バレットM82
バレットM82
12・7ミリ、50口径のこの弾薬は、第二次世界対戦では米軍の戦闘機に搭載された。
鋼鉄で出来た戦闘機を撃ち落とす、その威力は日本でも当時の米軍戦闘機、サンダーボルトから打ち出された弾が鉄橋に穴を開け。
今なお、神戸などに残され保存されている。
バレットM82、対物ライフルはその12・7ミリの弾をマガジンに10発装着し、セミオートで発射出来る。
その膨大なエネルギーは発射された後、マズルブレーキとショート・リコイルする銃身が射出にかかるエネルギーを拡散し、ショットガン並みに抑えてはいるが。
周りに拡散するエネルギーが、周りの空気を巻き込み、土埃などで射出の視界を奪う。
その為に、発射するごとに視界がクリアーになるまで待たねばならない。
あくまでも対物で、対人に使用すれば、跡が残らない。
そう言われている。
バレットM82対物ライフルの性能テストを兼ねて、外で試し撃ちすることになった。
監督に相談して現在、制作している要塞の、外壁に使われているコンクリートブロックを1枚、ユニック付きトラックに運んでもらって、川を背に配置してもらう。
そこから800メートル離れた場所に、耐水シートを広げて土嚢を積む。
対物ライフルの二脚を広げると土嚢の上に固定して、スコープを調整する。
ユリアナの情報に寄ると扉の高さは8メートル、横幅は6メートルあるらしい。
その大きさでコンクリートブロックには黄色いペンキが塗ってあった。
側にいる観測員のアイリーンに距離を聞くと、アイリーンは覗いている双眼鏡のレーザー測定器で、正確な距離を伝える。
「823メートル」
かばはそれを聞くと800メートルで調整しているスコープの十字線の位置から、少し上目に調整する。
土嚢の上に二脚を据えて、胡座をかいた状態で身体を安定させると、初弾を薬室に入れた状態の対物ライフルの安全装置を右手の親指で横から上に切り替える。
これで発射状態になった、左手はストックを抑えてながら、右手の人差し指を引き金に掛けて、少しずつ絞る様に握り込む。
(朝霜が降りる様に、ゆっくりとだ)
オレゴンのダニーの農場の裏で、習った言葉が脳裏をよぎる。
引き金の感触が硬くなる所でゆっくりと、絞り込んだ。
………突然…ゴウンと発砲音が周りに響くと、すぐさま衝撃波で周りの土埃が、フワリと舞い上がる。
埃が落ち着くと、アイリーンが着弾点を教えてきた。
「中央より、やや斜め右上に着弾、誤差修正、左に1下に2」
スコープの十字線を、さっき寄り少し左にズラす、そのまま次弾を発射する。
………ゴウン!と再び轟音がすると土埃が舞う、収まると観測員から修正が入る。
「中央は誤差ゼロ、そのまま下に2」
十字線の位置を先程より下に修正すると、次弾を発射する。
発砲音の後に観測員から報告が入る。
「誤差修正ゼロ、そのままで良し」
かばは残りの8発を次々と撃ち出した。
マクマザーン、ボーヴァンことグッド、インクブ、イザベラ、ユリアナ、そしてこの場を用意した監督は撤収作業の為にその場に残っていて、離れた位置からその姿を見ていた、
双眼鏡を覗いていたグッドが、軽く口笛を吹くと。
「修正が2発でゼロ点………良い腕だ」
マクマザーンも双眼鏡を見ながら。
「中央に集弾しているのは良いんだが………ちと扉の破砕には厳しいか?」
インクブも双眼鏡を見ながら
「後で、破砕用の重機で突っ込むにしても………時間は掛かりそうだな………」
それを見ながら、残りの3人は轟音で耳がキーンとなり、衝撃波で身を震わせていた。
「…耳が痛い…」
「………土埃が目に入ったぁ!痛いわぁ、目が、目ガァ!!」
「………あの人…日本人だろ?…元自衛隊?」
対物でマガジンに入っていた10発を立ち尽くすと、かばは一旦射撃を終わらせて、アイリーンに。
「穴は空いたか?」
そう聞くと、アイリーンが
「バッチリ!…向こう側が見えてるわ!」
そう言ってサムズアップして来た




