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トマスSS 君の名は………前編

長くなったので分けました

トマスはブロッケン領に入った。

ブロッケン領の関所は無くなり、開拓地フロンティア領との往来は自由に出来る用になった為である。

魔石山脈の近くの崖に来ると、持っていた花束を崖に添える。

この近くで妻が崖から飛び降りたと、死んだブロッケン領兵から聞いていたからだ。

そのブロッケン領兵は死んだ。

正確には赤鬼トマスが殴り殺した。


赤鬼トマスは妻が崖から飛び降りたと聞き、その原因を作った男の腹ワタを、素手で掴んで握り潰した、頭を押し付けて肉の塊になるまで素手で殴り付けた。


結果、両手をギプスで固定する事になった。


その時、出会った少女を養女にした。


少女の保護者の様な存在だった、若い女と再婚した。


家に帰ると出迎える2人に心が癒される。


嫁に出していた娘からも好印象で。


「私が嫁に出たら…正直、どうしようって思ってたの…」


そう言うと、血の繋がらない若い義母と義妹に。


「お父さんを…よろしくお願いします」


そう言って、2人に実家を渡すと、旦那の家に帰って行った。



崖の上で、そのことを思い出していると、一筋の煙が上がっているのに、気がついた。


峠を越えてふもとに降りると山の中に小道が続いていた。


煙の方に馬で進むと炭焼き小屋が見えた、男が1人で炭焼きの番をしていた。


「こんにちは、水を一杯いただけませんか?」


トマスがそう言うと、男も。


「こんにちは、水なら女房に用意させるわ」



そう言うと男は、小屋の中に入って行った。


トマスは外で待っている間に周りを見ると少しの畑と馬小屋があった。


家の中から男と8歳くらいの男の子が出てきた、トマスは男の子に。


「こんにちは、水を一杯、貰いに来たんだ」


そう言うと男からコップに入った水をもらうと一気に飲み干した。


それを見て男は、喉が渇いてたんだなあ。


そう言って笑うと、何処から来たのかね?


そう尋ねて来たので、開拓地フロンティア領からと答えると。


「最近、国境が解放されたらしいな、ここへは何しに?」


男にそう尋ねられてトマスは。


「この上の崖で昔…知り合いが亡くなったらしいので………花を添えに」


そうトマスが言った時、家の中から女の人が出てきた。



その女の人を見た瞬間、トマスは心臓か止まるかと思った。


その姿は10年前に崖から飛び降りたトマスの嫁、ダリアに瓜二つだった。


炭焼き小屋の男が。


「妻のリリーだ、そして子供のジョニー」



====================




トマスはそれからしばらくしてから、炭焼き小屋をおいとまして来た。


ダリアに似ていた、しかし崖から飛び降りたダリアが生きているとは思えない。


そう思いながら自分の家に着くと、家の中から12歳くらいの少女が飛び出して来た。


「お帰りなさい………お義父さん」


ためらいながらも、自分をお義父さんと呼ぶ少女に笑顔で。


「ただ今…マリー、良い子にしてたかい?」


そう言って頭を撫でると、少女は笑顔で。


「うん!…お母さんと夕飯の準備をしてたの」


トマスは馬を馬小屋に入れて、鞍を降ろすと水と飼葉を与える。


外で手を洗ってから、家に入るとローズが夕飯の支度をしていた。


「お帰りなさい…すぐ準備するわね」


そう言って夕飯をテーブルに準備する。


3人で夕飯を食べてから、夜寝ていると隣で寝ているローズが話しかけて来た。


「………崖…どうだった?…」


躊躇ためらいがちに言うローズにトマスは。


「………あ、あ…花を添えて来たよ………」


そう………そう言ってローズはトマスの方を向くと。


「私はね…奥さんの為に赤鬼になった…トマスが好きになったの」


そう言って、微笑みながら。


「だから…気にはしてなから…こらからも…たまには行って来なさい」


そう言うと、トマスの手を繋いで本格的に寝だした。



その頃、炭焼き小屋のベットで子供のジョニーとリリーは同じベットで寝ていた。


リリーは夢を見ていた、兵士に連れて行かれる自分を、男の人に羽交い締めにされながら、女の子が追いかけようとしている。


「…お母さん………行っちゃやだぁ………」


女の子は泣きながらそう言っていた、10年前に崖の下で、炭焼き小屋の男に助けられてからたまに見る夢。


子供が生まれてから、しばらく見なくなっていた夢。


その夢の中で、女の子を抱いて止めながら、涙を流している男の人。


いつもは黒いモヤがかかってわからないその顔は、今日ははっきりと見えていた。


昼間来た、水を一杯もらった男の人。


その人が女の子を抱いて、泣きながら身体を震わせている、そこまで見た時に目が覚めた。


「…母ちゃん?………」


声をした方を見ると、まだ幼い息子が泣きそうな顔で母親の顔を見ていた。


そう………まるで………自分の前から居なくなる………そんな不安な顔を見て。


「…大丈夫…母ちゃんはここに居るから…」


そう言うと子供は、安心した顔で母親の胸にすがると、寝息を立て出した。



====================




それから何年かの月日が流れた。


トマスの養女、リリーは成人した後に結婚して、子供も産まれた。


血の繋がりの無い姉妹が、共に子供を連れてトマスに、孫の顔を見せに来る。


しかし、側から見ても2人は中の良い姉妹そのものだった。


トマスは孫の世話をしながら歳を重ね、赤鬼トマスの話しは、村の年寄りしか知らない様になった。


そんな時に病院の検査にトマスが引っかかった、村の医者は町の病院に検査に行ってくれと言い、トマスは1人病院に四輪駆動ピックアップトラックで赴く。


検査入院して、そのまま検査結果を確認する為に、1人で来たトマスに出た結果を聞いて、トマスは家に帰る前に寄り道をする事にした。


久しぶりに来た崖の上には、前には無い石碑が建っていた。


四角い、墓石の様なその石碑には、一文だけ名前が彫られていた。



……………ダリア………



そう刻まれた名前を見て、トマスは頭を殴られた様なショックを受ける。


崖から飛び降りた妻の名前を見て、しばらく呆然としていると。


「………あんた…ひょっとして………トマスさん?………かい………」



トマスが振り向くと、そこには、炭焼き小屋の男が居た。

二話で終わるのか?


ヤバタン:( ; ˘◉ ω ◉`):ヤバタン

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