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発達障害。アスペルガー。
今ではよく耳にするようになった言葉だと思います。
しかし私の子供の頃は、そうではありませんでした。
この手記は、こういう、風変りさんが実は発達障害でしたよ、という程度に、重々しくなく読んでいただければと思います。
発達障害は、言わば脳の特質でして、治る治らないというものではありません。
その特質でもって、一生を過ごします。
弊害は色々あります。
私が思いますに、弊害による苦痛を減らすには、周りの、近しい人たちの理解がとても大切です。
それがあると無いとでは、生き辛さのレベルが段違いに変化します。
なるべくなら早く、発達障害の可能性を感じた本人、または身内の方などが診断を受けるべく動いて欲しいです。
障害、と名付けられるのは結構、辛いです。
ですが、判明することで回避できるリスクもあります。
山ほどあるリスクを回避するには、幼少時に「発見」されることが大事です。
成長するにつれ、リスクが増していく発達障害に対応するには、なるべく早い内からリスクを回避する術を身につけることが、何より、生きていく上で有効な手段になるからです。
発達障害の人間は通常の人と同じ程度に知能があります(と、私は認識しています)。
少しずつ、その特質にあった生き方を学んでいけば、人間社会に、その輪に溶け込むことも可能です。
私が「変わり者」として、妙な息苦しさを覚え始めたのは、小学校に上がった時あたりからでした。
次回は、そのお話をしたいと思います。