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王都

王都までの道のりは車で3日、インクブとその部下数名とイザベラ達は数台の四輪駆動ピックアップに分乗して王都を目指す。


急ぎの旅だったので食事は毎回軍用レーション、夜は個人の簡易テントで寝起きした。


水を入れるだけで温まる、軍用レーションに感動したり、放り投げるだけで開いて自立する簡易テントに驚いたりしながら、3日目には王都に着いていた。


イザベラの顔で軍の宿舎に部屋を取ると、王城に使いを出す、明日の午前中に登城するようにと使者が来たのはすぐだった。


「明日の午前中に登城する、すまんが同席してくれ」


そうイザベラはインクブに言うとインクブは。


「武器は?拳銃ならわからんから持って行っていいだろう?」


丸腰は落ち着かない、そうインクブが言うとイザベラが


「貴公を信用するから許すが………撃つなよ?………」


そう、釘を刺して出て行った。


翌朝、朝食を済ませてから登城する。

話は通してあるらしく、すぐに控えの間に通された。


控えの間とは言え、20人から座れるだけのソファーやテーブルがあり、先に着くとお茶が出てきた、しばらく待つと使者が来てそのまま待つように言われ、しばらくすると王と側近の数名が入って来た。


イザベラと共に慌てて席を立つ、それを見て王は。


「良い良い、ここは謁見の間では無い」


そう言うとインクブ達の前の席に座ると。


「お主達も座れ、特にお主は背が高いから、首が疲れる」


そう言うとカラカラと笑った、王は意外な事に白人種にしては、背が低く髪の色も黒かった、50代くらいの歳で目も黒い。


「お初にお目に掛かります、閣下」


そう言ってインクブは深々と礼をすると。


開拓地フロンティア領軍、軍事顧問、インクブと申します」


そう言ってから、失礼致します、と断ってから席に着く、イザベラもそれに習って席に着いた。


王はインクブを見て。


「お主…流れ人かの?」


そう言ってインクブをマジマジと見た、インクブは。


「この世界以外の異世界人と言う意味ならその通りです、閣下」


そして一拍置いてから。


「しかし、魔石山脈の霧に運ばれた者ではありません、現在開拓地フロンティアの洞窟と異世界(地球)は繋がっており、往来が自由だからです」


王はその言葉を聞くと、目の光が鋭くなり。


「説明せよ、始まりから全てだ」


そうインクブに言った。


インクブは地震の日から繋がったこと、アルフレッド伯は直ぐに王都に早馬を飛ばしたが、ブロッケン領の関所で止められた事、その数年前からブロッケン領が流通を止めた為に異世界と繋がるまで貧困に喘いでいた事を話し。


「この事は商人ギルドに確認を取って頂きたい、開拓地フロンティアにはここ何年も商人が訪れておりません」


そう言うと王は側近に。


「誰ぞ商人ギルドに赴いて、話を聞ける者を連れて参れ」


そう言うとインクブに続きを促した。


そしてインクブは過去10年間にブロッケン領から度々、領兵が赴き食料と女達を奪って行った事を言い。


「それに付いては証言も取れております」


そう言うと壁のウオールで買ったDVD再生機を出して王の前に置くと、尋問した捕虜の証言を再生し出した。


王は最初驚いていたが、画面を食い入る様に見て、カール候の命令で女達を攫って、帝国に奴隷として売った証言を聞いて。


「あやつは阿呆か?自ら国力を落とす様な事をしおって」


仮にも王族の末席だからと、温情を掛ければこの始末だと嘆くと、証拠はこれだけかとインクブに問うと


「現在、開拓地フロンティア領で帝国から逃げてきた被害者を保護しております」


安全の為場所は言えませんが、そう言うと王は


「さもありなん、暗殺されても叶わん、そのまま秘匿せよ」


そう言うとブロッケン領との戦闘は事実か?

そう説いて来た。


「事実です閣下、十年前に妻を連れ去られ、今度は娘を攫われそうになった男が、ブロッケン領兵を殺害したのがきっかけです」


そう言うと王は、ため息を付いてから。


「妻の次は娘か?鬼畜じゃな」


インクブはそれを聞いてから。


「アルフレッド伯は事態を聞いて、野党と変わらん、盗っ人から家族と財産を護った男を罪には問えぬ、そうおっしゃいました」


王はそう聞くと。


「あれはそう言う男じゃ、だからこそ領地を王都の近くの肥沃な土地に変えて、軍備を増やすつもりだったのだが」


知らん間に王都から一番離れた場所におる、この事はカール候の仕業だと言う証拠もある、そう言うと先端を切ったのは何方か?そう聞いて来た。


インクブは先の戦闘のDVDを見せると。


「戦闘はブロッケン領兵からでした閣下」


そう言って解説しながら最後のテント破壊まで行くと。


「現在、ブロッケン領兵の捕虜が多数おります」


そう言っている間に商人ギルドからギルド長が来たと連絡が入った。


「ここに通せ」


と王が言うと1人の中年の男が入って来た。


「お呼びになりましたか?閣下」


そう言うギルド長に王は


最近開拓地フロンティア領に行った者はおるか?」


そう聞くとギルド長は


「いいえ閣下、ブロッケン領から入ろうとすると関所で止められて入れない、そう聞いております」


そう言うとここ何年も止められて開拓地フロンティアに行けないと話し、役人にも相談したが返事が無いと言い。


「閣下にお会い出来る機会が出来て、幸いでした、異常とした言えません」


そう言うと、開拓地フロンティアで餓死者が出ている可能性があるので早急に調べて欲しいと話した。


それを聞いて王は。


「あい、わかった、必ず調べる」


そう言うと商人ギルド長を下がらせた。


「もう、無理だな、カール候には任せられん」


そう言うと、領地は取り上げる、カール候に書簡を送る用意せよ。


そう言うとインクブの方を見て。


「お主達の剛力を貸してはくれんか?、勿論対価は払う」


そう言う王にインクブは


「その事でお話しがあります、閣下」


そう言うとスーパーで買ったDVDを再生し


「帝国の戦力の話しです、閣下」


そう言うと再生したDVDの解説をし出した。

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