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Like A Broken Mirror  作者: 勾田翔
再会
22/51

11(二月七日――午後一二時四〇分~午後一二時四五分)


   11(二月七日――午後一二時四〇分~午後一二時四五分)


「はあッ……はあッ……! くそッたれが……ッ!」

 息を切らせながら、武田は悔しさを滲ませた声で吐き捨てた。

 近くの自販機でペットボトルの緑茶を買うと、それを一気に飲み干してしまう。

 結局、あのワインレッドのジャケットの男には逃げられてしまった。

 単純に歳の差のせいという訳でもなかった。赤ジャケットの男は、武田の追跡に気がついた瞬間、通常の人間では想像もつかない行動に出たのだ。

 手近な建物の外壁に、あまりにも身軽な動作で飛びつき、ロッククライムのような動作でよじ登り、屋上にまで達すると、さらに近くの建物の屋上へ飛び移る。

 それの繰り返し。

 赤ジャケットの男の身軽さからすれば、常識に乗っ取って地上を進んでいた武田の事など、まるで眼中になかったようだ。武田の全速力を嘲笑うかのように、男はすぐに行方を晦ましてしまった。

「ちッ……」武田は舌打ちしながら携帯電話を取り出すと、笠峰に電話をかける。

 数回コール音が鳴ったのち、電話の向こうから彼の声が聞こえてくる。

『武田さん! いきなり飛び出して行ったんで心配しましまたよ……! 今どこですか?』

 言われ、武田は辺りを見回す。「結構、遠くまで来ちまったな……」と電話に向かって呟く。「今から戻る。ちょっとばかり、時間もかかりそうなんでな。どっかで適当に時間潰しといてくれや」

 笠峰からの返事も待たず、通話を切る。

「さて……過ぎた事をいつまでも根に持つほど、俺に余裕はねえ。さっきの手がかりが消えちまった以上、次の手がかりを探さねえとな……」

 取り出した煙草に火をつけ、咥える。煙を吸い込みながら、武田は考える。

 次に切るカードを。

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