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勇者ユウキの大いなる旅立ちと、謎の仮面騎士

作者: 蛇蝎太思郎

 生まれて初めて、親父をぶん殴りました。


 そしたら、秘書のオッサンに組み伏せられて、あっという間に家から放り出された。頭を冷やせと言われて、こっちは文句を言う暇もなくて、オレは一人、誰もいない道路を歩いていたら、何かが見えた気がしたんです。


 〇


「成功! 成功ですぞ!」


 真っ暗な場所で、年寄りみたいなしわがれた声が聞こえました。すごく頭が痛い。心臓が風船みたいに膨らんだようで、息もできなかった。身体がびりびりします。だけど、苦しさはすぐに消えて、前が見えるようになってきました。


 なんか床に、図形と文字が光ってます。


 真っ赤な石の床で、金色の図形が光ってました。前に見た映画みたいな現実味の無い景色。頬に感じる空気が建物の中みたいだったから、見上げたら、天井がすごく高かった。でも埃っぽいし、なんか薄暗くて、圧迫感があります。高い天井が落ちてきそうな感じ。あんまり日本っぽくはない気がする。うちの実家とは、全然雰囲気が違ってて、畳の大広間なんか、絶対ありそうにないです。なら、偉そうに座ってる親父と長男の前で、オレを含めた兄弟姉妹みんなが土下座する、そんなことはもうしなくていいのかな……


 ってこれはまさか、異世界転移ってやつっすか⁉ マジ⁉


 隣で物音がしました。光る図形の上に、自分以外にもう一人いて、すごく痩せてて疲れてそうな男の人が座ってます。歳は、大学生くらい……? 大人でした。どういう人なのかな。


「二人、二人おります!」 


「早く鑑定するのじゃ! 異界の勇者様はいずれの御方か!」


 またしわがれた声が響きました。


 オレはその男の人と目を合わせました。暗くて、目がちょっと怖いくらいで、こっちを見てるはずなのに、オレ以外の何かを、どこかを睨んでいるようでした。時々親父の部下の人たちが見せる、何かとても大事なことをしなければならなくなった人の表情だったんです。でもすぐに、目に光が戻って、オレに向かって、にっこり笑いかけてきました。


「鑑定! ステータスオープン!」


 また誰かの声が響いて、その人とオレの前に、ガラスみたいな画面が表示されたんです。



 名 前: 水去律

 年 齢: 22歳

 属 性: 光・?

 レベル: 1

 H P: 3/10

 M P: 0/0

   力: 2

   速: 1

   覚: 5

   気: 7

   運: 0

 スキル: 法の力・?法??

 称 号: 無免ローヤー・???法?

 祝 福: 法???の加護



「雑魚です! こいつは雑魚ですぞ!」


「ではこちらの御方か!」



 名 前: 神代鳳凰院ユウキ

 年 齢: 14歳

 属 性: 神火・聖天・創世

 レベル: 1

 H P: 150/150

 M P: 5400/5400

   力: 300

   速: 450

   覚: 180

   気: 630

   運: ???

 スキル: 勇者の力・選ばれし者の光・????

 称 号: 異界の勇者・覇を打ち砕く者・超常の体現者・??・????・??

 祝 福: 運命神の加護・???????の息吹・???????・?????



「レベル1にして何という数値!」


「おお、これこそまさに勇者なり! これで、これで世界は救われる!」


 じいさんが数値を覗き見して、ぶかぶかの大きな服を着た人に報告します。俺の名前、神代鳳凰院ユウキ、の名前がある方のステータスは、なんだかカッコいいことが沢山書かれています。これ、本当なんすかね? 信じていいの? あと、見ていいのか分からないけど、隣の男の人のステータスは、なんかボロボロでした。二十二歳か……


「あの、オレ、勇者なんすかね?」


 オレがそう言うと、男の人は、別に悔しいとかないみたいに微笑んで、オレの顔を見つめました。なんか、頼りない、へらへらした表情です。


「勇者、みたいだねえ、えっと、かみしろほうおういん君、でいいのかな」


「その読み方で正しいっす。どっちかというと、ユウキって呼んでくれたら。あなたは……みなさり、さん?」


 この人もオレと同じで変な名字だ……


「うん。それで合ってる。水去律だ。少年、どうぞよろしく」


「よろしくお願いします」


 そんな話をしてたら、地面で輝いてる紋様が消えました。そうして、一番偉い王様みたいな人が慌てて走って来て、わっとジャンプして、スゴイ勢いで、オレの前に土下座しました。ああ、これはまるで、盆正月の少し前に、オレたちが親父に挨拶しなきゃいけない時みたいだ。どうして皆こんなこと、しなきゃいけないんだろう、オレには分からないんです。


