回転率と損耗率
基地にトラックがどんどん到着する
監督がドライバー確認と書類を確認し中の荷物の種類で降ろす場所を決める
無線で場所を聞いて先にリフトが移動する
トラックのドライバーにリフトの場所までと指示して移動させる
トラックが着いたらアイリーンとドライバーでウイングを開ける
パレットに積んだ荷物をリフトで降ろす
16枚を10分で降ろす
下ろしたら次の場所に移動する
午前中はそれで潰れた
合間に集められた領民達で作っている馬防柵の資材も運ぶ
丸パイプ、ジョイント、フェンスで自立型のサッカーのゴールの様な物を作る
違うのはフェンスに有刺鉄線を巻きつけている所だ
前線(向こう)で一列に並べて丸パイプをジョイントで繋ぐ重り(バラストタンク)を噛ませて固定する予定だ
丸パイプでサッカーのゴールのゴールそのものの型を作る
網のネットの代わりにフェンスと有刺鉄線を貼る
向こうに設置したらゴールキーパーの居る場所にパイプを渡し、水のタンクで重しにする予定だ
昼に領軍の食堂で飯になった
食堂で昼飯を食う
テーブルの向こうに座ったアイリーンが聞いてきた
「ブロッケン領軍はどう出ると思う?」
「一度に全勢力て来てくれた方が楽だな」
そう返すと、何で?っと聞いてきた
「銃は初見殺しだ、一度に来て全滅から後退してくれた方が工事がやりやすい」
俺は水を飲むと後を続けた
「最悪なのは少しずつ出してゲリラ戦だな
手間ばかりかかって工事が進まないウチに本隊が来たら困る」
アイリーンが、えっ!とした顔をして本隊っと聞く
「仮にも王族の末端なら、王家に泣きつくだろう、そっちが本命になる
まあ、あくまで予想だけどな」
そんな話をしながら食い終わって食堂を出る
出た後に後ろのテーブルで食事をしていたマクマザーン達が目を見合わせていた
「世間は狭いな、同じ考えの同志が野に居るとは」
マクマザーンがそう言うとインクブが
「あいつ…何者だ? 軍籍があるようには見えんが」
ボーヴァンが水を飲みながら
「設置場所のリフトマンは彼にやってもらおう、肝も座ってそうだしな」
ボーヴァンのその意見に2人は同意し
リフトと共に前線に送られる事になったかばだった
トラックに出来た馬防柵を重ねて積み込む
明日の夜明けと共に出立する
全ての荷物を積むと、リフトに軽油を補充してトレーラーに積み込んだ
ワイヤーで固定すると所定の位置に停める
領軍兵を乗せるトラック、物資を積むトラック、などが固まって駐車している
シャワーを浴びて夕食を取ると早めに寝る
午前3時に起きて移動予定だ
ウトウトと仮眠を取ると時間になった
食事を取って銃を入れているダッフルバッグを取ってトラックに向かう
今回、アラモ銃砲店で予備の弾薬とマガジンと弾薬箱
それから奥の手を新しく買った
商品を頼んで、爺さんの第一声は
「戦場に出るのか?」それに対して
「王国軍が出るかもしれん、本隊がな」
爺さんの顔を真っ直ぐに見ると
「爺さんはどうする?アメリカには帰らないのか?」
そう聞くと苦笑いしながら
「家族を置いてか?そんな気は無いな」
そう言って奥でミシンを掛けている女性と獣人の少女を見る
「死ぬならここが良い、墓も頼んでるしな」
優しい目で奥を見る爺さんに
「心配はいらんよ、そのうち戦車でも頼むかもしれん」
それを聞いて爺さんが笑いながら
「ソ連製でいいか?安くしとくぞ」
そのうち頼む、そう言って店を出た
そこまで思い出した時に出発の合図が出た
「行くよ、パパ」
アイリーンがトレーラーのギアを入れて出発する
数時間後には戦場に着く




