一話 死亡
どうも、鍼鼠です。連載が続くかどうかわかりませんが、暖かく見守ってくれるよ〜という方はぜひ評価の方お願いします。
大学を卒業してから5年。
就職先が見つからず、ずるずるとニート生活を続けてしまっている。
なんとかしなければ。
という考えはあるもののなかなかやる気がでないのが実情だ。
「いってきまーす」
と一応母に挨拶をして、家から出る。
ニートをしているのに、家で何もしないだけでは居心地が悪いという理由で最近家事を初めてみた。
今からその家事の一つとして、夕飯の材料を買いに最寄りのスーパーに買い物に行くところなのだ。
少し開けた通りに出た。
横断歩道を渡ればスーパーマーケット。
信号が青になったのを確認して俺は横断歩道を渡り始める。
確かに青になった筈なのだ。
確かに信号機は青に。
詰まり車側の信号機は赤になっている筈。
では、なぜ?
なぜ、車がこちら側に走ってきている?
俺が見間違えたのか?
もう一度信号機を確認する。
青。
まごうことなき青。
ドンッ。
俺の理解が追いつかないまま、俺の身体は空に舞った。
すぐ右側の車は一瞬動きを止めたが。
再び逃げるように動き出す。
俺の身体を引きずりながら。
そうか、車に撥ねられたんだ。
ようやく理解が追いついた。
俺を引いた車はもうだいぶ遠くへ行ってしまった。
「大丈夫ですか?!!」
少し焦りながら若い男が横たわる俺の方に駆けつけてきた。
「ひき逃げ!?何、110番?119番?」
だいぶパニックになっているようだ。
大丈夫ですよ。と言おうとして口を開ける。
がその口から溢れたのは弱々しい吐息だけ。
ああ、頭が働かなくなってきた。
このまま死んでしまうのだろうか。
こんなところで。
まだ彼女もできたこと無かったのに。
ああ、まだやり残したことがたくさん。
今日だけでも母親と晩御飯を食べたかった。
別れの挨拶をしたかった。
どんどん意識が遠くなる。
そこで俺の人生は一度終わりを迎えた。
《強い生きる意志を確認。個体名・小林 彰の転生に挑戦………成功。続けて転生之贈物として能力・魂食を獲得に挑戦………成功。転生之儀式を開始します。》
次話も頑張って書きます。