チカラが欲しいか?
次の日の朝、アイリーンと同じ宿に泊まって居る宿屋にセルゲイが訪ねて来た
「実はここのギルドが、ギルド権限で冒険者の強制招集をかけてな」
ギルドはそれぞれのギルド支部の権限で、緊急事態に対処する為、その場にいるギルドに登録している人材を招集出来るらしい
「これは本来なら魔獣のスタンビートなんかに対処する為なんだが
今回鉱山に住み着いた魔獣のせいで、ロックシティの経済が止まっている状態でな、緊急事態に認定された」
そのせいで、俺やアイリーンそれにセルゲイとその他の冒険者の全員で、鉱山の魔獣の討伐に行くらしい
「明日の朝にギルド前に集合だ
本来なら今日なんだが
アイリーンのシゴキのおかげで体力的に無理な奴が多くてな」
なんでもハイポートさせられた連中は手が上がらないらしい
「その為明日の朝まで、全員休暇だゆっくり休んでくれ」
そう言ってセルゲイは帰って行った
そしてその日のお昼、宿は昼飯が出ない為に屋台を見ながら物色していると
肉を串で焼いて売っている屋台をジッと見ている子供2人の姿があった
姉は14歳くらい弟は12歳くらいの姉弟の2人のようだ、少し薄汚れた格好で辛そうに屋台を見ている
俺は屋台の肉を見る振りをしながら、肉を焼いている主人に声を掛けた
「あの2人何だが、なんでまたコッチを見ているんだ?」
そう言うと屋台の主人は小さな声で
「すいませんお客さん、勘弁してやって下さい」
そう言ってから、あの2人は鉱山の魔獣騒ぎの時の犠牲者の子供で
元々、母親が居なくて父親が育てていたのだが、今回その父親も魔獣に殺されて天涯孤独になった事
最初は父親が残した金で暮らしていたが、金が心許無くなってギルドで仕事を探すのだが、元々鉱山の仕事で子供の求人が無く収入が無い事などを教えてくれた
「店の余り物とかやれる時はやれるんだが。毎日は無理でね」
そう言うと、すまんが我慢してくれ
そう言ったその時、昔の記憶が思い出された
冬、暖房の無い部屋、弟と2人毛布に包まって寒さに耐える
「にいちゃん、お腹空いた」
そう言った弟が可哀想で、ウチの中をひっくり返しで食い物を探す
1つだけ出てきた袋麺のインスタントラーメンを、作って分けて食べる
「美味しいね、にいちゃん」
そう笑う弟
そこまで思い出した時、居ても立っても居られない思いが溢れ出す
屋台の主人に焼いてる肉を全部くれ
そう言ったら、驚きながら全部包んでくれた
それを持って2人の側に行くと、声を掛ける
「すまんが、買いすぎて困ってるんだ
一緒に食ってくれるか?」
そう言うとビックリして居る姉の前に弟が飛び出す
ジッとコッチを見て様子を見る弟に
「悪いが手伝ってくれないか?」
そう言って近くのベンチに2人を座らせて、肉を渡す
最初は戸惑っていたが、俺が食って食えと身振りで示すと
最初は遠慮がちだったが、やがて貪る用に食い出した
「何で俺たちにこんな事してくれるんだ?」
そう言って不審そうにコッチを見る弟に
「スカウトだ」
そう言うと、ポカンとして居る2人に
「チカラが欲しいか?」
そう聞いて居る俺が居た




