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世界の縮図  作者: 滝革患
2/14

鬱金花の記憶 1



(ここはどこ?)


少女は平地で目覚め、辺りを見渡す。所謂、記憶喪失と自覚するのに時間はかからなかった。

幸いにも名前は覚えている。


(ここでとどまっても、何も解決しない。先に進もう)


少女は決意するも、束の間でその場に膝を折る。空腹でめまいに襲われ、再び意識をなくすのだった。




<村を出よと天からの啓示。昨夜の海は荒れていたのに船は出せるか?>


青年は嵐に晒されていた船の様子を見に行くと、倒れた少女を見つける。


「お嬢さん、大丈夫ですか!?」


<とりあえず運ぼう>



「う……」

「気がつきました?」


目をゆっくり開き、シバシバとする感じに耐えられず軽くこする。

薄い紫の髪をした男が枕元の椅子に座っていた。



「助けて頂き、ありがとうございます!」

「たまたま、通りかかっただけですから、それと

ここは医者がいないので、家に運んでしまったんですが……」



さっき言われた通り、寂れた田舎のここには医者がいない。

だからまずは、腹ごしらえをするのだ。


「実は空腹でして、お食事処あります?」

「小さい村ですから……ないんです。リンゴでもどうぞ」


どうして倒れていたのか問われたので、コンカのは事情を彼に説明することにした。


「えっと、私の名前はコンカです。嵐で流れて記憶もなくしました」

「もしかすると啓示……」

「え?」

「いえ、こちらの話です」


今度は彼が素性を説明してくれた。名前はエン、一人暮らし。

牧師を目指しているが、教会のないこの村でうだつの上がらない生活をしている。


「一緒に旅をしませんか?」

「いいんですか?」


とにかく先へ進む目的が一致する二人は、共に旅へ出ることにした。


「まずはどこへ?」

「隣町へ行きましょう。そこなら医者がいます」


地図で隣、しかし近くにあるわけではない。


「そこのカップルさん。アクセサリーはいかが?」

「カップルじゃないです!」


「君かわいいね、俺と……」

「私の恋人がなにか?」


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