エマとブロスの姉弟
2人を連れて宿に帰ると、アイリーンの部屋に寄った
ドアをノックするとアイリーンが出て来て
「かばさん?どうかしたん?」
そして廊下に居る2人に気がつくと
「モフモフううううーーーーっ」
そう言って目を見張る
「すまんがこの2人を洗ってやってくれるか?」
そう言うとアイリーンは顔を縦にブンブン振って目を目を輝かせる
「すまんが頼む、あと手をワキワキさせるのは辞めてくれ、2人が怯えてる」
2人の方を見ると、お互いを抱き合ってガタガタ震えてアイリーンの方を見ていた」
2人を預けると、一旦自分の部屋に入ってタオルを持って来る
それから外に出て2人の着替えを買って帰ると
アイリーンがジャージに着替えて2人の頭を拭いていた
着替えを渡すと一旦外に出て、自分の部屋に入り鞄の中から必要な物を取り出した
アイリーンの部屋に帰ると、2人の着替えを手伝っていたアイリーンが
「かばさんこの子達は?」
そう聞いて来たので、今回の魔獣の件の被害者の子供で孤児になった事を説明する、それを聞いたアイリーンが気の毒そうな顔をして
「そっかー、気の毒にね、それでこれからどうするの?」
そう聞いて来たので、ウオールに帰る時に連れて行くつもりだと説明する
「ウオール?この子達を連れて?」
そう言うアイリーンに、説明しながらさっきまでの事を思い出す
チカラが欲しいか?2人に聞いた時だった
「お客さん、お釣りを忘れてるよ」
そう言われた方を見ると屋台の主人がお釣りとお盆に載せた飲み物を持って立っていた、お釣りを渡してから
これはサービスだ、そう言って飲み物を配る
「俺も少し休憩するわ、話を聞かせてもらっていいかい?」
そう言って隣のベンチに座ると
「俺にも子供が居るんでね」
そう言って2人の方を見ている主人に
俺もだよ、と言うと自分も主人の隣に座った
「今回の件だがマッチングミスで起きた弊害だ」そう言うと
「すまん、意味がわからん」
そう言って不思議そうな顔をしている主人に説明する
「ここは鉱山の街で仕事の募集は肉体労働が大半だ、当然この2人には無理だし
元々そんなに人が多いわけでもない」
そう言ってから主人の方を見ると
「確かにここは店とかもそんなに無いな田舎と変わらんくらいだ」
そう主人が言った、それで?と聞いて来たので
「店が少ないから当然、この2人回せる仕事も少ない、元々店に居る人手で賄えるからだ」
そう言ってから今度は2人の方を見ながら
「ここの人達はお前たちを嫌ってる訳じゃ無い、仕事をやりたくても出来ないんだ、だからお前たちに仕事をくれる所に連れて行こうと思う」
そう言うと屋台の主人が
「待ってくれお客さん、あんたを疑ってる訳じゃ無いんだが、
2人を何処に連れて行くつもりだ?」
そう聞いて来たのでウオールに連れて行くつもりだと答える
「ウオールは、街の開発で景気が良い
店の数も多いからこの子達でも出来る仕事があるしな」
そうウオールは今や建設ラッシュの真っ最中だ、トカレフも子供が働いていると言っていた、2人の方を見ながら
「俺が出来るのは、お前たちをウオールに連れて行って、向こうのギルドに頼んで子供に頼んでる仕事
店の掃除や店番、伝言の使いっ走りなんかを回してもらう用に頼む事、あとな
向こうに着くまでに数の計算とか算術の基本を教える」
それから主人の方を見て
「俺が出来るのは2人をウオールに連れて行って仕事を探す手伝いをする
それまでの費用も面倒を見る
そこまでまだ、後は2人次第だ、
それでもここ、ロックに居るよりは食える可能性がある」
そう言うと屋台の主人は納得した様な顔をした、それから2人に向かって
「お前達、俺はこの人に着いて行った方が良いと思うんだが、お前達はどうする?」そう言って2人の返事を待つ
俺も黙って2人の様子を見ると、ジッと考えている様だったが、弟の方が
「俺は行くよ姉ちゃん」
そう言って姉の方を見て
「ここに居るよりずっといいと思う、一緒に行こうよ姉ちゃん」
そう言って姉の方を見ると姉も頷いて
「よろしくお願いします、私の名前はエマ
弟はブロスと言います」
そう言うとベンチから立って頭を下げる
弟もベンチから立って姉の隣に並ぶと頭を下げて
「よろしくお願いします。」
そう言った
ここまでアイリーンに話すと、アイリーンは納得した顔をして
「そうかー、じゃあしばらく一緒だねよろしく」そう言って手をワキワキさせるので
「そのワキワキは止めろ、あとこれで計算を教えてやってくれるか?」
そう言って部屋から持ってきた筆記用具を渡した




