1 誕生日 1
異世界系がどうしても書きたくて投稿してみました。
よくある展開だらけになるかもしれませんが、寛大な心で許していただければ幸いです。
今思うと、全ての始まりはその日――私の17歳の誕生日だったのだと思う。
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まさに快晴というべき、雲1つない青い空が広がっている。
優しい春の陽射しと暖かな風が心地よい今日、私は17歳を迎えた。
「おめでとう、クララ。」
「おめでとう。ついにクララも17歳だね。」
「もうそんな歳なのね。本当におめでとう。」
村の皆が口々に私の誕生日を祝ってくれる。
私は60人余りしかいない小さな村に住んでいるため、誰かが誕生日を迎えるとこうして村で誕生日パーティーを開くのだ。
「クララももう17歳か…。これでまだ16歳なのは私だけになっちゃったね。」
「大丈夫だって。シルもあと2ヶ月もしないうちに17歳になれるからさ。」
皆にお礼を言っていると、幼馴染みのシルヴィアとミランダがやってきた。
私たちはお互いに、ララ、シル、ミラと呼びあっている。
「おめでとう。ララ。」
「本当におめでとう。」
「ありがとう。全員17歳になったら、今度3人旅行に行こうね。」
「うう、私も早く17歳になりたい…。」
「あと2ヶ月の辛抱なんだから頑張って。」
「そうなんだけど。2ヶ月が長いよ…。」
2人とは共に育ってきたため、気の知れない仲だ。
旅行に行こうという約束は、何と私たちが5歳の頃からしていた。
「そうだララ、10分くらい家に入っておいてくれない?私たちからのサプライズがあるんだ。」
「…シル、もうすでにサプライズじゃなくなっちゃってるよ…。」
「はっ!ごめんララ、今のは聞かなかったことにして!」
「もう、なにやってんのよ、ほんと。」
「あはは、まあ聞かなかったことにしておくよ。じゃあいったん家に帰るね。またあとで!」
「ほんとごめんね、またあとで!」
「私かシルが呼びに行くから待っててね!」
シルのうっかりに苦笑しながらも、2人に別れを告げて、私は家へと向かった。
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家に着き、ソファに座っていると、さっきの話題が頭をよぎった。
「旅行に行こう」とはずっと前から言っていたが、まだ具体的な話はしていない。
行くならどこがいいのだろうか。
やはり、流行の発信地、王都だろうか。おしゃれ好きなシルは喜びそうだ。
海に行くのもいいかもしれない。ミラは運動が好きだから行きたいと言うだろう。
私は……ああそうだ、一度"パリ"の"エッフェル塔"を見てみたいと思っていたのだった。
いやしかし、"イースター島"にある"モアイ像"に惹かれていたのも確かだ。
はたまた、やはり国内の観光名所、"京都"だろうか。
なかなかに難しい問題だ。
…………私は今、何を考えていた?
"パリ"?"イースター島"?"京都"?
それは何だ?どこで知った?
「何だ」といわれても、"パリ"は"フランス"の首都で、"イースター島"は"大西洋"に浮かぶ島、
"京都"は"日本"の都市に決まっている。
「どこで」も何も、それは常識だ。
少なくとも"日本人"なら、自分の国の都市くらいは知っているだろう。
いやちょっと待て、それは常識ではないだろう。
王都は知らんが、少なくともこの村の常識ではない。
それに"日本人"って何だ、そもそも私はそんなものではない。
突如湧き出てきた、どこで仕入れたのか分からない情報と、私の今持っている知識が反発する。
頭を思いっきり揺さぶられつつ金槌で殴られるような、気持ち悪さと頭の痛みが混ざり合った感覚が襲ってきて、思わずソファに倒れ込んだ。
だんだん目の前が闇に包まれていく。
これ、呼びに来る前に起きられるかな、ちょっと難しいかもしれない、心配させないように少し寝る旨の書き置きを残しておこうかな…。
そこまで考えて私は意識を失った。