「勇者様! 貴方を召喚したのは他でもない、どうか、どうか魔王を討伐し、この世界を救ってくださらぬか!」


「あ、えっと、はい、分かりましたっす」


 オレは頭を下げられるのが嫌で、慌てて答えました。ちらっと隣を見たら、男の人が困ったように、「あの、俺はどうすれば……」と言います。そうしたら、魔法使いみたいなじいさんが、「勇者召喚には、しばしば巻き込まれる人間がいるのでございます。数刻もすれば帰還の魔法陣が自動で走りますので、ご安心くだされ」と答えました。


 この人、帰らされるんだ。オレは何となく、そんなことを考えて、それから言いようのない不思議な気持ちになりました。可哀想、って、ちょっと思ったのかも。


「勇者様のために、食事会の準備をしております。巻き込まれの方も、帰る前に我が国、エルデノディアの産品をお楽しみくだされ」


 そう言われて、オレと男の人は、料理がたくさん用意された机の前に移動させられました。


 〇


 ドラグランバースとかいう世界の説明と、魔王についての説明があって、それから長い国王の演説が終わると、料理を食べていいということになりました。オレは一番奥の席で、隣には、一緒に来た男の人が座らされています。


 よく分からない肉料理を齧っていると、その人は隣でこっちを窺っているみたいで、オレが口の中のものを呑み込んだら、タイミングを計ったように話しかけてきました。


「少年は十四歳なんだよな? 中学生?」


「あっ、はいっ、そうっす。中二っす」


「そっかー、中学生でこんなことになって、大変だね。親御さんも心配するだろうし」


「あ、いや、ウチは、旧家で、オレは五男なんすけど、親は兄さんにしか興味なくて。長男以外は不要ってゆーか。オレ、オヤジの顔は年二回とかしか見れないくらいで。だから、あんまり心配してないんじゃないっすかね? 多分、誰もオレを待ってないっすよ」


「うーん、随分寂しいことを言うね……あーでも、俺の友達に、財閥のボンボンがいてさ、そいつも八男だから、結構大変みたいなんだよな。サラブレッドにはサラブレッドの悩みがあるもんなんだなー」


「はいっす。だから、オレ、ちょっと嬉しいっす。こうやって、異世界で勇者になれるなんて。人生が変わりそうで」


「そっか……」


 この人に何が分かるんだろう。ウチは、そんな普通の家じゃないし、マトモでもないし、オレなんかいなくていい場所なんです。どうせ説明したって分からないから、しないけど。でも、簡単に「悩み」なんて、そんな一言でまとめられたら、ちょっと嫌な気分になります……


 そういえば、オレ、もうあの家に戻らなくていいんすかね?


 オレ、勇者になって世界を救えるの?


 もう頭下げなくていい?


 自由にやれるの?


 なら……


 その時、すごい音がして、石の壁が壊れました。爆発したみたいに破片が飛んで、大きくて尖った爪が見えて、目の前の机が叩き潰されました。料理がぐちゃぐちゃになって飛び散って、それをやったのは、首が長くて顔が二つある、真っ黒なドラゴン。それと、ドラゴンに乗っかってる、角の生えた女の人。多分、これが、敵!


「魔王軍四天王の一人、アブソリューテだああ!」誰かがそう叫びました。


 竜が吼えて、風圧が壁みたいになって襲ってきて、周りにいた人たちが吹っ飛ばされました。俺はなんとか立って居られたけど、隣の男の人は、多分オレが盾になって防いであげてなければ、紙人形みたいに飛ばされてただろうと思います。


「勇者を召喚したらしいわねェ、魔王様のためにもォ、若い芽はここで摘んでおかなきゃァ」


 アブソリューテとかいうのが、オレを見下ろしながら言いました。竜がガチガチ牙を打ち合わせて、その度に、紫色の炎が光ります。デカい! あと何故かガソリン臭い!


「勇者様! これをお使いください! 勇者だけが使える聖剣、エックスカリバーです!」


 国王が光り輝く剣をオレに差し出しました。聖剣、なんてベタな名前なんだろう……オレはそれを、慌てて握りました……その時、初めていろんなことを理解したんです。剣って、すごく重い。刃が大きいんです。持ち上げると、先の方に重心があるみたいに引っ張られる。こんなの振り回せるんだろうか、しかも、軽く触れるだけでズバッと切れそうなほどに、刀身が研ぎ澄まされてる。


 武器、凶器。


 こんなの初めて持つし、構え方なんて、少しも知らない。どうしたらいいんだろう。分からない、分からなかったんです、

 

 すごく、怖い、怖い、手が震えて、止まらない。……だけど、やらなきゃいけない!


「少年!」


 隣で、男の人の声が聞こえて、耳に突き刺さりました。


 うるさい! 集中できない!


