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聖女と村娘の異世界旅行記  作者: 柘榴
旅立ちまで
1/2

1 誕生日 1

異世界系がどうしても書きたくて投稿してみました。

よくある展開だらけになるかもしれませんが、寛大な心で許していただければ幸いです。

今思うと、全ての始まりはその日――私の17歳の誕生日だったのだと思う。



                 **************************



まさに快晴というべき、雲1つない青い空が広がっている。

優しい春の陽射しと暖かな風が心地よい今日、私は17歳を迎えた。


「おめでとう、クララ。」

「おめでとう。ついにクララも17歳だね。」

「もうそんな歳なのね。本当におめでとう。」


村の皆が口々に私の誕生日を祝ってくれる。

私は60人余りしかいない小さな村に住んでいるため、誰かが誕生日を迎えるとこうして村で誕生日パーティーを開くのだ。


「クララももう17歳か…。これでまだ16歳なのは私だけになっちゃったね。」

「大丈夫だって。シルもあと2ヶ月もしないうちに17歳になれるからさ。」


皆にお礼を言っていると、幼馴染みのシルヴィアとミランダがやってきた。

私たちはお互いに、ララ、シル、ミラと呼びあっている。


「おめでとう。ララ。」

「本当におめでとう。」

「ありがとう。全員17歳になったら、今度3人旅行に行こうね。」

「うう、私も早く17歳になりたい…。」

「あと2ヶ月の辛抱なんだから頑張って。」

「そうなんだけど。2ヶ月が長いよ…。」


2人とは共に育ってきたため、気の知れない仲だ。

旅行に行こうという約束は、何と私たちが5歳の頃からしていた。


「そうだララ、10分くらい家に入っておいてくれない?私たちからのサプライズがあるんだ。」

「…シル、もうすでにサプライズじゃなくなっちゃってるよ…。」

「はっ!ごめんララ、今のは聞かなかったことにして!」

「もう、なにやってんのよ、ほんと。」

「あはは、まあ聞かなかったことにしておくよ。じゃあいったん家に帰るね。またあとで!」

「ほんとごめんね、またあとで!」

「私かシルが呼びに行くから待っててね!」


シルのうっかりに苦笑しながらも、2人に別れを告げて、私は家へと向かった。



                 **************************



家に着き、ソファに座っていると、さっきの話題が頭をよぎった。

「旅行に行こう」とはずっと前から言っていたが、まだ具体的な話はしていない。


行くならどこがいいのだろうか。

やはり、流行の発信地、王都だろうか。おしゃれ好きなシルは喜びそうだ。

海に行くのもいいかもしれない。ミラは運動が好きだから行きたいと言うだろう。

私は……ああそうだ、一度"パリ"の"エッフェル塔"を見てみたいと思っていたのだった。

いやしかし、"イースター島"にある"モアイ像"に惹かれていたのも確かだ。

はたまた、やはり国内の観光名所、"京都"だろうか。

なかなかに難しい問題だ。



…………私は今、何を考えていた?


"パリ"?"イースター島"?"京都"?

それは何だ?どこで知った?



「何だ」といわれても、"パリ"は"フランス"の首都で、"イースター島"は"大西洋"に浮かぶ島、

"京都"は"日本"の都市に決まっている。

「どこで」も何も、それは常識だ。

少なくとも"日本人"なら、自分の国の都市くらいは知っているだろう。



いやちょっと待て、それは常識ではないだろう。

王都は知らんが、少なくともこの村の常識ではない。

それに"日本人"って何だ、そもそも私はそんなものではない。



突如湧き出てきた、どこで仕入れたのか分からない情報と、私の今持っている知識が反発する。

頭を思いっきり揺さぶられつつ金槌(かなづち)で殴られるような、気持ち悪さと頭の痛みが混ざり合った感覚が襲ってきて、思わずソファに倒れ込んだ。

だんだん目の前が闇に包まれていく。

これ、呼びに来る前に起きられるかな、ちょっと難しいかもしれない、心配させないように少し寝る(むね)の書き置きを残しておこうかな…。

そこまで考えて私は意識を失った。

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