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4(二月八日――午前〇時一五分~午前〇時一八分)
4(二月八日――午前〇時一五分~午前〇時一八分)
(動き出したようだな……)
久郷は口の中で呟いた。
物陰に隠れた久郷の近くでは、無数の足音が途切れる事なく響いている。足音の主達は、一様に同じような格好をしていた。頭にはフルフェイスのヘルメットを被り、全身にはアサルトスーツ。防弾ベストで胴体を覆い、手にはアサルトライフルといういでたちだ。
特殊急襲部隊――SAT。
千条神羅を始めとする『エデンの使徒』をつけ狙う特別な警官達。昨日の昼間は、その隊員と称する男とも対峙している。
彼らはすでに、ここ一帯を閉鎖し始めていた。かなり大胆に動いているが、須磨の言う通りであれば、記憶などいくらでも操作しようがあるので関係ないのだろう。
一般人の犠牲が許可されているのであれば、閉鎖が終わったあとにもここに留まっている以上、久郷は口封じのために殺される確率が高くなる。
退くなら今。
しかし。
(これだけのSATが集結してきているという事は、この近くに千条神羅が現れたという可能性も出てくる……! ならば、撤退する意味はない!)
拳銃を抜くと、安全装置を外してジャケットの裏に隠すように持つ。
この者達を追跡すれば、求めていた何かが出てくるかもしれない。