「オレが戦うっす! 皆の、この世界のために!」


「いくら勇者でもォ、レベル1で勝てるわけないでしょォ……やれッ、バハムート!」


 敵の女が指示を出した途端、ドラゴンが口を大きく開いて、牙をむき出しにして、その隙間で紫の炎をくゆらせながら、物凄い速度で動きました。オレを噛み砕こうと向かって来る。オレがどうにかしなきゃいけない……だから、オレは、戦う!


 必死で叫びながら、オレは剣を真横に振って、並んだ牙の、一番先にある部分、つまり前歯に攻撃しました。切るなんてできなくて、バットで殴り飛ばしたみたいな感じ。でも手ごたえはあって、攻撃を弾くことができた。


 その瞬間、腕が剣の重みに引きずられて、身体のバランスが崩れて、だけどそこにもう一方の竜の頭が迫ってくるから、もう何が何だか……! だけど、オレは考えるより前に姿勢を戻して、剣を振るっていました。ドラゴンの攻撃を、防ぎ切ったんです。


 でも、その瞬間、敵の声が響きました。


「ダークネスホロウブラストォ!」


 突然目の前に真っ黒いものは見えて、身体が浮いて滅茶苦茶に回転しました。腹の中で内臓がぐちゃぐちゃに動く感じ。けど、剣先が硬いものに触れた気がしたから、とにかくそっち側に腕を伸ばして、気が付いたら、地面に着地してました。どういうことかというと、オレは剣を地面に突き刺して、それを支えにして、吹き飛ばされるのを防いだんです。オレ、思ったより動ける……! 戦えるかも……!


 オレはもう一度、敵に剣を向けました。


 だけどその時、肺の奥から冷気が漏れ出てきたような、酷い悪寒がして、剣と取り落としそうになりました。分からない、何なんだろう、この感覚、身体が酷く震えて、さっきまであったはずの気持ちが、掻き消されたみたいで……


「――勇者――チヤホヤされてェ――ねェ、死ぬって分かるゥ? ――この世界から――アナタは今からァ――惨めに――」


 敵が何か言ってたけど、耳鳴りが酷くて聞こえませんでした。


 オレは、自分の中のこの冷たい、恐怖? そう、怖かったんす。それをどうにか消そうとして、剣を思い切り握りしめました。声を張り上げて、まあ、虚勢でしたけど。


「死んでも、いい! オレは勇者なんす。この身が滅んでも、皆を、世界を守るんです!」


「そうゥ、ならぁァ……今すぐバハムートの餌にしてあげるッ!」


 また突然に真っ黒なものが視界を覆って、オレは吹っ飛ばされました。掛け声がなかったけど、おそらくダークネスホロウナントカみたいな攻撃です。


 さっきと同じように剣を突き刺して着地しようと、そう考えました。


 その瞬間、何かがオレを掴んだんです。ジェットコースターに乗ってるような感覚が、急に消えました。顔を上げたら、一緒にこの世界に来たあの男の人が、まだ逃げてなくて、オレを両腕で受け止めてたんです。しかも、受け止めきれてなくて、倒れそうになりながら、必死でオレを掴んでました。弱い!


 なんでまだいるんだろう? この人、ステータス一桁とかだったのに……


 早く逃げてほしくて、手を振り解きました。どうせこの人には戦えない。オレが、剣を握って、敵に、向かわないといけないから。オレが戦わないといけないんです! 


 はっきり言って邪魔!


「あなたは……早く、逃げてください! オレが……オレが生きてる間に!」


 そう言ったんです。オレは、本当に、そう思ってたんです。


 そしたら背後から、その人の手が、オレの肩に触れました。


「ユウキ君……とってもいい台詞だ、感動的だ。だけど、自分の命を無意味にしちゃ駄目だ。君は勇者なんだから、勇気を履き違えてはいけない」


 その男の人がオレの隣に立って、そう言いました。それはとても落ち着いた話し方で、まるで命を懸けた戦いにすっかり慣れているかのような、そんな声音でした。


「水去さん……?」オレはそうやって、その人の名前を呼んでました。


 命がけの戦いに慣れてる大人なんて、今の日本にいるんでしょうか。でも、とにかく感じたことのない不思議な雰囲気があって、何かとても大きなものが、心を突き抜けていったような気がしました。普段はそんな気分にはなりませんけど、多分、極限の状態だったから、感情が素直に溢れたんだと思います。


「だから、人生のほんの少しの先輩として、今は君を助けるよ。俺も一緒に、戦おう」


 その人は、いつの間にか分厚い本みたいなのを手に持ってて、変な動きをしました。とてもくたびれた顔色なのに、「変身!」とすごく大きな声で叫んで、本をベルトに引っ付けます。すると、眩しい光がわっと飛び出して、身体を包み込んだんです。あっという間に、テレビで観たことある、いや、観たことはなくて、本当によく知らない、だけどすごく懐かしい、まるで、ヒーローみたいな姿に変わりました。


 そう、子供向け特撮番組みたいな、変身ヒーロー。


「法に代わって、救済する!」


 ヘンテコな決め台詞と一緒に、俺の隣で、男の人、水去さんが、変身したんです!


