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Like A Broken Mirror  作者: 勾田翔
再会
26/51

15(二月七日――午後五時一五分~午後五時三四分)


   15(二月七日――午後五時一五分~午後五時三四分)


 さて。

 どうしたものかと久郷は、腕を組みながら考えを巡らす。

 とりあえずは自宅に戻ってきたのだが……朝方、刈谷の『お前がパーティーに着て行けるような上等な服なんて持ってたっけ?』という、こちらを完全に舐めてかかった質問に、渾身の肘打ちで答えてやったのはいいとして。

「まずいな……」

 正直に白状しよう。自分は本当にそのような服を所持していないのだ。

 普段は慣れ親しんだ刈谷を通じて仕事を請けているので、依頼人の前に直接立つ機会が全くない自分にとっては必要のない代物だったのだ。

 そして、『パーティーが始まるまで十分に時間はあるし、今日中に買えばいいか』と楽観視していたのが最大の過ちであった。交差点で自分を狙っていたSATの隊員である須磨という青年と、何時間にも及ぶ鬼ごっこと殺し合いを演じてしまった事で、貴重な時間を潰し、さらに戦いのさなかで負傷した箇所を治療していたせいで、すでに日は落ちて夜になっていた。

 完全に八方塞がりである。

 狭い部屋のベッドに腰かけ、現実から眼をそらすように黙々とマガジンに弾薬を詰めていく三〇過ぎの男。その後ガバメント拳銃の点検を済まし、その他の銃器も眼を通すと、拳銃以外の銃を大きめのスーツケースの中にしまう。

 ジャケットを着直し、立ち上がると、久郷は後頭部をガシガシと乱暴に掻く。やがて大きく溜息をつくと、「諦めるほかないか……」と覇気のない声で言った。

 ……刈谷にバカにされる情景が頭に浮かび上がってきて、僅かに腹が立った。

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