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帝国の足音

王都の談話室の中。


インクブはDVD再生機を使って、国王の前でヨーロッパの歴史、近代編と書かれたDVDを再生し出した。


「今から約80年前、洞窟の向こうの異世界(地球)で戦争がありました、第二次世界大戦(WW2)と呼ばれた戦争です。


広場で鉤十字の旗の下で、背中の小さいちょび髭の男が兵士の前で演説をしていた。


「ドイツと我々が呼んでいた国で、当時ヒトラーと言われた男がドイツ軍の総統となり、世界を相手にする戦争を起こしました」


無限軌道キャタピラ付きのハーフトラックが兵士を満載して走る、そして空から爆弾が落ちてきて、街を破壊していく。


「ドイツは当時、電撃戦と呼ばれる戦いで、勢力を広げていきました。

空から爆弾や大砲と呼ばれる兵器で街を破壊してから、兵士が街に進軍します」


平地でズラリと並んだ高射砲が弾を発射している、兵士達はまるで流れ作業の用に、弾を補充しては発射する。


「彼らはアーリア人種を優秀な人種だと主張し、逆にユダヤ人種を劣等人種だと主張し迫害しました」


街に進軍した兵士達は市民を捕縛すると、ある一定の人達だけ別にした。


「そしてユダヤ人達は、纏められ列車に乗せられ、収容所アウシュビッツと呼ばれた施設に送られます」


列車に乗せられた人達が降ろされ、有刺鉄線に囲まれた施設に連れて行かれた。


「食事もロクに取れない施設に閉じ込められた彼らは大半が亡くなりました」


収容所を、連合国の兵士が助け出すが、ほとんど骨と皮になるほど痩せこけていた。


「砂漠の向こうの帝国の武装は、機関銃、無限軌道キャタピラ付きのハーフトラック、そして戦車タンク


戦車が平原を爆速すると、止まって砲撃をし出した。


「特に戦車タンクは厄介です、現在の我々、開拓地フロンティア領軍の武装では勝てません」


それを聞いてDVD見入っていた国王が、インクブの方を見ると、眼を見開いて問い質した。


「………勝てない?………そなた達でも勝てんのか!!」


インクブは国王を見ると。


「今はです、方法はあります」


インクブは対戦車ハインドヘリと言う武器が異世界(地球)にあり購入したいが資金カネが無いと言い


「そこで陛下にご相談があります、ブロッケン領の開発を異世界(地球)の企業と呼ばれる会社に任せて鉱石レアメタル薬草プラントを売って資金カネに変えます」


インクブは既に開拓地フロンティアではそれで成功し、畑も拡張して余った食料を異世界(地球)に売っている状態だと話した。


それを聞いて国王が。


「その食料なんだがな、王国こちらに回して欲しい、対価は払う」


国王は不作で食料が足りないと言い、インクブに食料の支援を頼んだ。


「わかりました閣下、開拓地フロンティアに持ち帰らせて頂きます、食料支援とブロッケン領への進軍、しかとインクブが拝命したします」


インクブはそう言うと書面での命令書が欲しいと言い、国王は直ぐに書簡を作らせると、王の刻印を蝋で押す。


インクブにそれを渡すと、インクブは国王に敬礼し。


「急ぎ開拓地フロンティアへ帰還致します陛下」


そう言うと国王が。


「イザベラを連れて行くがよい、イザベラ、全てをその目で確認し、事が済んだら報告を」


そう言うとイザベラの方を見る、イザベラはそれを聞くと、国王に敬礼し。


「は、陛下…全てをこの目で確認してまいります」


そう言うとインクブと共に部屋を出て行った。


国王はその後、深いため息を着くと。


「百年前と言い、今回と言い、よくよくこの国は流れ人に縁があるわい」


そう言うと、酒を持って参れ…身体が持たん、そう言うと部屋の壁に飾ってある一枚の絵画に眼を向けた。


そこには黒目、黒髪の男性が書かれていた、東洋系の顔立ちで肌も黄色くまるで…そう…


日本人の用に見えた。


王城を出たインクブとイザベラは兵舎に行くと旅の支度を整えて、次の日の朝から開拓地フロンティアを目指す。


「着いたら直ぐに会議だ、ブロッケン領を落とすぞ」


インクブがそう言うのを聞いて、イザベラは身体が高揚するのを感じていた。



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