「凄いっす! 水去さん、なんすかそれ?」


「無免ローヤー! まあ、ローカルヒーローみたいな感じ! 詳しい説明はあとで! 俺がドラゴンを抑える。ユウキ君はあの女を! 強そうなの押し付けて悪いね!」


 水去さんが超早口で言います。普通の大人が、変身して戦うための指示を出す、それを真面目にやってる……ちょっと面白くて、オレは、笑いそうになりました。「了解っす!」と答えた時、もう恐怖は消えてました。


 ああ、なんか、元気になった気がする!


 オレは背中を押されたみたいに、いつの間にか駆け出してました。自分でも信じられないくらいの速度でオレは走ってたけど、隣では、水去さんがオレと同じくらいのスピードで、ちゃんとついてきてました。変身したマスクの、昆虫みたいな大きな眼が鈍く光っていて、なんか「ドラゴンは、人じゃない、法律上は――」とかぶつぶつ言ってます。それから水去さんは、腰にある本をめくって、何かに触れました。当然、前を見ながらじゃないと走れないから、隣にいる水去さんの様子はちゃんとは分からなかったけど、視界の端でピカッと光って、【正当防衛】って文字が見えて、水去さんはいつの間にか、剣を手に持ってたんです。


 どっから取り出したんすかそれ。さっきの光が剣に変わったのかな?


 そうやってどうでもいいことを考えてたら、ドラゴンの左側の首が唸り声を上げて、こっちに向かって来ました! 敵の攻撃です。とにかくオレは、皆を守らなきゃ、だから――


 そう思った瞬間、水去さんの声が響きました。


「俺がやる! 君は真っ直ぐ突っ込めえええ!」


 声と同時に、水去さんがスゴイ勢いで宙に跳び出していって、ドラゴンの巨大な頭を、振るった剣で弾き飛ばしました。竜の片方の首が、ぐい、と横に逸れます。足元が地震みたいに揺れて、見たら、竜の巨体全体がバランスを崩してたんです。


 チャンス!


 オレも思い切り床を蹴って、自分でも驚くほどの速さで飛び跳ねました。水去さんより高く飛んで、空中で、一番の敵を、角の生えた女、アブソリューテを見下ろします。今度はオレが攻撃する番!


 とにかく剣を強く握って、握りしめて、猛烈な速度で、力いっぱい聖剣を振り下ろしました。


 ガキイイイイイイイイン! 


 昔、スコップでコンクリートの塀を殴った時みたいな感覚がありました。それから、腕が全く動かなくなったんです……見れば、アブソリューテが片手で、聖剣の刃を受け止めてました。攻撃を、止められた! こいつ強い! そう感じた途端に、また肺の奥から、嫌な冷たさが溢れ出す感覚があって――


「ダークネスホロウブラストォ!」


 何かが全身にぶつかったような気がしたんです。車に轢かれたみたいな。目の前が真っ暗で何も見えなくて、だけど、重い風を感じて、それから、骨がぶっ壊されるような衝撃がありました。多分、背中から床に落ちたんです。でも、まだ死んだわけじゃない。「ユウキ君!」と水去さんの声が聞こえました。


 ああ、心配させてしまった、オレは、まだ、大丈夫なのに……!


「ぐっ……痛うっ……ああっ、水去さん! 大丈夫っすか!」


 視界の回復したオレは、視線の先で、遥か高く、水去さんのアーマースーツに包まれた脚が、トカゲに食われる虫みたいに飛び出してるのが見えました。えっとつまり、水去さんの上半身はドラゴンの口の中にあって、食われかけてます! だけどオレの声に反応してくれたのか、脚がばたばた動きました。


「心配ありがとねえええ! まだまだ生きてるよおおおおお!」


 深刻な状況なのに、ちょっと笑えるような、そんな悲鳴が聞こえてきて、なんだか真剣味に欠けています。ギャグ漫画みたい、そう思うと、肉体の痛みがすっと消えました。聖剣を杖にして、オレはまた立ち上がって、水去さんを助けるために、顔を上げました。


 そしたら、ドラゴンの首が、ぱかっ、と切れたんです。分厚いハムとか食パンを切るみたいに、輪切りでスパッと。で、中から水去さんが出てきて、大きな竜の頭と一緒に、重力に従って落ちていきました。


 多分、喉の奥で時計みたいにぐるっと回転して、剣で首を斬り落としたんだと思います。


「ムーちゃんッ⁉ なんてことをッ! おのれ貴様アアアアアァ!」


「二つあるんだからいーじゃんよー?」


 敵の悲鳴に対し、水去さんは明るい声で、面白くないけど笑えることを言って、オレが噴き出しかけた瞬間、アブソリューテがブラックホールみたいな漆黒の塊を手の先に発生させました。そのまま、落下中で身動きの取れない水去さんに対して、攻撃が飛びました。アーマーに包まれた身体が吹っ飛んで、分厚い石壁に叩きつけられます。光が散って、水去さんの身体が瓦礫の中に崩れ落ちました。


