地下室
過激なシーンがあります
ご注意下さい
地上での抵抗はほぼ無くなっていた頃、地下に降りる階段が発見されていた。
閃光手榴弾を階段の下に投げ込んで様子を見て見ると、悲鳴が上がる。
2人でバディを組んだ開拓地領兵はUZI短機関銃を向けながら、地下室に突入した。
目を押さえながら転がり回るブロッケン領兵にUZI短機関銃を向けると指切り射撃で撃ち倒す。
改めて見るとその部屋は10メートル四方程の部屋で、拷問部屋らしく血の付いたノコギリやノミなどの大工道具や、赤々と燃える炭の中に鉄の棒が何本も刺さっていた。
中央には人が寝れるくらいの木のテーブルがあり、四方には手枷と足枷が鎖で固定されていた。
その部屋を取り囲む用にドアが無数にあり、ドアの上と下に小窓が付けられていた。
中を覗き込むと年貢の代わりに拘束された娘達や、拷問されたのか床に倒れている男達が見える。
「全員一旦拘束させてもらう、身元が明らかになったら解放されるから、大人しくする様に」
そう言うと1人ずつ簡易手錠で両手を拘束してから地上へ誘導する。
倒れている男達は同じく拘束してから担架で運ばれた。
手足の指が欠損していたり、背中に火傷を負ったりしている男達を見て、顔を強張らせながら。
「………酷いことしやがる…」
そう言いながら地上に運ぶ。
運ばれて来た人達を見ながらインクブは。
「地下の安全確認が終わったら報告しろ」
そう兵士に命じるとイザベラに。
「安全確認が出来たら変態候を地下室ツアーにご招待するが…参加するか?」
イザベラは顔を強張られながら、ユリアナはニコニコした良い笑顔で頷いた。
地下の拷問部屋に気絶している変態候を運ぶとテーブルに仰向けに寝かせて手足を鎖で固定する。
インクブは黒いエプロンをして準備させた、まな板と包丁を持つと変態候の見える位置に置くと、井戸から運ばせた水の入った桶から柄杓に水を汲むと変態候の顔にぶちまけた。
いきなり冷たい物が顔に掛けられた変態候は飛び起きると。
「…ここは………ど、何処だ?!!」
いきなりそう喚きだすと起きようとするが手足が固定されている事に気付くと悲鳴をあげた。
そしてさらに拷問部屋だとわかると、さらに悲鳴を上げると。
「き…貴様ら、直ぐにコレを外せ………」
後悔するぞと脅す変態にインクブが
「ご機嫌、如何ですかな侯爵殿?」
そう言うと手に持った包丁をカールの目の前に出すと、変態候が悲鳴を上げる。
「…ルールを説明しよう、質問に答えない、または嘘をつく度に身体から肉を切り取る」
包丁から目を離せない変態候にそう言うと、インクブは火に掛けられた鍋を指差して。
「切った肉は料理して食わせてやろう、拒んだら歯を全て抜いてから、無理やり口に押し込む」
熱いままな、そう言って凄みのある笑顔で言うと。
「まず、捕らえた女達は何処に送っていた?」
そうインクブが聴くと変態候は。
「…な、何の話だ?………」
そう言った瞬間にインクブの包丁が、変態候の右手の小指を切断した。
「…ガッ!…ガァッ?…き!貴様あぁ…」
そう言う変態候の言う事なぞ、何処吹く風とばかりに、切り飛ばした指を熱く煮えている鍋に放り込んだ。
インクブは包丁をカールに突きつけると。
「手の指の次は、足の指だ…その次は耳で、その後は…目玉にするか?………ああ!鼻もあるか?」
そう言った瞬間に変態候はベラベラと、喋り出した。
全てを喋った後にインクブは控えていた衛生兵に手当てをさせると。
「こいつはこのまま置いておけ、食事も便所も無しだ」
冷たい声で、そう言うと地上へ向けて歩き出した。
その日の晩、インクブは将校用の野営テントの簡易式の折りたたみベッドの中で、眠れない夜を過ごしていた。
ベットの中で下着だけで毛布を被っていると、テントの外に人の気配を感じた。
