表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/100

王国イチ不幸な少女

インクブが戦闘改造車両テクニカルに乗って広場にあるブロッケン領兵の天幕に近づくと人の気配が無かった


「待ち伏せか?半分は裏に回れ、取りこぼしがあれば頼む」


二手に分かれて前に進むとやがて天幕の前に人影が見えた

木の箱に座って投げやりな態度で座るその姿に呆れながら、それでも罠では無いかと疑いながら近くに進む


「ここで停めろ、各員、盾装備で近接戦装備」


ここでUZIサブマシンやレミントンショトガンを持つ者とスコップやバールを装備する者などに別れた

インクブはUZIサブマシンを装備して準備する


「降りたら散開、奇襲に備えろ、突撃車両はそのまま待機、合図があれば天幕に突撃せよ」


そう言うと散開ブレイクと言ってから飛び降りる、左手の盾を前に少女に近づく


少女はインクブが近くに来てもなお、木の箱に座って何やらブツブツ独り言を呟いてきた


「ウチは王国イチ不幸な少女や、なんで14歳で、しんがりやねん、だいたい親父オトンが倒れたんがケチの付け始めや」


座ったままインクブが近くに来ても、前を見ようとしない、まるでノイローゼのサラリーマンみたいな状態だ、

公園に居たら通報されるヤツだこれ!

そう思いながらインクブは声をかけた


「忙しそうな所すまんが、降伏するか応戦するか決めてもらえるか?」


それを聞いて少女がこちらを睨み付けながら半分キレ気味に


「降伏に決まってるやろ! 勝負になるかいこんなもん、カールのアホはトンズラするしウチまだ14歳やで?、14歳の餓鬼にしんがり任すとか、死ねと言うのと変わらんやんけ!」


立ち上がってキレ気味にそこまで言うとまた木箱に腰を下ろすと大股開きで座って貧乏揺りまでしだした


インクブはそれを見て、腹が立つより先に気の毒過ぎて


「お、おう!わかった、じゃあ武装を解除しろ」


そう言った時に無線で報告が入った


「インクブ閣下、裏から逃げ出そうとした者が居たので拘束しました」


「了解こちらに連れてこい、あと見張りは継続しろ、それがおとりの可能性もある」


そこまで言ってから少女の方を見ると罰の悪そうな顔をしていた


「なるほど、おとりか、裏から逃す為にここで騒いでたんだな」


インクブがそう言うと少女は焦りながら


「バレたか、すみませんでした、あの娘達には乱暴な事はしないでください、お願いします」


木箱から立ち上がって腰を折ってお願いしていた、やがて別働隊が女性を数人と初老の老人を連れて来た


「お嬢様、申し訳ない」


老人はそう言うと少女に声をかけた


「元々ダメ元でやった結果や、しゃあ無いわな」


老人にそう言うとインクブに向かって


「指揮官殿とお見受けする、彼女達はカール候が身の回りの世話をさせる為に連れて来た民間人です、お願いします、乱暴な事はし

無いであげて下さい」


そう言うとその場で膝をついてお願いしだした、それを見てインクブは驚きながら


「どっちが地なんだ?別に何もせんがあの女達は何で戦場ここに?あと身元は?」


一応、間者スパイの可能性を考えて質問する


「彼女達は今年の凶作で年貢が払えない家から担保として連れて来られた人達だ、

その、何と言うかカール候の夜の身の回りの世話をさせる為と言えばわかるか?」


少女は顔を赤くしながら説明する、それを聞いてインクブは


「夜伽の相手かよ!戦場舐めてんのか!」


呆れ顔でそう言うインクブに


「舐めてと言うかほとんど病気なんだ、アレは、そのせいでこのザマだ、おまけに子供にしんがり任すとか」


そう言うと少女はまた王国イチ不幸な少女モードに変わった


それを見て気の毒そうにインクブが


「気の毒だとは思うが武装は解いてもらえるか?、あとウチは女性兵士も居るからそっちに預ける、もちろんウチの男達から守る為だから安心しろ」


そう言って少女に武装を解除させると他の女性達とまとめて広場の端に座らせた


「突撃車両用意、天幕を解体しろ中に隠れている可能性もある用心しろ」


そう言って少女に確認を取る


「今から天幕にあの車両が入ってぶち壊す、民間人はこれで全員か?」


そう聞いて少女は他の女性達には確認を取る


「連れて来られた女達はこれで全員らしい、中に隠れているかはわからないそうだ」


それを聞いてインクブは頷くと部下にハンドマイクを取って来させた


「今から天幕に攻撃を開始する、10数える間に出てこい、来なければ居ないと判断する」


(フロンティア)出身の部下にハンドマイクでそう通達させた

不思議な事だが、通訳の魔石は機械を通すと翻訳はしない、インクブが言うとククアナ語になってマイクから流れる為だ


10秒待ったが出る者は居なかった


「射撃開始、目標天幕」


UZIサブマシンやレミントンショットガンが天幕に向かって射撃を開始する、それを見て少女や老人、女達が地面に座り混んで身を小さくしていた


「射撃中止、そのまま待機だ、突撃車両天幕を解体しろ」


ホイールローダーが前に進むと天幕が潰れて行く、中にあった者が押し潰されながら広場の端に固まって行った、それを見て少女はインクブに質問する


「何で全部壊すんだ?鹵獲して使えば良いのに、勿体ない」


それを聞くとインクブは


「良い質問だお嬢ちゃん、隠し罠って聞いた事は無いかな?」


少女は知らないと答えて首を傾けた、それを見てインクブは真面目な顔で


「俺なら貴重品に触ると怪我をする仕掛けを残しておく、食料や水なら毒を仕込む」


それを聞いて少女は、驚いた顔をして


「そこまで考えるのか?」


それを見てインクブは少女に


「実際被害もあるんだよ、不安定要素は全て取り除く、でないと長生きは出来んよ戦場では」


それを聞いて老人が頷いていた、心当たりがあるらしい


「さーて、俺はインクブと言うんだか、お嬢ちゃん名前は何で言うんだ?」


それを聞いて自己紹介もしてい無い事に気が付いて慌てて


「ユリアナと言います、インクブ閣下」


そう言った少女の前で解体は進んでいた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