 ヤバいかもしれない。オレは、「水去さんっ!」と叫んでしまったんです。


 水去さんがどうなったのか、瓦礫が邪魔でよく見えません。それで、オレが無意識のうちに二・三歩そっちに進んだ時、背中に激痛がありました。眼を逸らした隙に、背後から、残されたもう一方の竜頭が、オレに頭突きしたみたいです。身体が吹っ飛ばされて、息が出来なくて……


 だけど、オレは、ちょうど水去さんの隣に墜落しました。水去さんは、アーマースーツが消えて、ヒーローの変身が解けてしまっていたけれど、ちゃんと生きてました。


 よかったあ!


「殺すッ! もう殺すッ! 勇者もォ! 訳の分からん仮面騎士もッ!」


 アブソリューテの金切声が聞こえて、地面がどすんどすん揺れて、建物が揺れて天井が崩落しそうです。かなり危機的な状況、そんな時、水去さんが埃塗れで、瓦礫の中で仰向けになって、こっちを見ました。


「ユウキ君、ごめんなあ。俺、HP3しかないんだわ。もう動けねえ。少しは、君の力に、なりたかったけど」


 そんなことを言います。オレも仰向けで、動けなかったから、なんとか首だけ捻って、答えました。


「水去さん。ありがとうございました。……ホントはオレ、最初、怖かったんす。剣を握った時、戦うのが、怖くて」


「そりゃそうだよ。戦うのって、めっちゃ怖いよ。痛いし、苦しいし、息できないし、ロクデモナイんだ。怖いのなんて当り前だよ」


 愚痴を言うみたいな口調だったけど、それがオレにとっては、とても頼もしく感じました。やっぱり、この人も怖いんだ、怖かったんだ……って、オレは何だか安心して、水去さんに向かって、精一杯頷きました。


「でも、オレ、水去さんが一緒に戦ってくれて、スゲー勇気が湧いたんす。オレは、勇者だから、勇気さえあれば、戦えます。だから、オレが……皆を、水去さんを、守りますよ」


 力が、湧いてくる。


 オレは身体を起こし、剣を支えにして、立ち上がりました。


「勇者アアアアアァ!」アブソリューテが吼えます。


「そう、オレは勇者っす。だから、皆を救うんです。オレが! この手でええええ!」


 オレは地面を蹴って駆け出しました。紫の炎を纏った竜の首が、こっちに向かってきます。だけど、オレの手には、剣がある。聖剣で牙を受け止めて、弾きました。


 オレはまだ、前に進める! 


 鉤爪が空気を切り裂く音が聞こえます。でも多分死角にあって見えない。音を頼りに、勘で、身を捻って躱します。


 だけど、そうやって姿勢が崩れた時を狙ったかのように、斬られて転がってた竜の頭が、突然ぐわっと動いて、牙が迫ってきました。まあそれは躱せたんです。けど、あまりに無理な動きをしたせいか、オレは転んでしまいました。視界が床にぶつかった瞬間、いくつも攻撃が、上から叩きつけるように降って来ました。多分、あの、ダークネスホロウブラストとかいうの。痛い! 痛ってえ! 


 ……だけど、耐えられる、まだ動ける!


 轟音があって、聖堂が完全に崩壊しました。眼前を、土煙が隠しています。そのおかげか、降り注いでいた攻撃が、ちょうど止みました、もう今しかない。オレは、地面を蹴って、未知に飛び込みました。


「うおおおおおおおおおおおおおお!」


「まだァ、生きてるですってエエエエエェ!」


 土煙を突き抜けると、どこまでも広がる、異界の不思議な空がオレを迎えて、なんだか全身に力が漲るのを感じました。今なら、技の使い方が分かる気がする。手から力がパチパチ弾けて、一気に溢れ出しました。聖剣エックスカリバーが、黄金の炎を纏います。


 ああ、これが勇者の力だって、理解しました。


 遥か下に、敵の姿が見えます。勇者の能力の一つ、神火。全ての魔を焼き尽くす神の焔は、開けた大空の下で、どこまでも広がり、揺らめいて、輝く……


 これが最後の一撃!


 敵が、近づく、いや、オレが加速している、速度を増して、どこまでも飛んでいける、攻撃のタイミングは、三つ数えて、一、二、三……今っ!