枕元に置いてあった護身用のS&Wの44マグナムM29の6インチを取り出すと、外に向ける。
「…誰だ?」
そう言うと若い女の声で
「ユリアナや…入ってええか?…」
そう言うとユリアナが上下トレーナーの姿で入って来た、手には缶ビールが2つあり。
「寝られへんのやろ?」
そう言うとビールをインクブに渡して自分も飲み出した。
「………なんで…わかった?」
そうインクブが言うとユリアナは
「…見てればわかるがな………惚れた男がやりたくない事を仕事でしてる事くらい」
ユリアナからそう聴きながら、ビールを飲むと。
「そうか…女達な………子供産んだ事のある女を優先的に選んでたそうだ………」
それを聞いてユリアナが眉間に皺を寄せると
「それ………帝国からの注文か?………」
そう言うとインクブは。
「…あ、あ…買ったは良いが子供が埋めないと話にならんと言われただと……」
そう言うとビールを一気に煽って缶を握り潰しながら。
「…残された子供の事なんぞ………考えもしなかったんだろう………赤鬼の所だって…まだ…母親が恋しい歳だろうに………」
そう吐き出す様に言うインクブを見て、ユリアナは。
「………子供…好きなんだ…」
そう言うと笑顔で。
「良かったわぁ!…子供…嫌いやったら、どうしようかと思ってたわ」
そう言うとビールを飲み干してから、トレーナーの上下を脱ぐと、下着だけで毛布の中に入って来た、インクブはそれを見て。
「…おい、おい…俺の気持ちは?」
そう言うとユリアナはインクブの口に人差し指を立てながら塞ぐと。
「…私な…アンタの子供が欲しい…身体が大きくて…丈夫で…でも………気持ちの優しい…アンタみたいな」
そう言うとユリアナは自分の口で、インクブの口を塞ぐと。
「ウチな…一生…アンタの事…好きになる………せやからウチを…一生抱いて…」
他に女を作っても良いけど、一生抱いていてくれ、そう言うユリアナにインクブは。
「…浮気公認かよ…」
そう言うとユリアナが。
「…アンタみたいな良い男…他の女がほっとくかいな…でもな…最後にはウチの所に絶対に帰ってくる…ウチが…そうしてみせるさかい」
そう言うとユリアナは、インクブの頭を抱き締めて。
「…アンタが疲れて帰って来たら…ウチが全部…受け止めるから…」
その日、ユリアナは自分のテントには帰らなかった。
そして翌日、歩きづらそうに歩くユリアナを見てイザベラがインクブに。
「…本人同士の話だけど…結婚してやってくれんか?」
そう言うとインクブはイザベラに。
「…俺の方が一生面倒を見るって…言われた方なんだが?………まあしかし…法整備が済むまでは内縁だが…女房だと思ってる」
そう言うとイザベラはホッとした顔をした、それを見てインクブが。
「…お前それより…自分の事を何とかしろ…
アルフレッド候との事を…」
そう言われてイザベラが動揺しながら。
「…!…な、何の話かな?…」
そう言うとその場を逃げ出した。
その後、変態候は王都に送られてて、国王から直接処分を言い渡されると化石山脈の僧院送りになった。
アルフレッド領は王国直轄領となり、その総責任者にイザベラが付くと隣領の開拓地領から企業の調査チームや畑の改革の為の調査団が送り込まれ、実質的に領境は交通の自由が約束された。
王都から開拓地への街道も整備され、工事の需要だけでもそこそこ潤う事になる。
インクブとユリアナは法整備が済んで法律が変わり〈地球〉と〈開拓地〉との人種間で結婚の許可が出ると晴れて夫婦となった。
インクブは浮気する事など無く、周りを驚かせるとユリアナとの間に四男ニ女を授かり、二度周りを驚かせる。
その内の1人はユリアナの生家を継いで騎士になった。
アルフレッド領の西に、猛牛の様な騎士の英雄譚が生まれるのは。
まだ先の話である。
次は
トマスSS
のお話です




