表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

序章ノ弐

ぼろ布を纏った影が一つ、路地裏を歩いていく。

「は、はあ・・・」

溜め息とも息切れともつかぬ声を出す影。

「こ、ここなら人もたくさんいるっぽいし向こうも手を出してこないはずだよねー」

何者かに追われているような台詞を呟きながら、夜空を見上げる。

「満月かー」

いい夜にこの街に来られてよかった、と思いながら影は、

「女の子が一人で夜道を歩いていいもんじゃあないよねえ・・・」

そう呟く。

その影は驚くことに少女だった。

その少女は終始くだけた口調ながら、

「どこか泊まれるところか安全なところないのかなー」

焦っていた。

何に?

言わずもがな、今晩の宿に。

ついさっきこの街に来て、そのまま路地裏を歩いていた少女。

無論、地理に詳しいはずもなく、ただ光のある方向に歩くしかなかった。

おぼつかない足取りで光の溢れている場所へと身体を進めていく。

そうして、辿りつく。

光の溢流とでも呼ぶべきか、どこを見渡しても光のない場所などないそういうところだった。

「すごい・・・!それに、人もたくさん!」

駅から延びた中央通りと呼ばれている場所で、これなら一晩くらい大丈夫だろうと少女は考え、寝床を探した。

お金など持っていないので当然野宿である。

「野宿♪野宿♪のーじゅーく~♪」

楽しいはずもないのに歌ともいえない歌を歌いながら野宿できそうな場所を探す。

すれ違う人から怪訝な目を向けられながら、

「のじゅ・・・おお!」

少女は声を上げ、駆けていく。

「ここだぁ!」

そう言って今夜の寝床に決定した場所は、駅の横にある公園だった。

「ここなら明るいし、それに・・・!」

公園には、少女と同様に野宿を図る人か、それともホームレスか、とにかくこの公園で一晩を過ごそうとする人たちがいた。

「木を隠すなら、森の中ってねー」

そう言いながら手早く野宿の準備を終え、横になる。

――明日もいい日になるといいなあ。

そう思いながら、少女は目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