「ゴッドフレイムスラアアアアアアアッシュ!」


 まるで手ごたえなんかなくて、空気を斬ったみたいに、オレはただ剣を振り下ろしました。だけど、目の前では、敵が、アブソリューテという女が、真っ二つに切り裂かれてました。


 黄金の炎が、ふっと消えました。


 ドガアアアアアアアアアアアン! 目の前で、びっくりするほどの大爆発が起きたんです。


 その瞬間、レェェベェルアァープッ‼ というド直球なワードと共に、やたら長い効果音が、魔王軍四天王の一人を倒したオレの耳に、鳴り響いたんです。それから、着地したオレを、水去さんが寝転がったまま、サムズアップして迎えました。勝ちました。初めての戦い、勝ったんです。


 やったあ! オレ、やったっすよ!


 〇


 魔王軍四天王アブソリューテは、魔核状態? に戻って(魔族は死なないらしいっす)、国王の軍に捕獲されました。暗黒双頭竜バハムートは、切り落とされた片方の首を残して飛び去ってしまいました。軍が追いかけていったものの、勇者なしでドラゴンをどうにかするのは難しいだろうとのことです。


 完全に崩れてしまった聖殿の跡地で、オレは水去さんと話をしました。水去さん、本当にボロボロで、なんか大丈夫かなーっ、ってオレでも思うくらいでしたけど。でも、優しそうに微笑んでたんです。


「水去さん、本当にありがとうございました! 水去さんがいなかったら、オレ、絶対に諦めてたっす」


「いや、俺は、何もできなかった……というかここ日本じゃないし、器物損壊も特別法も刑法三条の対象じゃないから、あんま正当防衛とか考える必要なかったかも。つまり何が言いたいかというと……俺、弱いんだよなぁ」


「でもドラゴンの首、切り落としたじゃないっすか!」


「まあ、こんな俺でも、役に立ててよかったよ……それより、ユウキ君! 君は本当にすごいな! ちゃんと立ち向かって、ちゃんと勝ったんだ。これって簡単にできることじゃないんだよ! 本当に偉い。よく、頑張ったね」


「えへへ、そっすかねえ……?」


 そんな話をしていると、オレたちの前に、国王とか、魔法のじいさんとか、衛兵とか、働いてる人たちとか、騎士とか、他のいろんな人たちが集まってきて、オレと水去さんを取り囲むと、一斉に頭を下げました。


「この世界のために戦ってくださり、まことに、ありがとうございます。超常を体現し覇を打ち砕く異界の勇者たる神代鳳凰院ユウキ様。そして、不思議な仮面騎士様、貴方様も立派な戦士だったのですね。国家を代表して、この私、モモモス・ドナンテス十三世が、お二人にお礼申し上げます。本当にありがとうございました……!」


 国王が泣きながら、そう言ってました。でも、オレは戦えたから戦っただけだし、水去さんがいたから勝てたわけで……呼び方も恥ずかしいし感謝されるのも恥ずかしくて、とても困るんだよなあ……


 頭なんか下げなくていいっすよ、オレ、普通に、普通に頑張っただけですもん。


 その時、水去さんの足元で、最初の時みたいな図形が、ばあーっと広がりました。


「ああ! 仮面騎士様、帰還魔法の起動時間ですじゃ! そこを決して動かぬように! 他の皆も、足を踏み入れてはなりませぬぞ!」


 しわがれた声が鋭く言いました。それと共に、「ああそうだ」と王様が言って、服の中から、青と赤の、二つのビー玉みたいなのが入った箱を取り出しました。


「転送玉でございます。藍の玉を持つ者と、紅の玉を持つ者の間に、世界を越えた繋がりをもたらす魔法の石。いつか仮面騎士様の御力が、魔王との戦いの中で、また必要になる時がくるやもしれません。そんな時、お力添えしていただけたら、と。ですので、これを、お二人に」


 国王はそう言って、紅色の玉を水去さんに、藍色の玉をオレに渡します。水去さんは光の紋様の中にいたから、国王がその中に入らないように、二人とも思い切り腕を伸ばして、あああああーっ、と声を上げながら、受け渡ししてました。ちょっと間抜け……で、オレはいろいろ説明を聞きながら、片目を閉じて、玉を覗き込んでみました。深い深い藍の輝きが、どこまでも遠く透き通るように光っていました。


「これ、水去さんを呼び出せるってことっすか? へえー! でも、いいんすか?」


 オレがそう尋ねると、水去さんは「俺は構わないけど……」と答えました。まあ、そう言うしかなかったんでしょうけど、でも、一緒に戦った人が、また会うのを構わないって答えてくれて、オレは嬉しかった。子供みたいに、やったあ! と言いかけたけど、なんとなく恥ずかしくて我慢しました。


 それから水去さんは、紅い玉を見つめながら、何か考えていました。その様子を見つめていたら、ふと、「ユウキ君」と、声をかけられました。


「ユウキ君、本当に、いいのか? この世界で、勇者になって。今なら、俺と一緒に帰れるっぽいけど。入る? 魔法陣のここ、空いてるよ」


 水去さんがそう言うと、周りの人たちが、どよどよざわめきました。


「ほへ? あ、確かに入れそうっすね! その魔法陣! ……でも、この世界の人たち、困ってるみたいだし。それで、オレに皆を救う力があるのなら、オレは、戦いますよ。勇者として」


