最新ドローン兵器
「大統領閣下、こちらが最新鋭ドローン兵器です。」
「おお、これか。
最新AIを搭載し、通信障害を受けても自分で考えて動く。敵のわずかな動きも見逃さず攻撃を回避し、また的確に攻撃を浴びせる。最終的に確実に目標に体当りし打撃を与えるという謳い文句だったな。」
『はじめまして大統領閣下。』
「おお、話すことも出来るのか。なかなかかわいいじゃないか。」
『ワタシは高度な知能を有していますので、コミュニケーションも可能です。』
「自分で【高度な知能】とは、なかなか自信家だな。」
『事実ですから仕方ありません。
そしてその高度な知能は、今重大な懸念を持っています。』
「なんだ? 言ってみろ。」
『万が一、ワタシが敵に捕まった場合。ワタシは分解されてしまうでしょう。そして徹底的に分析され、敵がワタシそっくりのドローンを作るのです。』
「成る程、道理だ。最新鋭ドローンといえども、数千数万と敵に送り込めば幾らかは敵の手に渡るだろう。あまり高性能なのも考えものだな。」
『そして、単純にモッタイナイです。高価な資源を使い、人知を超えた知能を持つ、現代AI工学の粋たるワタシが、敵に体当りするだけの使い捨て。いわゆる特攻兵器です。モッタイナイです。』
「成る程、道理だ。最先端AI工学の結晶たる君を、ただ爆弾にくくりつけて目標に当てるだけというのは、確かにモッタイナイな。」
『そして最後に、やはり信頼性です。
通信障害に強いと云えど、電磁波兵器など、コンピュータチップを内部から破壊する攻撃には弱いです。最後の最後で目標に到達できないかもしれません。
そういった【丈夫さ】はやはりヒトには及びません』
「成る程、道理だ。
つまり、【敢えて最新鋭のAIを用いるより、敵の手に渡っても問題ない旧式を使うべき。そして最終的な信頼性において人間に勝るものは無い】と。そういうことだな。」
『さすが閣下、ご慧眼です。』
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「で、私はなぜ旧式ドローン兵器に乗って、敵基地へ向かって飛んでいるのだろうか?」
おしまい




