ゆいこのトライアングルレッスンD〜たくみと幸せの鐘〜
『ゆいこのトライアングルレッスンD』に投稿したものです!
毎日レッスン!最終日!!
「なぁ、ゆいこ。ちょっと付き合ってくれない?」
「つ、付き合う!?」
「そっ、1日だけ、俺とデートしてくれない?」
「へっ……!?」
たくみの言葉に、わたしは耳を疑った。
「デッ、デート!? デートってそのぉ、恋人がする……アレのこと!?」
「まぁ、正確には恋人のふりをして、1日デートに付き合ってほしい」
動揺するわたしをよそに、たくみは冷静だった。
たくみがモテるのは知っている。
女の子が放っておくわけもなく、沢山告白されているようだ。でも、彼女ができたという話は今のところ聞いていない。
「なんで、わたしとデート……?」
「いや〜、告白されて振ってって、お互いキツイじゃん? だから、恋人がいるってところを見せて諦めさせる大作戦!」
たくみは、女の子達を傷つけないために、わたしとデートがしたいのね……。
複雑なはずなのに、たくみとデートできることに、わたしの心はどこか踊っていた。
「手、繋ぐの!?」
「当たり前だろ? 恋人なんだから!」
わたし達は、手を繋ぎ、街中へと繰り出した。
映画を見たあと、ショッピングをしたり、食べ歩きをしたり、いわゆるデートというものを満喫した。
いつも、ひろしとたくみの3人でいることが多かったわたしにとって、たくみと2人だけの時間は新鮮だった。
「ゆいこ、アイスどっちの味食べたい?」
「うーん、迷うなぁ?」
「分かった。なら、両方食べよう。はい、ゆいこ、あ〜ん」
「ちょっと、たくみ!!」
たくみと恋人になれたら、こんな感じなのかな……?
いやいや、何考えてるの、わたし!
あくまでもこれは恋人のふりであって、たくみはわたしのことなんて好きじゃない……。
たくみが好きな人って、誰?
こんなに一緒にいるのに、これだけをずっと聞けずにいる。
この答えを知ってしまったら、今の関係が全て壊れてしまう気がするからだ。
「ゆいこ、見て! 幸せの鐘があるよ!」
「ホントだ! これって、鳴らすと二人の愛が永遠に続くっていう……」
たくみは、スッとわたしの手の上に自分の手を重ね、そのまま鐘を鳴らした。
辺りに幸せの鐘の音が鳴り響く。
ねえ、どうして恋人のふりなの?
このまま、本当の恋人にはなれないの?
わたしはそう願ってしまった……。
× × ×
あの日、ゆいこは俺を意識しただろうか……。
「たくみ、お前、この前ゆいこと2人でいたろ?」
「あれ? もしや、ひろしに見られてた?」
「お前らって、そのぉ……付き合ってるのか?」
「そう見えるなら、そうなんじゃない?」
俺は、ひろしに一発お見舞いしてやった。
4日間、レッスンにお付き合いくださいまして、ありがとうございました!!
レッスンは本日でおしまい( ´ ▽ ` )ノ
ですが…
ただいま、リレーで繋ぐ『ゆいこのトライアングルレッスンDスピンオフ』なるものを現在執筆中!?
Dの可能性を深く追求した特別編!
しばし、お待ちを?