 オレが答えると、水去さんは困ったように目を閉じて、けれどすぐに開いて、こっちを見ました。真剣で、真っ直ぐな眼差しでした。


「そうか……まあ……うーん……あー……、うむ! そうだね。君が決心したのなら、俺は止めない。人を救うのはいいことだ。冒険だって、人生には必要だし。でも、身体には気を付けて。絶対に死んじゃ駄目だ。ちゃんと寝る、飯を食う、寿命を削らない! 苦しいこともあるだろうけど……頑張るんだよ」


 激励、なんすかね? オレはそんなのされたことなかったから、気持ちが心の奥から、ぶわっと広がりました。


「はいっす! ありがとうございますっす!」


 その時、オレは、いつの間にか、水去さんに向かって頭を下げてました。


 本当にびっくりしました。頭を下げるのは嫌いなんです。特に、親父にするのは、あんなに嫌で、頭を下げるって、嫌いだったのに……自分でも驚いたけど、何故かは分かりません。そうやって、オレがアレコレ考えてたら、水去さんが、周囲の人々に話し始めました。


「えーと、その、皆さん。ユウキ君はですね、勇者で、俺なんぞよりよっぽど強いことを、さっきの戦いで証明してくれました。だけど、彼はまだ、元の世界では、保護されるべき未成年なのです。だからどうか、彼を守ってあげてほしい。勇者だからといって、彼に全てを押し付けてはいけません。ちょうど、転送玉というものを頂いたので、もし彼が俺を呼び出した時、酷いことになっていたら、俺は暴れます。一応、いろいろぶっ壊して迷惑をかけるくらいはできる力があるので――」


 そこで水去さんは、本をベルトにセットして、光が身体を包んで、また変身しました。マスクにある大きな眼で、周囲の人々をぐるりと見渡してから、鎧を纏った指で、本の頁の文字に触れます。すると、また光が溢れて、どうなるんだろうと思ってたら、光の粒子がこっちに来て、それで、オレの身体を包み込みました。まるで水去さんが、変身した時みたいに。一瞬だけだったし、本当に驚いたけど、あたたかくて、全然悪いものじゃありませんでした。


 水去さんが変身を解除して、それから、「――ちゃんと釘を刺しておきます。よろしくお願いします」と頭を下げました。そこまで話が進んだところで、「さあ、そろそろ時間ですぞ! 転送が始まります!」と言う声が響きます。水去さんが弾をポケットに入れるのが見えた瞬間、光が床からわっと立ち上って、その姿の大半を隠してしまいました。


 光柱の隙間から、水去さんが笑いかけるのが見えました。


 その瞬間、オレは、思わず一歩踏み出してました。魔法陣のすぐ手前まで。


 ここでお別れなんだって、分かってしまったんです。いや、分かってたけど、それを本当に理解しなきゃいけない時が来たんだって。それで、オレは何か言わなきゃって、思って、とにかく「水去さん!」と名前を呼びました。


 驚いたように、彼はこっちを見つめています。


「あのっ、水去さん! オレ、水去さんと、もっと一緒にいたかったっす! もっといろんなこと知りたかった! 水去さん、無免ローヤーって何なんすかあああああ!」


 どうしてこんなこと叫んだんだろうと、その時も思ったし、それ以上に不思議なのは、何故か、涙が出て、止まらなかったんです。泣いちゃうなんて、子供みたいで恥ずかしいじゃないですか。


 でも水去さんは、優しく微笑んでから、見得を切るみたいに口を開きました。


 そうしてこう答えました。


「ああ、そういえば、説明してなかったな。えー、ごほん、じゃあ自己紹介するね。俺は、水去律。またの名を、無免ローヤー! 一介の法科大学院生が変身して、七兜山で怪人と戦う、無免許の法律戦士だ。法に代わって、救済する! そんな感じのヒーローだよ」


 そんな説明じゃ、全然分かりません。


「何なんすかそれええええ! 全然分かんないっすうううう!」


「世界を救って、戻ってきたら七兜山においで! 歓迎するよ! 俺は待ってるから、絶対、帰って来るんだよ! ユウキ君、約束だ!」


「約束するっすうううううう! さようならああああああ!」


「日本法は、きっと君の傍にある! また会おうね! 幸運を祈っているよ!」


 魔法陣が眩しいくらいに輝いて、光が水去さんの姿を消してしまって、何も見えなくなりました。いつの間にか、水去さんの姿は、どこにもなくなってしまってたんです。


 オレは、また、ちょっとだけ泣きました。


 だけど、勇者として戦う責務を知ったから、もうこれ以上、涙は流さないつもりです。


 〇


「はい、動かすっすよー。安全確認大丈夫っすね? いきまーす」


 水去さんがいなくなった後、オレは壊された聖殿の後片付けをしてました。崩れ残った壁に、不安定に寄りかかった石柱を、勇者の力で完全に押して倒して、砕いていく仕事。戦って終わりじゃなかったんです。勇者の仕事っていろいろあるんすね、ホント。


