霧の中の船団
「旧ドイツ軍が敗戦する数ヶ月前の事だ」
旧ドイツの港を数隻の貨物船が出港した
「目的地はブラジル、そこでドイツ軍復興の拠点を作るのが目的だった」
貨物船の荷物は工業機械と職人工として訓練されたヒトラー青少年団
「そして旧ドイツ軍、最後の軍隊」
貨物船団はブラジルを目指す航海の途中で霧に巻き込まれて船団が霧の中に消えた
「それが魔石山脈の霧だった訳だ」
霧が晴れで着いた場所は旧共和国の近くの砂漠地帯
「近くのオアシスから水を確保してたら、そのオアシスの持ち主である地元の遊牧民と衝突した」
後は雪崩に巻き込まれる用にして旧共和国まで巻き込んで戦争
「旧共和国は消滅して新興 第三帝国が樹立したって事らしい」
そこまで聞いていたインクブが
「何で王国は占領されない?何回か戦をやってるんだろ?」
それをそれを聞いてロックが
「王国の相手は最後の軍隊じゃ無くて地元の遊牧民だよ」
何でも最初に衝突した遊牧民は降参して傘下に入り、王国との国境警備に着いているらしい
「おまけに手弁当で支援は全く無し、帝国は北進して海に出るのに血眼になってるから辺境の王国は目に入って無い」
「田舎って………エライ酷いな!」
隣を見るとイザベラの肩が震えていた
「砂漠を抜けても魔石山脈、おまけに不作になれば餓死が深刻な問題になるひ弱な農耕体制」
占領したら持ち出しで開発するのは目に見えているから放置してる
そこまで聞いてイザベラが
「そ、それで狙われないなら良いじゃない!!」
そう言って逆ギレしだした
「いや、状況がこれから変わるかもしれん」
ロックはそう言ってから
「今は洞窟が日本と繋がってるからな」
帝国が北進して海を目指すのは、ロックはそう言ってから2人の方を見て
「海の向こうに故郷があると思い込んで探しに行く為なんだよ」
だから南進して日本に行けると分かればそこを通る為に王国を通過するついでに占領するかもしれん
そう言って机に座っているナターシャに目で合図を送ると、ナターシャは引き出しからマニラ封筒を出す
ロックがそれをインクブに渡すと
「最後の軍隊の装備だ、全部では無いかもしれんが」
インクブが封筒を開けるとA4サイズの写真の束だった、写っているのは
「無限軌道トラック、サイドカー、水陸両用車、モーゼルライフルにMP40に機関銃MG42それと……………おい、!嘘だろ?!!」
写真にはタイガー戦車が写っていた
「帝国は航空兵力は無かった、対戦車ヘリが何機かあれば対応は可能だ」
そう言うロックの方を見てインクブは
「お前………一体何者だ?」
「俺か?ただの風俗店のボーイだよ?」
ロックが顔を晒してそう言うとインクブが
「ただの風俗店のボーイが何で対空火器の事に気がつく?」
それを聞いてバツの悪そうな顔をしながら
「日本で風俗店のボーイをしてたのは本当だよ、そのあとちょっと外資系の警備会社に就職したけど」
それを聞いてインクブが
「民間軍事会社?………傭兵か」
「ただの衛生兵だよ」
話はこれで終わりだ、そう言ったロックが最後に
「ウオー ストリートのメインストリート、交番(police box)の隣の アラモ銃砲店って店によってみな」
アンタが欲しい物が置いてある、そう最後に言われて 店を後にした
インクブ達が帰った後にナターシャが、ロックの方を見て
「無料であそこまで教えて良かったのかい?」
そう言うとロックが
「俺たちがいくら稼いでも………対戦車ヘリは買えんよ」
なら買える奴らに買わせて対応させれば良い
そう言うとロックはナターシャの方を見て
「餅は餅屋って言葉が俺の国にはあってね」
軍隊には軍隊が当たれば良い、抵抗軍の損耗率がゼロになるなら
「安い投資だよ、何せ写真を渡してそっと囁くだけだからな」
そう言うとロックは少し寝る、そう言うと部屋を出て行った
インクブはウオー ストリートのメインストリートに脚を運んでいた
「交番(police box)の隣の店、ここか?」
アラモ銃砲店と書かれた看板の店のドアを開けて中に入る
カウンターに居る人物を見てインクブは息を呑んだ
「何で?アンタがここに居るんだ!!」
カウンターにはアラモ銃砲店の主人が居た




