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巫女 プロローグ1
巫女は神様のお嫁さんとは昔からよく言ったもの。
幼いころにそんな話を聞いて、神様が本当にいるのか半信半疑だった。
『神様おねがい。助けて……』
子供ながらにこれで願いが叶わないなら、神は存在しないと思いながら祈った。
『幼子、なぜ願う?』
『パパとママがりこんしちゃうの!』
そう言ってから何かが切れたように涙が溢れて、そのまま大声で泣きじゃくった。
『……願いを叶えてやろうか?』
『神様は小さい子が好きで神かくしするってきいたよ』
今にして思えば、それらは誘拐事件の暗喩でもあったりするのだろう。
『するならとっくにしているだろう』
『そうだね』
そのあとのことはあまり覚えていない。でも、たった一つ覚えていることがある。
『16になるまで良い人がいなかったら……また神社へ来い』
あれから確か、近所のお兄さんが探しに来てくれた。
『いたいた。ご両親心配してたよ!』
『 お兄ちゃん!』
その言葉の意味を知る日は近い。
「アイハは色気より食い気よね」
「そんなこと……あるかも」
朝食から2時間、早くも小腹がすいている。明日の朝はお米にしよう!
「新任の です」
「!」