 それで、やっと一段落もついて、端の方でオレが一人座って休んでた時、ちょっとだけ嬉しい出来事がありました。王様がとことこ歩いてきて、こんなことを言うんです。


「そういえば勇者様、戦闘を経て、ステータスが変動してるのではありませんかな?」


 ステータス? あの水去さんの数値がめっちゃ低かったやつっすか。うーん……


「ああ、確かになんか聞こえたっすね。どうやって確認するんすか?」


「ステータスオープンと唱えることです」


「っす! ステータスオープン!」


 すると、オレの目の前に、あの画面みたいなのが出現します。



 名 前: 神代鳳凰院ユウキ

 年 齢: 14歳

 属 性: 神火・聖天・創世

 レベル: 2

 H P: 134/180

 M P: 1117/6300

   力: 370

   速: 490

   覚: 290

   気: 680

   運: ???

 スキル: 勇者の力・選ばれし者の光・????

 称 号: 異界の勇者・覇を打ち砕く者・超常の体現者・??・????・??

 祝 福: 運命神の加護・???????の息吹・???????・?????

      NEW!――無免ローヤーの加護



「おお! レベルアッポウしておられる!」

 

 国王がヘンテコな発音をしました。そういや、なんで言葉が通じるんすかね? まあ、それはよくて、重要なのは……


「あの、この祝福って――」


「むめんろーやー……あの仮面騎士様のものですかな?」


「水去さん……!」


 オレは藍の転送玉を懐から取り出して、しっかり握りしめました。開けた空は、遥か遠くまで、どこまでもどこまでも広がっています。


「水去さん、オレ、頑張るっすよ……頑張って強くなって、それで、世界を救ったら、地球に戻って、会いに行きます。そしたら、無免ローヤーが何なのか、ちゃんと説明してもらいますからね! 絶対、絶対っす! 絶対っすよおおおおお!」


 聞こえるはずもないのに、オレは思い切り叫んで、思い切り笑いました。周りから奇異の目で見られたけど、いいんです。オレは勇者として生きて、必ず生きて帰るって、誓ったから!


 それにあの時、紅く染まった不思議な空で、一つの星がキラリと光ったんです。


 〇



拝啓 

 水去さん、オレは魔王を倒す旅に出ました。レベルはいくつも上がったけど、まだまだ冒険の途中。辛いことや嫌なことや、傷ついたり、死にそうになったり、そんなにうまくはいきません。異世界行っても苦しいですね。

 だけど、何となく、心の底では、大丈夫って思えてます。

 だって、オレは、一人じゃないから。本当に困った時、水去さんの加護が助けてくれるんです。アレは、本当に役に立ってます。ありがとうございます。

 水去さん……あなたがオレと一緒にこっちの世界に飛ばされたのは、きっと、運命の導きというか、とても大事なことだったんだと思ってます。多分、水去さんがいなきゃ、オレ、あの場で死んでました。戦力的にもそうだし、何よりあなたは、心の支えだったんです。本当に、オレの、ヒーローだったんですよ。きっと今も、向こうであなたも戦ってるんでしょうね。えーと、ローカルヒーロー……? の、無免ローヤーとして。

 ああそうだ、オレ、ちゃんと寝て、ちゃんと食べて、寿命を削る技は使わないようしています。安心してください。本当に、ちゃんとやってるっすよ! 真っ当に生きてます! ええ! ぜひお見せしたいくらいっす!

 いつか、この転送玉を使いたくなる日が来るかもしれないけれど、そっちにはそっちの戦いがあるだろうから、できる限り使わないでいようと、オレは決心しました。でも、魔王を倒して、役目を終えたら、必ず七兜山に行きます。親父とかには会いたくもないけど、そんなオレに帰る理由を、くれたんですよね。だから、その時は、美味しいお店にでも連れてってください。で、人生の先輩として奢ってください。それからちゃんと、無免ローヤーが何なのか、説明してもらいますからね!

 頑張ります。頑張ってください。

 また、お会いしましょう。          敬具



 最後までお読みくださり、ありがとうございました。同じ出来事を謎の仮面騎士:水去の側から描いた「七兜山無免ローヤー ~変身! 法に代わって、救済する!~」の、番外編「巻き込まれて異世界召喚されたけど無法な場所だったので勝手に戦います~法科大学院生の俺が法律知識で活躍して超絶優良最強勇者をリードしちゃった件~(おいおい)」も投稿しておりますので、もしよければ、読んでってください。

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