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僕らの非日常ハーレム生徒会!!  作者: 猿野リョウ
史上で地上で最も最高級ブランドと謳われた日常編
44/73

44:大変!

 五月三十日。金曜日。

 午後五時。

 五月二十六日から今日までの五日の間、僕らは生徒会のやるべきこととはなんなのか? それを各々考えていた。

 そして基本的には一週間で最後の登校日になる金曜日に、自分達の練りに練ってきた仕事について嬉々として語ることになっていた。

 陽菜ちゃんは多分鬼気迫る勢いで僕らに熱弁するのだろうが。


 そんなこんなでみんな生徒会室に集合するわけだけど、みんな揃ってはなく、藍河先輩が一向にその姿を現さなかった。



「藍河先輩……遅いなぁ」

「どれだけ遅くてもどのクラスも四時半には放課するはずだったよね?」


 陽菜ちゃんが僕に問いかけた。


「うん、そうだよ。そうなるはずなんだけど」


 もしかして校内のいずれかの教師に捕まって雑用を手伝わされているとか?

 生徒会長は一応真面目で風格のある優等生として認識されているから、雑務を頼んだって簡単には断るまいと思った先生から懇願され、生徒会長としての威厳と生徒会長として出来上がっている像をぶち壊さないためにも、彼女は今必死で激務に耐えているのかも。


「まあ、ないかそれは」


 藍河先輩は多種多様な技量(スキル)もあれば器量もいい。

 簡単な雑務くらいパパッと終わらせてくるだろう。

 だからちょっと寄り道した程度じゃここに来るタイミングはズレやしない。


「もしかしたらこの五日間で一切天啓を得ることがなかったから、さっさと帰っちゃったのかもねぇ」


 いかにも冗談だという口調で理世さんが言った。

 冗談じゃ済まない。

 先生に捕まって道草食ってしまっているというよりも、今日は行きたくないからおうちに帰っちゃおう、と帰宅中で道草食っているという可能性の方が大いにありえる。

 結構を的を得ていた。


「ありえないよそれは」


 否定したのは陽菜ちゃんだった。


「あの人は例え生徒会に行くことで憂鬱なことがあったとしても、だからといってここに来ないなんてことは絶対にない。何があっても必ずちーくんに会うためにやって来るはず」


 …………。


「分かるんだ。私だったらそうするもん」


 そんな不確定なこと言われても困るよ……。


 こうして、じっと待つこと数分。



「た、大変だよぉ! 桜庭先ぱぁい!」



 生徒会室に転がり込むように入ってきた、息を切らした後輩の女の子の言葉が。

 部屋一帯にこだました。

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