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居場所 共通1
「じゃあ仕事に行ってくるから」
「行ってらっしゃ~い!」
玄関で靴を履いて、彼が振り向く。すごく真剣な顔をしている。
「知ってる人でも、絶対ドアを開けたらだめだよ」
「わかった!」
鍵の閉まる音を聞いて、リビングへ行きテレビをつける。
誘拐事件やら放置子、片親などの問題は心が痛む。
「……通り魔が逃げてるなんて怖いな」
そんなことを呟いて差し込む日光にうとうとしていると、インターホンが鳴る。
「どちらさま?」
ドア超しに問いかける。片手には通報用に子機を持った。
「警察だ」
なぜ警察がうちに来るの?
「……」
「君は9年前に誘拐されたリリアちゃんだよね?」
誘拐なんてされてないけど、何を勘違いしているんだろう。
どうして私の名前を知ってるのかな。
私は両親がいたけど弟ばかり可愛がる人。
追い出されて従兄のアオイちゃんの家に住んでいる




