誰それさんが何かを言っている。
何を言っているのか、それは理解できるのに、反応できない自分がいました。
必死で反応しようとしますが、その自分がとても遠い他人のように思えます。
思うに私は、体力と気力の使い方が非常にアンバランスで、下手なのです。
使いどころで過剰に使い切ってしまったあとは倒れ込む、まるで長距離ランナーです。
長距離ほど長く使い物になりませんが。
これで現代社会を泳ぎ抜くのは至難です。
過集中は簡単に直るものでもありません。
例えばこうした執筆作業中にご飯に呼ばれたとしましょう。
私はひたすらこの執筆完遂に努めるでしょう。
過集中がプラスに働く場合もあります。
私はビーズ細工を作ったり、絵を描いたりもします。
そんな時、濃密な神経の働きを必要とするのです。
それは執筆もそうなのですが。
調べごとにも役立ちます。
マイナス面しかなければ必死で直そうとするかもしれませんが、そうでもないのでこの癖の改善に必死になれません。
中庸が肝心であると頭では解っているのですが、中々実行には移せないものです。
より解りやすく言いましょう。
エンジンがかかるとガーッといって、バタン、キュー!
これが私の性分をそのまま如実に表しています。
社会にそんな人間の受け皿が多くあればいいのに、と思ったりします。