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アルフレッド、フォン、フロンティア

アルフレッド、フォン、フロンティア


王国の辺境地、(フロンティア)に領地替えで着任した。

元は子爵であったが帝国との戦で武勲を上げ、その褒美として領地が増える予定であったが。

それを良しと思わない敵対する貴族に裏工作され、領地を増やす名目として辺境の過疎地に領地替えをさせられた。


(フロンティア)領、首都フロンティアシティ


とは名ばかりの通りが1つしか無い開拓地の田舎にあるのは、商店が1つと教会。

あとは疎らにわずかばかりの畑と今にも倒れそうなバラック小屋の中に。


フロンティア領、領主邸があった。


領主邸と言っても平屋の建物に暖炉がある居間を兼ねた書斎に、小部屋が何部屋かあるだけの地主の家と変わらない規模の屋敷だった。


そこにフロンティア伯と相談役のガンダルの2人だけで今後の相談をしていた。


「全くここまで何にも無い開拓地を、良くも探して来たもんじゃわい」


そう言うガンダルに(フロンティア)伯が。


「全く手の込んだ嫌がらせのせいで、冬に餓死者が出ない事を祈るのみだ」


そう、言ってため息をつく。


そう、これは嫌がらせ 全ては帝国との戦に勝った戦勝記念の祝いの席で始まった。



戦勝記念の祝賀会に(フロンティア)伯は、亡き妻の代わりに娘のアイラを連れて行くことになる。


アイラは今年16才、髪は金髪でウエーブのある髪を、肩まで伸ばしスタイルも良く、出ている所は出て、引っ込む所は引っ込んでいる理想的な体型だった。

亡き妻に似たその肌も大理石の様に白く、何処ぞの王家と言われても通る容姿だった。


そしてそのアイラを、たちの悪い噂の絶えない王族の血を引いてはいるが、継承者からは程遠い問題児に見初められてしまった。


この問題児はカール ブロッケン ジュニアと言い、女癖が悪いので有名な男で。


気に入った女性なら、婚約していようが結婚していようが別れさせ、自分の妾にする男で

間の悪い事にブロッケン領の後継者であり。


女癖以外は問題の無い人物なので、親も相続から外せず、問題があれば権力と金で、もみ消して来た。


その問題児がアイラに眼を付けた、

自分の所に送る様に要求したが断られた為

嫌がらせの為に、ブロッケン領の隣。

開墾したばかりの開拓地に、領地替えをさせ

その上ブロッケン領を通らねば王都に行けない所を利用し、高い関税を掛けて(フロンティア)領を実質、味方であるのにもかかわらず隔離政策を取って弱体化させていた。


「金じゃな、鉱山はあるんじゃし他に鉱脈が見つかれば良いんじゃが」


そう、ガンダルは呟く、それを聞いて(フロンティア)伯が。


「上手く見つかれば良いんだが」


そう言って悩む領主に。


「ここから西に行くと崖があるじゃろ?

崖とゆう奴は地面にある地層が見れるんじゃよ、明日調査してくるわい」


そう言うと、席を立って部屋を出るとき。


よろしく頼む、とガンダルに声を掛けて机に向かう。


部屋を出たガンダルをアイラが待ち構えて居た。


「先生、私、やはり隣領に行った方が」


悩み抜いた末に言ったその言葉にガンダルは。


「馬鹿を言っちゃいかんよ、お嬢ちゃん」


「でも、このままだと」


そう言うアイラに。


「お嬢ちゃん、あんたが向こうに行ってあの問題児がこっちに食料を渡すと思うかね?」


そう言うガンダルを、えっ?と言う顔をして。


「アイツは最低じゃからな、嬢ちゃんが行っても何にも変えんよ

逆に人質を取られてさらに酷い要求をされる事になる」


それを聞いてアイラは。


「そんな、 ………酷い、」


「その酷い事をするのが人間じゃよ」



そう言ってからアイラに。


「嬢ちゃん、明日は崖に調査に行くから付き合ってくれ、たまには気晴らしにええじゃろう」


そう言って離れるガンダルは。


(このまま眼を離したら勝手に隣領に行きかねんからな)


そう考えていた。


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